曖昧さ回避
1.風がなく晴れた暑い日に、アスファルトの道路などで遠くに水があるように見える現象。「地鏡」とも言う。夏の風物詩の1つ。
2.乃木坂46の18枚目シングル。本項で解説。
楽曲情報
作詞:秋元康
作曲:谷村庸平
編曲:谷村庸平
概要
「逃げ水」は、乃木坂46の18枚目シングルであり、2017年8月9日発売。センターはWセンター方式で、そのWセンターには、2016年に3期生として加入したばかりの与田祐希と大園桃子が初のセンターを務めた。(加入直後のセンター抜擢は、堀未央奈以来2回目であるが、Wセンター方式では初の事例。)
この楽曲は、グループの今までの夏曲とは一線を画す曲調となっており、メンバーの能條愛未からは「明るく爽やかなメロディーや雰囲気でありながら、どこか切なさを感じる歌詞が夏真っ只中だけでなく夏の終わりも感じさせる素敵な一曲」と評価された。渡辺彰浩は、明るい楽曲を前面に押し出してきた今までの乃木坂46の夏曲と比べて「逃げ水」はどちらかといえば夏の終わりを感じさせる切ない曲であるとして、「3期生をセンターに迎えて夏曲のイメージを更新しようとしているのでは」と推察している。荻原梓は、逃げ水をモチーフとする着眼点そのものを評価し、逃げ水を着想として楽曲をそれに合わせた作りにしたものは他例がないとした上で、「全体的に、大草原に真っ直ぐに伸びた一本道を駆け抜けているような、それでいてどこか夢の中の出来事のような、爽快感と幻想的な印象を抱かせるサウンド」の「実験的かつ挑戦的なポップス」と評した。杉山仁は「Aメロ、Bメロ、サビを含む楽曲全体の雰囲気は、乃木坂46らしい魅力を持った正統派のポップ・ミュージック」と評した上で、挿入されている「月の光」を引き合いに出し、「ドビュッシーの「月の光」が収められた『ベルガマスク組曲』は陽気に振る舞う人物が心の内に抱えた孤独や哀しみを描くポール・ヴェルレーヌの詩「月の光」からの影響を指摘されるのに対して、「逃げ水」では追いかけると消えてしまう逃げ水を「叶わなかった夢」になぞらえ、少しの儚さを宿した日本的な夏の風景を連想させてくれる」と述べている。
本作は2017年8月8日付のオリコンデイリーシングルランキングで推定売上枚数71万6197枚、2017年8月21日付オリコン週間シングルランキングで推定売上枚数88万18枚を記録し、それぞれ1位を獲得した。オリコン週間シングルランキングでの首位獲得は、2ndシングル「おいでシャンプー」から17作連続通算17作目で、初のミリオンセラーである前作「インフルエンサー」の初週売上87万4528枚を上回り、自己最高記録となった。なお、本作の発売初週に乃木坂46のシングル総売上枚数が1000万枚の大台を突破した。これは、女性グループとしては歴代5組目。通算首位獲得数はSKE48と並んで女性グループ歴代3位タイ。連続首位獲得数はSKE48と並ぶ女性グループ歴代2位タイ記録となった。 2017年8月度オリコン月間シングルランキングでは推定売上枚数98万5425枚を記録し、2位を獲得した。その後、発売5週目となる9月18日付週間シングルランキングで週間約2万8000枚を売り上げたことで累計売上枚数が約101万3000枚となり、グループ2作目のミリオンセールスを達成した。2018年1月15日付週間シングルランキングでは再浮上して約5か月ぶりに1位を獲得。自身初の返り咲き1位に輝いた。また、この週の2位には次作「いつかできるから今日できる」もランクインし、週間シングルランキングでは2010年5月10日付チャートの放課後ティータイム以来7年8か月ぶり、女性アーティストでは史上4組目となる同一アーティストによる1・2位独占を達成した。
Billboard JAPANのチャートのうち、Billboard JAPAN HOT 100では、2017年7月24日付のチャートで43位を記録して初登場。その後も32位、61位、10位、と順位を上下しながらランクインし続け、2017年8月21日付のチャートで1位を獲得した。Billboard JAPAN Top Singles Salesでは、2017年8月21日付のチャートで推定売上枚数102万8543枚を記録し1位を獲得した。Billboard JAPAN Radio Songsでは、2017年8月21日付のチャートで5位を獲得した。
出荷枚数は100万枚を突破し、2017年9月に日本レコード協会からミリオン認定(2017年8月度)された。ミリオン認定は前々作「サヨナラの意味」、前作「インフルエンサー」に続いて3作目。
MV
ヒット祈願
大園桃子と与田祐希がウミガメに会いに行くというもの。ウミガメに会うにはスキューバダイビングのインストラクターの資格を取らなければならず、短期間でその知識を詰め込んだ。テストで40点以上で合格であり、与田は49点、大園は41点で合格。なお、与田はこの資格取得が2年後に思わぬ形で活かされることとなる。
一度目は運悪くウミガメに会えず、2人の体力の限界もあり断念することとなったが、後日リベンジとして再びダイビングに挑戦。すると、今度は運良くウミガメに会うことができ、無事にヒット祈願を達成した。