楽曲情報
作詞:秋元康
作曲:中村泰輔
編曲:中村泰輔
概要
『チャンスは平等』は、乃木坂46の35thシングル。当初2024年3月27日発売予定だったが、制作上の都合を理由に4月10日に延期された。(おそらく、カップリング曲の制作に遅延が生じていたと思われる。)
2024年3月10日に開催された「12th Year Birthday Live 2024」Day4で初披露され、同月18日放送の「CDTVライブライブ!」でテレビ初披露となった。
3月17日24時から先行配信が開始された。
センターは本作の活動を以てグループからの卒業を発表した山下美月が自身3度目(単独では2度目)、最後のセンターを務める。
3期生全員が選抜メンバーとなっており、吉田綾乃クリスティーは本作が初の選抜入りとなる。このように特定の期別生が全員選抜入りを果たすのは25thシングル『しあわせの保護色』以来となる。その一方で、前作から黒見明香、柴田柚菜、筒井あやめ、菅原咲月、冨里奈央が選抜落ちとなった。そのため、ファンの間では賛否両論となっており、3期生推しのファンが好意的な反応を見せる一方で、4期生・5期生推しのファンからは運営による恣意的と捉えられかねない選抜に否定的な声が相次いだ。
なお、吉田は28歳にして初選抜となり、それまで12thシングル『太陽ノック』で初の選抜入りを果たした新内眞衣の最年長初選抜記録(23歳)を大幅に更新した。この記録はしばらく更新されないと思われる。
元々選抜に対して強いこだわりがなく、メンバーの面倒を見る側になっていただけあって吉田が名前を呼ばれた際は本人は唖然としており、隣に座っていた仲良しの岩本蓮加の方がむしろ喜んでいる。東京パソコンクラブでレギュラー共演していて仲良しであるはずの弓木奈於の表情は硬かったが...(ただし、彼女はその後にちゃんと名前を呼ばれて初めて福神入りしている)。
...といった具合の選抜・アンダー事情なので、アンダーは初の4期生・5期生のみのメンバー構成となり歴代最強のアンダーと称されることもしばしば。実際、アンダー曲のMVの再生回数は表題曲のMVの再生回数を上回っており、アンダーライブ配信のCMが乃木坂工事中の合間に流れた。
特に選抜常連で聖域かと思われていたものの選抜落ちになってしまった筒井と菅原はネガティブな感情になっておらず、アンダーになることを前向きに考えている。
曲調はまさかのディスコ調。とても卒業シングルらしいしんみりとしたものではないものの、「新しいWorldすぐそこにあるよ」「今日までの経験が未来へのチケットだ」「幸せになれよ」といったフレーズはグループを卒業する山下の卒業後の活動を激励するようなものとなっており、「明るく笑顔で送り出す卒業ソング」としての側面が強くなっている。
また、このフレーズはこれから「6期生オーディション」を受ける応募者、更には新しい環境で何かに挑戦しようとする人々への応援を想起させるものにもなっており、ちょうど発売時期が年度初めの時期と重なったこともあり「新しい環境で何かを頑張る人達のための応援ソング」としての側面もある。
ちなみに、振り付けには映画『サタデーナイトフィーバー』の劇中でジョン・トラボルタが披露していたあのポーズが取り入れられている。
また、「Get down」というフレーズは「ダンスをする」というパーティーなどで友達に気軽に声をかけるときに使うスラングの意味として使用されている。
山下のソロ曲「夏桜」は山下自身が作詞を手がけており、白石麻衣(『しあわせの保護色』収録曲「じゃあね」で作詞を担当)に続き2人目となった。
オリコンによると、初日売上413,139枚を記録し、1位を獲得。その後、初週51.8万枚を記録し、1位を獲得した。Billboardによると、初日売上585,545枚を記録し、1位を獲得。その後、初週713,872枚を記録し、1位を獲得した。金川紗耶の復帰、山下の卒業シングルということも相まってBillboardでは前作よりも微増という結果となった一方、オリコンでは微減となっている。(そもそも両者ともにCD一枚あたりのカウント方法や分類方法が違うため集計に差異が生じるのは仕方の無いことと言える。)
…以上が本楽曲の概要である。ちなみに山下は卒業後に「アイドル人生最後に歌う曲がディスコソングになるとは思わなかったです。おもろアイドル人生www」と秋元康や運営陣に対しての皮肉も混じったような形でアイドル人生ラストを振り返っていた。
実際、選抜のみならず楽曲についてもファンからの評価は他の表題曲と比較すると低め。以前の表題曲や他の坂道シリーズの直近の表題曲と比較するとお世辞にも質がいいとは言えない歌詞だったことや明るいとはいえ一昔前のディスコソングを卒業ソングにするのは明らかにおかしい上に時代遅れではないかとの指摘が相次いでいる。
MV
ディスコ調に合わせ、衣装は80年代のソウルトレインがテーマとなった。
MVのテーマは、とあるファッションショーでマネキンに扮したメンバーが、音楽が鳴り始めると急に踊り始めるというもの。誰もがついつい踊ってしまうという意図を込めて、250名のエキストラにも参加してもらったとのこと。
なお、通常のMV撮影は数日かけて行われることが多いが、本作はスケジュールの都合上一日かけて全て撮り終えている。
ヒット祈願①
以前から「誰もやったことがないすごいヒット祈願」に挑戦したいと語っていた山下が、木下大サーカスで過去最高難度の空中ブランコに挑戦。社長の木下唯志氏曰く「成功確率は2/50(つまり、4/100)。女性で成功した人はここ何十年居ない。」と断言するほど。
しかも、以前「夏休みの課題」企画で挑戦した井上小百合の場合とは異なり、観客の前で行うという一度きりの挑戦であり、しかも本人のスケジュールの都合上、確保できたのは一日のみ。(一応、木下大サーカスは一般参加の方のために一日だけのチャレンジキャンペーンを定期的に行っており、受け入れ体制は整っていた。)高さも13mと井上の時の約2倍。更に本番前までに体力を温存するため調整の必要があり、練習量も練習時間もあまり取れないという企画史上最高難度の挑戦となる。
加えて、挑戦前のインタビューでサラッと高所恐怖症であることを告白。ますます不安がよぎる事態に。
一方で、サーカスのスタッフからは「センスがある」と賞賛されていた。
そして、いざ本番。挑戦したところ、飛び出した際の勢いに耐えきれずに手を離してしまい失敗。観客の前では笑顔を見せていたが、裏ではあまりに大きなプレッシャーと恐怖のあまり号泣し、コメントすらままならない事態に。
その後、木下大サーカス側に再度挑戦を打診したところ、一度だけならと了承してもらった。そして、再度挑戦したところ、今度は飛び出した際の勢いに耐え切ったものの、手を離すタイミングが遅れてしまいあえなく失敗。再び恐怖とプレッシャーから涙を流していた。
あまりの難易度及び突貫工事ともいえる練習期間(おそらく坂道シリーズがこれまで挑戦した空中ブランコ史上最短期間。櫻坂46の3rdシングル「流れ弾」のヒット祈願でも少ないとはいえそれなりの練習時間が設けられていた。)が原因とはいえヒット祈願としては初の失敗のまま終わってしまったため、バナナマンの2人からの提案や本人の意向で再度別企画でヒット祈願に挑戦することとなった。
ヒット祈願②
前回の反省を受けて、まさかの都内でのヒットキャンペーンに方向転換。前回との落差…。ロケは終えているようで、2024年4月15日に「乃木坂配信中」で公開された。
デビューシングル「ぐるぐるカーテン」と同様に山下が各地を巡りながら変装して460個のティッシュ配りを行うというもの。東京タワーや浅草花やしき、深川不動尊商店会、タワーレコード渋谷店、新宿アルタ、池袋サンシャイン水族館でティッシュ配りを行い、無事にヒット祈願達成となった。