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第44回菊花賞

だいちがはずんでみすたーしーびーだ

1983年(昭和58年)11月13日に開催された菊花賞。ミスターシービーが史上3頭目のクラシック三冠馬となった。
目次 [非表示]

'83年、菊花賞。

その馬は、「タブー」を犯した。

最後方から、上りで一気に先頭に出る。そうか…

”タブーは人が作るものにすぎない。”

その馬の名は、「ミスターシービー」。

才能はいつも非常識だ。「菊花賞」


2012年JRA CM「菊花賞」編より


※馬齢は2000年までの旧表記で記載する。


データ編集

開催日1983年(昭和58年)11月13日
競馬場京都競馬場
距離芝3000m
天候曇り
馬場

本番までの動き編集

このレースの注目は、春の二冠馬ミスターシービーがクラシック三冠を達成するかだった。

これまで多くの名馬達が三冠に挑み、ことごとく跳ね返され、気付けば前回のシンザン(1964年)から19年の月日が流れていた。


ミスターシービーは前走の京都新聞杯(現GⅡ。現在はダービートライアルだが当時は菊花賞トライアルだった)では単勝1.7倍に推されたがカツラギエースの4着に敗れていた。それでも菊花賞では三冠への期待を込めて単勝2.1倍の1番人気だった。

2番人気はカツラギエース。3番人気は皐月賞4着、日本ダービー3着と堅実に走っていたビンゴカンタ(1979年の皐月賞馬ビンゴガルーの甥)だった。


出走馬編集

枠番馬番名前騎手人気
11アテイスポート菅原泰夫15
12チヨノカチドキ猿橋重利21
23タマモコンコルド村本善之18
24アスコットエイト五十嵐忠男11
25マンノタロ河内洋4
36ルーキーオー南井克己20
37リードホーユー田島良保5
38ウメノシンオー増沢末夫10
49ミスターシービー吉永正人1
510ダイゼンキング田原成貴6
511ワイドオー川端義雄7
512ドウカンヤシマ大塚栄三郎8
613ウィンディシャダイ加藤和宏9
614ヤマノテスコ武邦彦12
615ブルーダーバン柴田政人13
716ビンゴカンタ岡部幸雄3
717シンブラウン岩本市三14
718カツラギエース西浦勝一2
819バンブトンゲート伊藤清章17
820ヤマトストリーム松田清春16
821ワンアイドダイナ田島信行19

※ミスターシービーは単枠指定だった。


レース展開編集

関西テレビ 実況:杉本清


(上記動画の2:52より)

さあ2周目の、2周目坂の下り!これが三冠街道かミスターシービー!

ミスターシービーが現在2番手か!先頭はドウカンヤシマかドウカンヤシマか!

おっとここで!ここでシービーが先頭に立った!ミスターシービーが先頭だ!

吉永が左右を確かめて、ミスターシービー先頭だ!

第4コーナーをカーブする!ミスターシービー先頭だ!

さあミスターシービー19年ぶりの三冠か!ミスターシービー19年ぶりの三冠か!

大地が、大地が弾んでミスターシービーだ!ミスターシービーだ!

内からリードホーユー来た!内からリードホーユーだ!

さあミスターシービー!吉永の左ムチ!ミスターシービー!

ミスターシービーが先頭だ!ミスターシービー先頭だ!ミスターシービー逃げる逃げる逃げる!

史上に残る三冠の脚!史上に残るこれが三冠の脚だ!拍手が沸く!ミスターシービーだ!

19年ぶりに三冠!19年ぶりに三冠ミスターシービー!19年ぶりに三冠馬を達成しました!

驚いた!物凄い競馬をしました! ダービーに次いで物凄い競馬をしました!

坂の下りで先頭に立った9番のミスターシービー! 勝ち時計は3分8秒1!史上3頭目の三冠馬であります!


レース結果編集

着順編集

順位枠番馬番名前着差人気
149ミスターシービー1
2716ビンゴカンタ33
3717シンブラウンハナ14
437リードホーユー3/45
5510ダイゼンキング46

払い戻し編集

単勝9210円
複勝9140円
複勝16250円
複勝17720円
枠連4-7400円

その他・記録など編集

ミスターシービーはシンザン以来19年ぶりとなるクラシック三冠を達成。

ジャパンカップ有馬記念には出走しなかったが、最優秀4歳牡馬と年度代表馬を受賞した。

ミスターシービー不在の有馬記念を勝ったのは、4着のリードホーユーだった。


一方2番人気に推されたカツラギエースは下から2番目の20着に大敗した。


なお、シービーは向こう正面、いわゆる京都競馬場坂の上りでスパートをかけて4コーナー先頭に立つという、「京都の坂はゆっくり下る必要がある」というセオリーを無視したもので、管理した松山康久調教師は自席で「何をするんだ!!」と慌てふためいた逸話が残っている。


なお、このミスターシービーの大胆不敵な菊花賞勝利から29年後、しかもこの記事上部にあるCMの流れた年に、ある一頭の芦毛の暴れ馬がシービーとほぼ同じ3コーナー手前からの超大まくりという常軌を逸したロングスパートで2冠を達成した。

時代が変われど、才能は、いつまでも非常識である。


関連タグ編集

競馬 菊花賞


【前回】1982年(第43回) 優勝:ホリスキー


【次回】1984年(第45回) 優勝:シンボリルドルフ※無敗で三冠達成

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