象徴主義は内面的な観念を暗示的に表現する芸術の手法。フランス語 "symbolisme" (サンボリスム)の和訳である。詩人では、ボードレールやランボー、ベルレーヌらの詩がこの語で表現される。
絵画においては、写実主義と印象派が名声を高め、従来の官展美術を駆逐していく時代に誕生した。写実主義や印象派は目の前の光景をそのまま画布に表現することを重んじ、新古典主義やロマン主義が用いた神話や聖書、英雄譚などを題材から排除していった。だがそれに伴って排除されていく、内面的な観念をむしろ題材として積極的に取り上げる画家たちが登場してきた。彼らを絵画における象徴主義と一般に呼ぶ。フランスではゴーギャン、モローら、オーストリアではクリムト、北欧ではムンク等がこの立場で呼ばれる。印象派に代わってフォービズムやキュビズムが画壇の主流を占めるようになると次第に失速していくが、その発想は後にアール・ヌーヴォーやシュールレアリスムの成立に影響を与えていくことになる。