概説
ストリートファイターZERO2から正式にプレイアブルキャラとして登場した豪鬼に対して、特定条件をクリアして登場する、いわゆる隠しボス仕様の豪鬼。
パっと見では道着が紫になった只の色違いにしか見えないが、性能は大幅にアップしており…
・空中飛び道具である斬空波動拳が2発に増えている
・阿修羅閃空の技後の隙がない
・瞬獄殺の移動速度が段違いに速い上に、移動投げ扱いからガード不能打撃判定になっている
・灼熱波動拳の溜め動作が非常に短い
・ピヨっても即回復
…など、様々な部分で大幅なアッパー調整が加えられており、特定条件化でしか出ない隠しボスに相応しい強さを誇る。
元ネタはスパ2Xや初代ストZEROに登場するCPU仕様の豪鬼であり、上記の特徴を持ったCPU豪鬼を別個のキャラとして再現、プレイアブル化したのが真豪鬼といえる。
続編のストZERO3はもちろんノーマル豪鬼自体がシリーズ初登場となるストⅢ2ndにもパワーアップ状態として登場、ストⅢ3rdには登場しないが内部データには存在する。(ただし2nd真豪鬼のデータ流用らしく、ほぼそのまんまである)
道着はより濃い深紫となり、赤髪に紛れた白髪、白眼の部分は金色となっている。2Pカラーは完全に白髪、道着は茶鼠(ちゃねず)色でシックな印象。
時を経て発表されたスト2の続編ウルトラストリートファイター2にも登場する(表記もしっかり「SHIN GOUKI」もしくは「SHIN AKUMA」である)。
SVC CHAOSやストVにも登場するが、紫色の道着に加え白く染まった髪や眼、より浅黒くなった肌などカプエス2で隠しボスとして登場した神人豪鬼と見た目がほぼそっくりになっている。
読み方自体は神人豪鬼と同じだが、あちらはルガール・バーンシュタインに暗黒パワーを強引に注入されて暴走状態に陥ったのに対し、こちらは純粋に殺意の波動としての力を高めたモノとされている。
力を高めた要因は語られていないが、狩那匠による漫画『ストリートファイターZERO2』では、春日野さくらに敗れた殺意の波動に目覚めたリュウの力を豪鬼が吸収して変貌している。
読み方は同じだがこちらでもない。
登場条件
ストリートファイターZERO2
1PならPカラー、2PならKカラーを選んで、アーケードモードで全ラウンド一回も負けなし(途中2P側の乱入もなし)で進み、なおかつパーフェクト勝ちを3回以上決めるとラスボス戦の前に乱入してくる。
乱入時に表示されるメッセージはおなじみ「我こそは拳を極めし者…」。
ストリートファイターⅢ2nd IMPACT -GIANT ATTACK-
まずノーマル豪鬼が隠しボスのため条件を満たして乱入させなければならない(ノーコンティニュー、1ラウンドも負けなし、パーフェクトを規定回数行う)。
それからさらにラスボスとして乱入してきたノーマル豪鬼を、
- *1ラウンドも負けなし(ストレート勝ち以外無効)
- *ジャッジ判定やタイムオーバーによる判定勝ちをしない(KO勝ち以外無効)
- *全ステージを通してチープフィニッシュが3回以内である(オプションでのラウンド設定に関わらず)
- *ノーマル豪鬼戦に1回でもスーパーアーツフィニッシュ(チープフィニッシュは不可)orパーフェクト勝ちを達成(ただしこの条件に関しては事前にノーマル豪鬼の条件の1つであるパーフェクトを規定回数にさらに+1以上取っていた場合は免除される。)
- *最終ラウンドでノーマル豪鬼にスタンゲージがMAX状態でK.O.フィニッシュをしていない。(※最重要)
この条件を満たすと、倒れた豪鬼が青く点滅しながら「我が拳の真の力を見よ!」というセリフとともに真豪鬼へとパワーアップして起き上がり、暗転したステージで再度戦うこととなる。
その際使用するSAはノーマル豪鬼から継続したままとなる。つまりノーマル豪鬼戦で例えばSAがII・滅殺豪昇龍であればそのまま変更なくII・滅殺豪昇龍のまま連戦することになる。
なおスタンゲージがMAX状態でK.O.フィニッシュしてしまうと倒れた豪鬼が起き上がらずゲームがそのままフリーズしてしまうというとんでもないバグが発生してしまう。もちろんこうなってしまっては最後で筐体のリセットボタンを押す以外対処方法が無くなる。ダメ。ゼッタイ。
ストリートファイターZERO3
殺意の波動に目覚めたリュウのアーケードモードのラスボス。
勝利するとリュウが「勝った…俺が…殺した…!」と発言するため死亡してしまったようである…
プレイするキャラクターによって死の末路を辿るのは『'96』のこの人と同じか。
家庭用ではワールドツアーモードの隠し獄炎島コースのラスボスとしても登場。
SNKvsCAPCOM SVC CHAOS
本気になったMr.カラテとともにアーケードモードのラスボスを務める。
神人豪鬼とほぼ同じ見た目だが背中の文字は「天」
ストリートファイターVアーケードエディション
アーケードモードのスト2、スト4コースの隠しボスとして登場するほかエクストラバトルでも登場。
ノーマル豪鬼からして背中の文字が「神人」であるため当然こちらも「神人」…なので見た目だけならもう完全に神人豪鬼である。オロチの力が無くとも神の域に到達したという解釈で良いのだろうか?(未来の話であるストⅢではまた背中の文字が「天」に戻っているが)
ストリートファイター6
2024年5月22日から6月1日までの期間に開催されているバトルハブのイベント「GIANT ATTACK」にて挑戦可能なボスとして真豪鬼ならぬSiN豪鬼が登場。どうやらプログラムらしく、本物の豪鬼では無い模様。
撃破報酬としてドライブチケットが大量に入手できるほか、真豪鬼のキャラクターカラーであるEX01、専用の称号が入手可能。
また、プレイヤーも通常の豪鬼を使用中に「後ろ+アピール」で座った後に「↓+アピール」を入力するとおにぎり(海苔が巻かれていない梅おにぎり)を食べてパワーアップし使用可能となる。
ただし、モーション終了までにかなりの時間がかかるので、実戦で使用するのはまず不可能だろう。
性能
ZERO2では初登場ということもあってか登場時からして「ふん!」ではなく「滅殺!」と気合十分。かなり反則じみた性能であり、とりあえず二連発する斬空波動拳を撃っていれば大抵の相手を完封できるほどの性能を持っており、同じく隠しキャラであるスト2風ザンギエフは回避手段が一切ないため全く歯が立たないという有様であった。CPUのアルゴリズムも凶悪であり、大抵の技は完全無敵の豪昇龍で狩られ、阿修羅閃空→瞬獄殺であっさり始末されるなど、多くの挑戦者を黄泉へ送ってきた。
Ⅲ2ndでは、もともとノーマルの豪鬼が隠しキャラで超強力ということもあってか従来の斬空波動拳が二連発なところに加え強Pのダメージ増加や滅殺豪波動、天魔豪斬空のヒット数増加という強化ポイントはあるものの前述・後述の他の真豪鬼と比べあまり性能差がない。瞬獄殺に至っては移動速度がノーマル版より遅いなどなぜか弱体化されている。肝心の斬空波動拳もブロッキングというシステムとの相性が悪く、(ストⅢシリーズ内ではトップクラスの性能ではあるものの)ZERO2の超凶悪な真豪鬼を知っている者にとっては少しガッカリな性能である。
ZERO3では前作と比べて豪昇龍の着地後のスキがなくなったり、瞬獄殺がコンボに組み込めたりと更にパワーアップした一方、豪波動拳の発生が遅くなり竜巻斬空脚の裏側の攻撃判定がなくなるなど下方修正された部分もある。隠しボスではないためかCPUのアルゴリズムはだいぶ下がった。
SVCでは暗転の演出はあってもノーゲージ(つまりただの必殺技扱い)で滅殺豪波動、滅殺豪昇龍が撃てるほか、通常攻撃の気絶値が他のキャラよりも高くなっている。百鬼襲が削除されたほか、ゲージが溜まりにくいという欠点はあるが瞬獄殺以外に使い道がないためまったく問題なしという、まさに「真」の名に恥じない性能である。
Vの真豪鬼はクラシックコス(従来どおりの見た目)で、神人豪鬼やSVCと同じ紫色の道着と白髪になったカラーリングである。常時Vトリガー1「怒髪衝天」状態(斬空波動拳2連発、クリティカルアーツで瞬獄殺使用可能)であるが、豪波動拳が2ヒットではなく1ヒットのままで豪昇龍拳後の追撃がないなど、ZEROやⅢなどの真豪鬼を再現するように差別化されている。
ウル2では弱点であった体力アップのほか灼熱波動拳の威力が大幅に強化されているうえに、瞬獄殺は移動中完全無敵とZERO2時代の凶悪な真豪鬼の再来ともいえる性能である。バランスブレイカーのせいかネットワーク対戦では使用できない。
6ではおなじみ斬空波動拳を二発撃てたり、SA2として金剛國裂斬や禊が追加されるなど、はっちゃけ仕様となっている。
GIANT ATTACK版はこれに付随して体力の増加とSAゲージの自動補填能力を持つ。
CPUお得意の超反応で「ドライブインパクトはDゲージさえあれば100%返してくる」「波動拳を嫌がって垂直をしたところに禊を合わせてくる」「中足が通ったらキャンセルラッシュからのゲージが自動補填されたSA3で7割削ってくる」など公式から「超強い」と太鼓判を押されるだけあり強力な仕様となっている。
体力を減らしても今作の瞬獄殺がCAである都合上、急にブッパされて負ける可能性もあるため油断ができない。
しかしCPUである都合上、対応できない技がいくつかあり、キャミィのフーリガンコンビネーションからのフェイタルネックツイスターを繰り返すなど「CPUをはめる方法」も編み出されている。
また、ワールドツアーで育成したアバターで挑むことも可能、いくら強いと太鼓判を押されても魔改造を施されたアバターには流石に敵わないようで「普通に挑んだら勝てなかったが、アバターで挑んだら勝てた」という声も。
無論、CPUでコレなのだからプレイヤーがおにぎりを食べて使用した際の強さについては説明不要だろう。
余談
スト4AEのCAPCOMへのインタビューにおいて、真豪鬼という存在はあくまで「プレイヤーが超えるべき相手」であるとして、決して「プレイヤーに使って欲しいキャラクター」ではないという思いが語られている。