概要
20世紀初頭である1905年に、フランスのパリで開催された展覧会『サロン・ドートンヌ』に出展された作品群を見た批評家ルイ・ボークセルが、「あたかも野獣(フォーヴ:fauves)の檻の中にいるようだ」と評したことから命名された絵画運動で、それを英語で表記したのがフォービズムである。
このときに命名された「フォーヴィスム」は、ルネサンス以降の写実主義から解放されてはいるが、キュビズムのような理知的なものでは無く、さらに陰鬱な世紀末美術とは正反対な、画家の心が感じた明るく原色を多用した強烈な色彩で、激しいタッチで表現する作風を目指す絵画運動となった。
なおこのような作品群の誕生には、ゴッホやゴーギャンの作品、さらにセザンヌや新印象派の作品の影響が考察されている。