演:和久井映見
人物
表稼業は「常磐津(三味線)」の師匠として活動している女性。年齢は不明。
裏稼業である「仕事人」においては過去作での「何でも屋の加代」あるいは『必殺仕置屋稼業』の「おこう」に近い元締めのポジションにあり、実働メンバーではない。
中村主水とは昔からの付き合いがあったようだが詳細は語られる事はなかった。ちなみに彼や渡辺小五郎たち以外の仕事人とも繋がりがあるようで、必要に応じ彼らとひそかに連絡を取ったり呼び寄せたりすることもある。
主に姿を隠す形でだが頼み人とコンタクトを取り、的となる人物達の名前を聞き頼み金を受け取り「仕事」の実行計画を立てる。ちなみに依頼人と会話する場合は口元に紙を添えてどこから話しかけているかを悟られないように声を反響させているが、原理はまったくもって謎である。 この時に時々、依頼人に正体を知られない様にするため振り向かない様に言うが、何処となく過去との決別を促す様な口調で話している。
メンバーから「殺しをやった事あるのかよ」と問われた際に彼女に代わって主水が「あるぜ」と答えた事がある。が、彼はその直後に「冗談だよ」と一応フォローしているが…?
なお、作中で実行には至ってないが殺しの技として「刃物仕込みの扇子」を持つ事から過去には殺しを行っていた可能性もある。
たまに経師屋の涼次から金を無心される事があり、ほとほと呆れている。
頼み人が差し出す頼み金に関して特に額は提示しないが、ある時子供が頼み人となった時にその子供は頼み人になる程の絶望に陥ったにもかかわらず大金を手にしていた。全額祠に差し出そうとしたが、お菊はその中から必要最低限の額を珍しく提示し、残りは自分が持つようにと諭して依頼を受けている。
三番筋の祠
江戸のどこか、三番筋と呼ばれる場所、その尼寺の裏に存在するという廃墟と化した祠。夕闇や夜になると不気味な光景となっている。
姿や正体を悟られてはならない仕事人たちにとって、依頼を安全に引き受けるための窓口と呼べる場所である。
お菊は夜になると祠の周辺のどこかに潜み、頼み人がこの祠に頼み金を差し出すところを見たうえで、上述の形で「仕事」の概要を頼み人から聞き出す。
この祠のうわさは江戸の街に知れ渡っており、時として仕事人たちがそれとなくその存在を悪人の被害者たちに教えることもあるが、大抵の人々には縁が無いうえ都市伝説のようなものとしか思われていないらしく、ゆえに祠の周囲はほぼ無人の地と化している。
ちなみに仕事人の存在を徹底して秘匿するため、頼み人がたとえ今にも死にそうな状態であったとしても、祠の周囲において仕事人たちが頼み人と顔を合わせる行為はかたく禁じられている。