「吾等の頌せんと欲するところは戦なり。戦は唯一なる世界の衛生法なり。また軍人主義なり。自由の為に戦ふ戦士の做し出す破壊なり。吾等は人の之が為に肯て死する諸理想を賛美す。又女子に對する輕侮を讚美す。」
未来派(Futurismo)は1909年にイタリアの詩人フィリッポ・マリネッティによる『未来主義創立宣言』により樹立された芸術運動。上記のくだりは『未来主義創立宣言』の一節で、一切の既存の道徳を否定し、あらゆる破壊的な行動を讃える非常に過激なものだったことが窺える。
当時のヨーロッパでは、現代文明を受けて現れた前衛芸術として表現主義芸術が台頭しつつあったが、これは現代社会のもたらした不安や矛盾を表現するものだったのに対し、未来派は騒音や破壊や汚染といった機械文明の生み出すマイナスの要素を積極的に美に転換しようとした。
提唱者のマリネッティがファシスト運動に加わったことから評価されにくかった時期もあったが、同時期のソ連で展開されたロシア構成主義芸術や、ダダイズムなどの現代芸術との共通点も指摘され、(批判的・好意的視点の両面から)再評価されている。
廣き噴出管の蛇のごとく毒氣を吐き行く競爭自働車、銃口を出でし彈丸の如くはためきつつ飛び行く自働車はsamothrakoの勝利女神より美なり。
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