窮奇隼焉が登場する異空郷についてはこちらからどうぞ。
概要
種族 | 窮奇 |
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二つ名 | 不動の慾極同盟長(剛)・濁穢窮まりし覇王(嶺) |
能力 | 何でも歪める程度の能力 |
主な活動場所 | 畜鬼界近辺,前古血の池地獄など |
危険度 | 極高 |
人間友好度 | 低 |
身長 | 131cm |
嘘テーマ曲 | 業深き獣のカニバル・剛猛な覇王の脈々たる食卓 〜 Dirt becomes flesh and blood. |
※ただし危険度や人類友好度等の評価などは作中登場人物の景里清良によるもの。
慾極同盟という組織の盟主である悪神。畜鬼界にある所在不明のお屋敷に居を構える。
蹴牙組、鬼秀組と並んで畜鬼界を牛耳る三大組織の一角である。
オオワシ霊はこの慾極同盟の所属であり、人間(霊)の事は彼らにとって「餌」でしか無い。
あまり勝ち負けに執着することはないが、「利益」という点に関しては譲らず、戦いに負けてもちゃっかり何かしらの成果は得ようとする貪欲さも。
最近は前古地の池地獄に夢中なようで、仕事としての用事の他にも、仕事でミスした時などの気分が落ち込んだ際に、その様子を誰にも見られないからと通っていたことも。が、先客が既にいたことを後々知ることになる。
組織の盟主歴は長く、水霊蛟や宇宙馬驪南が活動し始める数百年昔に四凶で派閥争いをしており、現在は四凶が纏まって慾極同盟となっている。また、隼焉は他の四凶よりも地上や畜鬼界を支配することにあまり興味はなく、そんな姿に周りからは「盟主に向いてない」と言われている。実際、現在も盟主の地位でいられるのは他の四凶の支えのおかげであり、そこを本人も気にかけている。
『東西幻獣鬼』で他の組と結託することを最初に了承したのは隼焉であるが、それは他二つの組織と動物霊達が須弥輪万佳奈打倒のため動き騒ぎ回っている内に旧地獄の奥深くに眠っていた石油の海を組織のために全て独り占めし、集めた石油を使って畜鬼界のみならず地上の欲を全て自らの物にしようと目論んでいたためである。またその後、隼焉は日奈多に提案された前古血の池地獄の管理に利益を見出したためか約束に従いきちんと管理を行なっているもよう。しかし最近になって前古血の池地獄に足を踏み入れる者が増加したことを不審に思い、その原因を調べる為に地底の各地を巡る事となるのはまた別の話…。
また、名前である隼焉の「焉」は置き字でもあり、発音しない場合がある。
そこから他の組長や野衾ひばみなどの彼女とよく関わる人物からは、
『隼』という愛称で呼ばれている。
容姿
金髪にこげ茶のメッシュで瞳の色は金色。首元にリボンをつけており、中華服に似た白と赤を基調とした服を着ている。白い虎模様の前掛けを腰から下げている。首元からスカートと同じ長さまでのファーを垂らしており、黒いハイソックスに暗めの赤い靴。虎の耳と尻尾を持ち、背中には大きな白い翼をもっている。
また、クランベリー・ディザイアとの戦いの際に能力を使い過ぎた彼女は、その弊害によって体が数十メートルほどに膨大し、瞳は赤く翼と肌は真っ黒となり、性格も普段からは考えられないほど理性のない狂暴な姿へと変わり果てていた。
性格
とんでもない捻くれもので、相手を煽り腹立たせることを得意とする。
素直になることが苦手なために強気な言動が目立ち、口が悪く自分のことをすぐ棚に上げる。
善悪の判断はできているものの道徳に然程興味はなく、善悪や秩序に縛られることなく自由気ままに行動することを好む風神としての気質も併せ持つ。悪人に対しては好意的だが、昔の自分を思い出すのか善人が気に食わず誠実なものには強く当たることが多い。
賢人と称される程の頭の良さは本物だが、他人におちょくられるとムキになるなど他の組長に比べどこか子供っぽい。しかしその場の感情に流されて下手な行動を起こしてしまうことはなく、感情を露わにしているようで心の底は泰然自若としており、私情と仕事はきちんと分けて考えている。
基本的に他人を信頼することはなく、常に勝気でぶっきらぼうな態度を取る。
ただし、認めた相手には心内で敬意を払い接し、最もだと感じたら他者からの意見も受け入れる度量の広さも見せている。身勝手な振る舞いをしがちだが、一度打ち解けた相手に対してはそれなりに面倒見も良く、不器用なりに気にかけていたりもする。それはオオワシ霊たちのことを
「どうでもいい」と言いつつも裏からこっそり支えてやるところからもよく分かるだろう。
ひばみ曰く、ツンデレ。
本来は魑魅魍魎から人々を守る聖獣で、捻くれた性格でもなかった。
しかし、悪への迫力を求めた昔の中国の時流により、邪僻さが付加され、魔獣に変化してしまったという。他者を信用せず何でも一人で行うのもそういった経緯があるためであり、親しい人に裏切られたくないという思いからである。
その元来の性格の名残なのか時には情け心を見せることもある。だがそのことを認めるのが嫌で、相手に指摘されると自分の行動を理由づけしてなんとか正当化したり、つっけんどんな対応で返すなどしてはぐらかしている。ふざけた性格の割にやる時はやるなど、その面倒臭さい性質に周りからは辟易されている。
能力
何でも歪める程度の能力
有機物、無機物、法則、概念までもを根底から捻じ曲げることのできる能力。「歪める」というのも、彼女の捻くれた性格からきているのかもしれない。相手の攻撃すらも、その攻撃が存在したという事実を歪ませ無効化することから正攻法では倒し得ない。しかしながら能力を使う際、歪ませる対象の核のような部分を直にいじるため、そのものの持つ性質に隼焉自身が影響され易いという弱点を持つ。(怒りの感情がのったモノを歪ませれば隼焉自身が怒りっぽい性格になるなど)
そのため無闇に能力を使うことはない。
昔、あまりにも見境なく能力を使った弊害で暴走してしまったことがあり、その姿を知る者は彼女を「覇王」と称し畏怖したという。そしてクランベリーと戦うこととなり、その姿にまたなろうとは本人も思っていなかっただろう。
また、彼女自身は罪業の塊そのものであり、罪や罪を犯そうとする負のエネルギーが存在する限り再生するため、滅する事は実質不可能だという。
慾極同盟
そもそも慾極同盟という組織の発端は四凶が終わらない派閥争いに嫌気が差し、終止符を打つために仕方なく手を組んだことから生まれた組織である。群れることを嫌う隼焉が組織の長を務めているのもそこに「利益」を見出した為であり、組織に属してはいるものの組織自体に執着することはない。そのため部下に頓着することもなく、自分の好き勝手にしている。部下達もこれに感化されてか勝手に行動する者が多く、他の組に比べて組織としての団結力には欠ける。だが、組長が余りにも頼もし過ぎるが故に誰もそこを問題視する者はいない。
敵と対峙した際には先ずそれぞれが得をするような交渉を始め、それが駄目なら仲間に引き入れる事を検討し、それが叶わないのならば表面上であれど協力関係を結ぼうとし、それも効果がないと分かれば脅し、それも通用しないと判断した場合は早々に撤退するために周りの組織からは下に見られ舐められている。当人にすると昔の四凶内での派閥争いから学び、無駄な争いを嫌う傾向(無論、他者が無駄に争っているのを見るのは好きだが)にあり、全面戦争は本当の最終手段としている様子。また、組織内のスローガンは「虎視眈々」であり、争いを出来るだけ避け漁夫の利を狙うことをモットーとしている。
隼焉本人は表立って行動するというより、どちらかというと暗躍することの方が得意であり、極力裏方に徹することから目立つ事を嫌い、知名度の無さを良しとしている。そんな様子に他の組長たちからは「引き籠もり」と呼ばれてしまっているが、血の池地獄を見つけてからというもの、その居心地の良さにすっかり虜になり、自宅警備員宛らに閉じこもっていたことから、あながちそういう性向があるのは間違いではない。
上記のこともあり、実力主義である畜鬼界では異質な存在。他の組織からはうんざりされ、万佳奈から慾極同盟は「実力は他の組織より劣る」と指摘されている。その反面、「悪徳であるが故に賢人でもある。」とも言われ、実際、敢えて実力をひた隠しにしているだけであり、その力は他の組織と並ぶに十分なものを兼ね備えている。特に他の組織に対して自分より下などの優劣などもつけておらず、寧ろその悪行を賞賛していたりもする。
種族
中華の凶象「四凶」の一角。
種族である窮奇とは、有翼の虎(又は牛)に似た姿の中国神話の怪物である。
一般的に窮奇の形状は虎に似ており翼を有すると言われ、毛はハリネズミのように鋭いという。
また人を食べる人喰いであり、死体は好まないとし、よく人心を惑わし好んで戦争を引き起こしたともされる。人間の話す言葉を理解でき、人の喧嘩を聞きつけると飛んでいき、正しい方を食べ、忠誠心があり信義のある人がいると聞くと飛んでいき鼻を噛みちぎるのだが、凶悪な悪人には自分が噛み殺した動物を送るといわれている。窮奇は他の凶獣と比べ人語を理解することができるという点から幾分知能が高いとされ、「極めて悪徳であるがそれ故に欺き賢人として盛徳した」とも評されている。
また、「窮奇」という名前は「貧しく奇妙」という意味であり、才もなくいつも誠実な人間をそしっていたためにそう呼ばれたという。
三皇五帝の一人である少皞氏の子息であり、高貴な血統であったものの人々からは「非才の落ちこぼれ」と言われていた。その後、度重なる悪行が災いし、三皇五帝の一人である舜帝によって他の四凶ともども西方の果てまで流刑に処された。一方でその凶悪さゆえ「毒を以て毒を制す」として、さらなる外界から来る脅威への対抗勢力としても機能している。
善人に害をなすという伝承がある反面、宮廷で行われる大儺の行事に登場する十二獣(災厄などを食べてくれる12匹の獣)の中に窮奇という名の獣がおり、悪を喰い亡ぼす存在として語られていたり、かたや風神、鎌鼬などとも同一視されていたりする。
チャームカード
名称 | 登場作品 |
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喰符「剛猛なエピキュールモンスター」 | 東西剛猛奇聞 |
貪婪「大喰らいなロータスイーター」 | 東西剛猛奇聞 |
暴食「腹の膨れぬ怪物の哀れな晩餐」 | 東西剛猛奇聞 |
採血「裏切り者の脈動」 | 東西剛猛奇聞 |
銀貨「背信するユダの血液」 | 東西剛猛奇聞 |
「剛猛な神獣キュウキの底無し胃袋」 | 東西剛猛奇聞 |
「覇王キュウキの聖餐」 | 東西剛猛奇聞 |
悪徳「アビズマルアヴァリス」 | 東西嶺獣苑 |
「リディキュールドゥーム」 | 東西嶺獣苑 |
「蠱毒の美食家」 | 東西嶺獣苑 |
※「覇王キュウキの聖餐」の''聖餐''の部分は「エウカリスト」と当て字されている。
関連人物
敵対する組織の組長。敵ながらに隼焉が認める人物の一人。同じく敵対する組織の組長である驪南と蛟が争っている様子を眺めているのが楽しいのか、よく二人が衝突するように嗾けて反応を楽しんでいたりする。普段は「水霊」と読んでいるが、嶺獣苑で水霊蛟に勝った際には心配や困惑などがあったのか、素が出て「蛟」と名前で呼んでいた。
敵対する組織の組長。敵ながらに隼焉が認める人物の一人。同じく敵対する組織の組長である蛟と驪南が争っている様子を眺めているのが楽しいのか、よく二人が衝突するように嗾けて反応を楽しんでいたりする。普段は「宇宙馬」と読んでいるが、嶺獣苑で宇宙馬驪南に勝った際には心配や困惑などがあったのか、素が出て「驪南」と名前で呼んでいた。
剛猛奇聞の異変の際に出会し、自身の目論見を阻まれた謂わば難敵。
しかし、ベリーの歪んだ感情とその強さを戦いの中で感じ取った隼焉はベリーを気に入ったようで、剛猛奇聞ではベリーに仲間になるよう交渉したりもしていた。(もちろん断られたが)
異変後は良きライバル兼友人のような関係に落ち着いたようで、最近ではベリーと隼焉、それと日奈多(ベリーは日奈多を苦手としており不本意ではあるが)で集まることも少なくないそう。
剛猛奇聞では地上に石油を流出させた真犯人であり、それによって隼焉を地上の共通の敵と認識させクランベリーに接触、隼焉を滅するよう仕向けた。異変後は共に前古血の池地獄の管理人となり、一連の騒動は日奈多が石油を管理するために起こしたものだったという。その意向を汲み取った隼焉は前古血の池地獄の管理人になることに利益を見出し、以降は良きビジネスパートナーの関係に落ち着いている。
元は慾極同盟にスパイとして送り込まれた人物だが、後々正式な仲間として迎えられる。隼焉の部下に当たる人物だが、ひばみのマイペースな振る舞いによく振り回されており、その距離感はもはや友人。しかし友達と認めるのが癪なために他から指摘されても頑なに否定する。
そもそも魎彦の掌に乗りスパイであるひばみを傘下に加えたのは、魎彦の腹の内を探ることのできる可能性のあるひばみという存在に利益があると感じたからであり、魎彦もひばみも信用はしていなかった。(隼焉の能力によって魎彦の能力は効果がなかった)
そのため、ひばみ本人からスパイだと打ち明けられ謝られた際にも、裏切られたような気分にはなっておらず、寧ろそうでないと隼焉からしたら意味がなかった。と、嶺獣園本編まではあくまでもひばみを道具として見ており信用もしていなかったが、正式に慾極同盟に加入することになってからは、サボってないか見にきただけと当たり障りのない理由を付けては血の池地獄に通っている。四凶達のような仲間という距離感とはまた違った、できたことのない「友人」というものに困惑しつつも、初めてできた友達だからか内心嬉しくも思っている様子。それはそれとして、
「部下」としては扱いづらい存在と感じている様子。
慾極同盟内の関わり
同じ四凶である、童雲寺琴衣・將黎檮杌・道崔饕餮との関係性はあまり明瞭にされていない。また他の四凶とは意見が割れること、まず作戦を真剣に考える者が少ないためか四凶内の纏まりはなく、其々が自由な行動をとっている。四人は四つの悪徳を表しており、渾沌は「怠惰」窮奇は「不正、背信」檮杌は「頑迷で粗暴」饕餮は「貪食、貪欲」であり、それがそれぞれの性格でもある。
- オオワシ霊
逸れ者が多く集まっている組織であるためかオオワシ霊達も結構どうしようもない性格の奴らばかりである。そういった性格の者が多いためか、オオワシ霊達からしたら窮奇は憧れの的であり、自分達もああなりたいと思っている。他の組織の動物霊よりも多少こちらの話を聞き、融通も利きはするがオオカミ霊やカワウソ霊などと比べると可愛げのある性格とは言えない、かなり憎たらしい性格である。その性格は他の組織から「陰険・陰湿・不良」などと言われているが本人達からしたら褒め言葉だという。窮奇が群れることのない性分のため、実質オオワシ霊達は勝手に窮奇を慕いついていっている。窮奇にはよく無茶振りを言われ振り回されているものの、オオワシ霊達も窮奇の無茶振りには案外慣れている様子。オオワシ霊達からは「姉御」や「お嬢」と呼ばれており、窮奇は「お前達」や名指しで呼んでいる。
慾極同盟を設立した当初は、琴衣が盟主に任命されたが、琴衣本人が「面倒くさい」という理由で隼焉に盟主役を譲り渡したそう。組織のボスを務められるほどの頭脳を持った琴衣のことを隼焉なりに評価はしているという。というより、盟主に向いていない性格の隼焉が盟主を続けていられるのも、琴衣の力あってのことだろう。琴衣の性格も相まって、何かと周りの面倒を見たりしている。
檮杌の闘争心や無鉄砲なところは組織の掲げるスローガンとはまるで真逆であるため、檮杌の扱いには頭を悩まされており、二人の間では言い争いや喧嘩が絶えないらしい。また、狠亥將は「覇王」と呼ばれていた頃の隼焉に戻ってきてほしいと思っており、昔より丸くなった今の隼焉が更に腑抜けることが許せないのか、血の池地獄に入り浸っている現状を疎ましく思っているところも。
饕餮には手を焼いているが、知恵やアドバイスなどをよくもらっている。饕餮の悪知恵のレパートリーには感銘を受けている様子。物資などを略奪する係であり、よく物資を取引していたり、ご飯を食べに行く仲であったりと何気に一番気が合い仲良しだという。
関連タグ
饕餮尤魔・・・元のポジションとなった『東方Project』のキャラクター。