概要
海外ドラマを見ていてこのようなスタイルの中華料理を食べているシーンを見かけるだろう。日本人にとってはピンと来ないが、アメリカ合衆国では日常茶飯事だったりする。
あの箱は、「Oyster pail」といい、元々は牡蠣のテイクアウト用に考案されたもの。今では「Chinese Cartons」と呼ばれ、中華料理の容器に使われている。
アメリカ合衆国で中華はピザと同様、デリバリーの定番。「多忙」「貧困」「味気ない」など、余裕のなさの象徴とされる。
主なチェーン店は、パンダエクスプレスが有名。
アメリカン・チャイニーズ
アメリカ合衆国風にナイズされた中華料理。中国料理に比べると、こってりで単調なテイスト。揚げ物や甘辛いソースを使った料理が多い。全体にファストフードっぽく、前述のデリバリーの定番であることと通底している。
アメリカン・チャイニーズ・クイジンと呼ばれる、広東料理に主に影響を受けている。
アメリカ合衆国では本格中華を出す店と、アメリカナイズされた中華料理を出す店が分かれる。
主な料理
Anything with crab:カニの脚。カニカマであることが多い。
酸辣湯『中国料理と基本的に同じだが、アメリカでは具材が決まっておらず、その日の残り物を使うことが多い。
酢豚:アメリカ合衆国の酢豚は肉が多め。
フライドライス:チャーハン。基本は日本の炒飯と同じ。レストランの定番で、ご飯かフライドライスかを選べる。
チャプスイ:チョップスイ。広東省出身の労働者が、移住先で安価に食べられるものとして作り出した、八宝菜をもとにした料理。国によって具材もことなる。
アメリカ合衆国でも、店や地域で具材が異なり、何でもあり。ご飯やかた焼きそばにかけて食べる。
ツォ将軍のチキン:左宗棠鶏。揚げたチキンに、甘辛いタレを絡めたもの。アメリカン・チャイニーズで一番人気。砂糖を大量に使うのが特徴。
ツォ将軍は19世紀に実在した人物だが、繋がりは不明。発祥の地をニューヨークのいくつかの店が主張している。
ハニーウォールナットシュリンプ:サクサクの大ぶりのえびを、はちみつ入りソースに絡ませ、砂糖漬けのクルミをトッピングしたもの。
バーベキュー・スペアリブ:油で揚げた骨付き肉。中華バイキングでよく出る。
ビーフ/チキン&ブロッコリー:ブロッコリーと、片栗粉で下味を付けた薄切り肉を、醤油・砂糖ベースのタレで炒めたもの。芥蘭炒牛肉(カイランと牛肉の炒め物)を作ろうとしたが、カイランがなく、ブロッコリーで代用したのが始まり。
ファイブフレーバーシュリンプ:海老とパプリカなどを、ソースと絡めて中華鍋で炒めたもの。
芙蓉蛋:かに玉。アメリカ合衆国のものはカリカリ焼き、チキンブイヨンの餡をかける。
ミートボール
モンゴリアンポーク:マッシュルームやパプリカ、玉ねぎ、ネギを炒めたものを、豚肉とともにソースに漬け込んだもの。
撈麺:チャウメン(炒麺=焼きそば)、チャオメン、フライドヌードル。アメリカの撈麺は、味付けされた野菜や肉を茹でた中華麺に絡め、オイスターソースで炒めた、焼きそばのような料理。中華料理店のビュッフェで、チャーハンや白米の隣に置いてある。
ワンタンスープ:チキンブイヨンのスープにワンタンを入れたもの。ホウレン草など、緑ものの野菜を具材にすることも。
外部リンク
アメリカで人気のある中華料理12選「何を選んでいいか困ったらこの料理を頼もう!」