出馬表*
1.カンシヤ 牝3
2.タイウン 牡3
3.ハチアジカワ 牝3
4.イマヒカリ 牡3
5.クリフジ 牝3
6.セフトモア 牡3
7.トルソオウ 牡3
8.ヒロサクラ 牡3
(※斤量はそれぞれ牝馬が55.5kg、牡馬が57kg)
天気:晴 馬場:良
レース前*
話題の渦中は、この年全戦全勝、無敗のままに阪神優駿競走(現在のオークス)と東京優駿競走(現在の日本ダービー)を制した女、クリフジだった。大きく出遅れた東京優駿を桁違いの脚で6馬身差の圧勝。そして記録を1.5秒縮めるコースレコードを叩き出した化け物じみた豪脚と、この菊花賞前の古馬混合合戦では63kgという明らかに牝馬に背負わせる重さではない斤量を以てして10馬身という圧勝を収めていた。こうなれば彼女に話題が一点集中するのも必然である。
そして迎えた本番、彼女は堂々の1番人気に支持され、晴天の京都競馬場に現れたのだった。
レース結果*
1.クリフジ
2.ヒロサクラ
3.イマヒカリ
4.ハチアジカワ
5.カンシヤ
6.セフトモア
7.トルソオウ
8.タイウン
...当然と言うか必然と言うべきか、55kgという前走、さらにその前のレースで課された60kg越えの斤量で大圧勝をした彼女にしてみれば、55kgなど丸裸の様なものであった。
10馬身どころか数える事もできない大差勝ちを収め、こうして史上初の菊花賞牝馬、及び史上初の変則三冠牝馬、そして牡馬クラシック二冠を達成した牝馬が誕生したのだった。
2023年現在、大差勝ちによる菊花賞勝利を収めた馬どころか、グレード制投入以降G1で大差勝ちを収めた馬は現れていない。(2003年のジャパンカップにて9馬身差で勝利したタップダンスシチー、同年有馬記念で9馬身差で勝利したシンボリクリスエスがグレード制投入以降のG1における最大着差記録保持者である。)
他馬に強いていう事があるとすれば、前回東京優駿競走ではクリフジに遠く離された8着だったヒロサクラが今回は(大差つけられたからダービーの時と大して変わらないが)2着に粘った事くらいだろうか。因みにそのヒロサクラはクリフジ不在の中行われた戦前最後の帝室御賞典(春)にて悲願の八大競走制覇を果たした。2着にはこの菊花賞で大差と2馬身離された3着に終わったイマヒカリが入着している。