概要
1000年以上の歴史を持つと言われる、岩手県を中心に日本各地に伝わる裸祭り。岩手県内では毎年1月から3月にかけて複数の蘇民祭が行われ、岩手の蘇民祭の名称で国の選択無形民俗文化財として選択されている。
かの文豪、宮沢賢治もその目で蘇民祭を見たことがあるのかもしれない。
しかし、若い世代の担い手不足により2024年の2月17日で1000年の歴史に幕を閉じた。
ポスター貼り付け拒否問題
2008年、奥州市(旧水沢市)の黒石寺で開催する蘇民祭(以下、黒石寺の内容を述べる)の宣伝ポスターに毛むくじゃらの中年男性の写真(メイン画像、当時30代)が使われ、これが「セクハラである」として、JR東日本が各駅でのポスターの掲示を拒否するという騒動が勃発。
『これは無理もない』と同意する者、『過剰反応だ』と反対する者など様々な反応があり、結果的には全国的に知名度を広げることになった。
セクハラとの訴えが適切か否かはともかく、大変にインパクトがあった写真であることには違いなく、このタグがつけられ投稿されたイラストも、ほとんどが当該ポスターのパロディである。
なお、被写体となった男性は、自分の写真がポスターに使われたことは全く知らず、知人から聞かされて初めて騒動を知ったという。
生まれつき体毛が濃いだけで罵られるのは心外であるとしながらも、
「一人が嫌だと思えばセクハラになってしまう世の中だから、仕方ないんですかね」
とあきらめ気味に語っている。
ちなみにこの男性は前年の蘇民祭での蘇民袋争奪戦を制した者(=取主)で、問題となった年の蘇民祭では世話人として参加している(つまり脱いでいない)。
なお、黒石寺蘇民祭のポスターはその年ごとにテーマが異なり、偶数年は「動」をテーマに、前述のとおり蘇民袋争奪戦を制した者がモデルとした内容で、奇数年は「静」がテーマの、本堂や仏像などをメインにしている。
余談
この年の蘇民祭が開催される1週間程前に、東京・世田谷区の下北沢に訪れた男性4人組が飲みの席でどういうわけか蘇民祭の話題で盛り上がり、うち3人が泥酔した状態で裸になり、テレサ・テンの「つぐない」を熱唱しながら繁華街を歩いていたことで公然猥褻罪で逮捕された。どうしてこうなった?
同年8~9月にかけて行われたみちのくプロレスの興行イベント「鉄人(てつんちゅ)」のポスターが蘇民祭のレイアウトをパク・・・もといオマージュしており、同団体所属のレスラー(兼演歌歌手)の気仙沼二郎がその男性の顔真似をしていた。
関連タグ
山田ルイ53世…問題になったポスターのモデルであった男性とよく似ていた為、有吉弘行に「蘇民祭」と言うアダ名を付けられてしまった。
とにかく明るい安村…2016年版のポスターのモデルになった人物と酷似していた(もちろん本人ではない)。
関連リンク
妙見山 黒石寺…蘇民祭の詳細な情報もこちらで