概要
クトゥルフ神話に登場する神話生物の一種。同名の2種類が確認されており、特にワームの様な姿をした独立種族のドール族は有名。それぞれの解説は次の通り。
ドール
※アカオオカミではない
異次元の存在が放出する未知のエネルギーから誕生したとされる新たな形態の細胞生命体。
名前がよく似ているドール族との関係については不明。
その外見は黒い四本足の動物をしており、生物に憑依できる能力を持ち、取り憑かれた生物は非常に敵愾心が強くなって攻撃的な性格に豹変し、時に出会った相手を殺害してしまう事もあるとされる。
なお、彼らが宿主から別の宿主に移る際は元の宿主は死んでしまうらしい。
ドール族
惑星ヤディオスやドリームランドのヤスの谷に生息しているとされるヌメヌメとした粘液に覆われた体を持つ白っぽい巨大な芋虫、ミミズの様な生命体で、通常のサイズで長さが180m、直径が6mもあり、それを超える直径が15mの個体も珍しくないとされている。ちなみにナイトゴーントに捕まり、彼らの生息する谷に連れて行かれたものは、大抵ドール族に遭遇して惨殺されてしまう運命をたどる事となる。
なお彼らは光を嫌い、普段は穴を掘ってその地中に棲んでいので見かけることは殆ど無いとされているが、あくまでも光を嫌っているだけであって、別に光を浴びたからといってどうこうなるという訳ではない。
ただし、この習性がやっかいで、とにかく光を嫌って地中の奥深くまで穴を掘り続けることを止めずに掘り進んで惑星を侵食し、地層を穴だらけにしてスポンジの様に変えて荒廃させてしまう。その為、惑星ヤディスに生息している個体は現在はさる魔導師によって封印されて地中の奥深くへと追いやられているが、いずれ惑星を滅ぼしてしまうという予言があるという。
ちなみにヤディオスを始めいくつかの惑星に生息している事から、何かしらの星間移動手段を持っているのか、別の生物の手によって別の時から移動したのかは不明だが、少なくとも現在の所は地球では生息は確認されていない(ただし生息していないとも限らない)。
ある仮設によれば夢の世界であるドリームランドに棲息するボールという名の怪物が、異次元隙間を通じて彼らを別の惑星へと生み落としやって来たといわれているが、それが正しいのかどうかは不明。
食欲に関しては貪欲で、ありとあらゆるものを食べてしまうとされ、体の端にある巨大な口から時に粘着性の極めて高い腐食性の唾液を吐き出して獲物を捕らえるとされ、その飛ばす距離は3~5kmにも及ぶという。
文献によってはその存在は不可視の存在とされていたり、旧神の印(エルダーサイン)によって御せるという記述もみられる。
また、知性は低く、本能のままただ貪欲に貪り食うだけの存在とするものやその外見とは裏腹に高い知性を持ち、人間と会話する事ができると紹介するものもある事から、もしかすると知能に関しては個体差があるのかもしれない。
シュブ=ニグラスを崇拝しており、夢や化身を使役して逃げようとするものを追いかける力があるともされているが、具体的にどのようにしてやってのけているかについては不明。
なお、一説によればクトーニアンという名の地震を引き起こす怪物との関連性やティンダロスの猟犬と協力関係にあるのではないかとされているが、詳細は不明となっている。
ちなみに魔導書の1つに『ドール讃歌』が有るが、関連があるかについては不明。