概要
ZUN作曲による楽曲。東方Projectの書籍作品の一つである『東方儚月抄 ~ Silent Sinner in Blue.』単行本上巻に付属のCDに収録されている、綿月豊姫と綿月依姫の二人(綿月姉妹)をイメージした楽曲。
曲のフルネームは「 綿月のスペルカード ~ Lunatic Blue 」。
「綿月のスペルカード」であるため、二人のテーマとなっている様子である。
開始直後にメインテーマを宣言した後、舞い踊るような旋律と安定したテーマの交錯が展開されていく力強い曲となっている。
ZUNのコメント(『儚月抄』漫画版上巻)によれば、「 暢気な月侵略者達 」との戦闘を前にした綿月姉妹がイメージされている。
綿月姉妹もまた暢気であるものの、こと戦いとなると「 それはもう強いんです 」。
ZUNはこの曲に綿月姉妹における緊張感と余裕とを同時に織り込んでいる。
この他「ZUN's Music Collection」の第六弾「鳥船遺跡 ~ Trojan Green Asteroid」収録の衛星トリフネにメロディラインやフレーズが一部織り込まれている。
「鳥船遺跡」は宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンによる秘封倶楽部の二人が、放棄された宇宙ステーション・「トリフネ」に挑むストーリーである。
人間の手の届かぬ所に流れ「 隔離された楽園 」(「鳥船遺跡」)となった宇宙の「遺跡」は、豊姫の言うところの「 穢れた人間の夢の跡 」(『儚月抄』)の一つとなったのだろう。
しかしそこに幻覚の夢を馳せるのもまた、絶え間ない憧れを忘れ得ない人の姿なのである。
スペルカード
綿月姉妹の二人は『儚月抄』開始時点ではスペルカードを持っていない。
スペルカードはつい最近の地上(幻想郷)で考案され施行されている特殊なルール体系によるものであり、長らく地上との直接交流のない月の都の人々が地上における最新の仕組みであるスペルカードルールを体験することは無かったのである。
しかし依姫は『儚月抄』作中でスペルカードルールに触れ、「月の人」としてはおそらく初めてこのルール下で実際に弾幕ごっこを体験した。
なお、「月対地上」という構図で行われた史上初の同ルールによる弾幕ごっこは玉兎対メイド妖精の一戦である。
依姫のスペルカード
依姫に関連して、作中登場した「女神を閉じ込める祇園様の力」と「愛宕様の火」は依姫がスペルカードルールを提案される前に披露した力である他、スペルカード宣言なしの通常弾戦的位置づけで十六夜咲夜による時間停止(「咲夜の世界」)を受けている。
なお、純粋に攻撃や制圧を目的とした力の行使とスペルカードルールによる「 美しさ 」を求める精神的なゲームは理念部分でコンセプトが異なる。
スペルカードルール下においては依姫は<『火雷神』>や<『金山彦命』>などの神降ろしを応用した能力を披露し、攻撃のみならず相手弾幕の阻害や反射、回避など、それぞれの神々の才能に応じた豊かな戦術を採っている。
特に咲夜のナイフ弾幕を無効化した<『金山彦命』>の力の応用について、観戦していた博麗霊夢は「 ボムかしら 」とその便利さに感心している。
ただし後に依姫はその霊夢の放つ、消さざるを得ない特殊な弾に息を切らすほどに苦戦している。
豊姫のスペルカード
豊姫は『儚月抄』作中ではスペルカードルールに触れた描写は無く、スペルカードルールに基づく能力の発揮も行っていない。
ただし「海と山を繋ぐ」という能力で月と地上とを行き来した他、八雲紫の「境界を操る程度の能力」による月と地上との通路を操作するなどスペルカードに応用しうる能力を発揮している。加えてアイテムとしての「森を一瞬で素粒子レベルで浄化する風を起こす扇子」も所持しているため、依姫同様同ルール下で弾幕ごっこを行い得る素養を充分に備えている。
二次創作
二次創作アレンジ曲
曲名 | サークル名(アーティスト名) | 登場年 | 備考 |
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God Slash | オーライフジャパン | 2008 | |
Lunatic Sisters | =NeutraL= | 2008 | |
月隠れ | 荒御霊 | 2011 | |
Filling Lack Of The Moon | IRON ATTACK! | 2009 | |
ルナクライシス | AQUA STYLE / 感傷ベクトル | 2011 | 「もっと!?不思議の幻想郷」使用曲 |
神>>【穢=罪_咎】祓.~神ヲモッテ穢、罪咎ヲ祓イタテマツル~ | GET IN THE RING | 2011 | ボーカル曲 |