概要
その国家・地域の経営や維持を、議会などの政治機構ではなく軍が行うタイプの政治の形態。
「軍隊は政治的に中立である」との建前から、政府が不安定化し統治統合をまともに行えなくなった時に暫定的に軍部が政権を執るというのが基本であり、特に植民地支配から脱したばかりで近代国家の体制がまだ成熟しきっていないアジア・アフリカの発展途上国では、政府の腐敗や軍部の対外関係への緊張感などから軍事政権がたびたび成立している。
なお、平時でも軍出身者が国家元首や(国防関連に限らず)閣僚となるのはよくある話であり(歴代のアメリカ合衆国大統領のうち政治経験を有さない者は1人を除き全員が元軍人である)、戦時には総力戦のために国家運営に軍隊が大きく関与するという事もしばしば起こる(日本の翼賛体制下など)。ただしこれらの場合はあくまで通常の政治機構を維持したままその中に軍部の影響力が及ぼされるという形であり、「軍が直接統治する」という形での軍事政権とは意味合いが異なる。