概要
江戸時代(序文に宝暦12年(1762年)5月と記載)に詳細不明の人物・南谷先生によって書かれた、日本全国の山や川で目撃された異物を記録したという『姫国山海録』に記載されている奇妙な生物の一体。
京都の鞍馬山に見られる、雪のように白い色で腹側が淡紅色をしている、多眼の5~6寸(約15~18㎝)ほどある虫で、そこで採れる火打ち石の原料となる石の中に棲んでおり、中を貫いて食べるという。
余談
この虫に似たものとして、ユダヤ教の『タルムード』にはソロモンの神殿の石材加工に用いられたという宝石や石、鉄を食べる「ソロモンのシャミール(シャミールワーム/ストーンワーム)」と呼ばれる虫のような概念が記述されており、それを描いたと思われる中世ドイツの書物の挿絵に、『姫国山海録』の絵は非常に似ているといわれる。
創作での扱い
- 妖怪処刑人小泉ハーン
「長崎の食屍鬼」に登場する「野槌(フリントストーン・ワーム)」のモデルとなっている。