楽曲情報
作詞:秋元康
作曲:NAMITO
編曲:APAZZI
概要
「Actually…」は乃木坂46の29枚目シングルであり、2022年3月23日発売。2022年2月に加入したばかりの中西アルノが初のセンターを務めることになったのだが、諸事情により活動自粛となってしまい、彼女がいない間は、センターポジション空席状態のまま、実質的には齋藤飛鳥と山下美月によるWセンターという形で披露された。そのため、MVも映画『回路』の監督で有名な黒沢清氏が監修したミニドラマ付きの20分にもわたるCD限定収録の中西ver.と自粛を受けて急遽撮り直され、ダンスパフォーマンスにフォーカスしたYoutube限定のWセンターver.という2種類のMVが存在することとなった。(特に、中西ver.については騒動前の撮影であったにもかかわらずストーリーと現実がリンクする部分が多かったこともあり、公式Youtubeチャンネル「乃木坂配信中」の生配信にて齋藤飛鳥がファンに事前説明を行う程であった。また、黒沢氏も後のトークイベントにて、「内容としては"乃木坂46そのものの存在が危うい"という内容になっていて、もちろんフィクションなので本当だと思う人は居ないと思うんですが…」と冗談交じりにコメントしていた。立教大学の公開講演では、「あちら側から『何をやってもいい』という注文が来たので、【新メンバーが加入後間もなくセンターに就任することに対してメンバー内では波風が立たないのか?】という疑問が湧き、『これを題材にしてもいいですか?』と伝えたところ通った」とも語っている。)
このような経緯もあってか、現在中西がセンターに立った状態でテレビで披露されたのは「テレ東音楽祭2022春」のわずか1回のみ。そのテレビでの楽曲披露の少なさも相まって週刊少年マガジンは2023年8月9日(水)発売の「週刊少年マガジン36・37合併号」の表紙にて、33rdシングル『おひとりさま天国』のセンターを務める井上和の紹介文に「5期生で初めて表題曲センターを務める」と誤って表記してしまうなど中西がセンターを務めていたことが世間にはあまり浸透していない状況となってしまっている。(一応言っておくが、井上は5期生で2人目の表題曲センター経験者である。後に週刊少年マガジンは公式Twitterにて謝罪している。)
曲調もこれまでの楽曲とは明らかに一線を画すようなK-POPに近いような曲調であり、イントロの歌詞も清宮レイによる「You know I need to find something,real bad...」(日本語の意訳は「えぇ…、何かを見つけなければならないのか…。」となり、否が応でも得体の知れないもの、もしくは恐怖心を抱くものを見つめなければいけないことへの暗喩とも取れる。)という英語の歌詞から始まり、その後も「理想が邪魔して真実を見失う」や「見えてる現実は一部でしょ?」、「この世界の美しさ(そう、その醜さも)」といった暗いイメージでありながら様々な出来事によって混沌と化した今の世の中に問いかけるような歌詞が入るというあまりにも異例の構成となっている。そのため、発表当初はこれまでの楽曲の曲調を好むファンから嫌煙されるなど賛否両論を巻き起こし、楽曲が初披露された『乃木坂46時間TV』放送終了直後には、「乃木坂らしさ」がTwitterのトレンド入りする事態へと発展した。現在では、その論争も落ち着いており、ライブでは火柱やスモークなどのド派手な演出がなされることもある。
CD収録ver.の監督を務めた黒沢氏曰く、「乃木坂がいつも通りの新曲を出すのならば、わざわざ僕に依頼する意味はないでしょうし。中西アルノという新しい、グループにとってある種の"異物"が突如紛れ込んだと聞いて、それじゃやりましょうと。」 「時間はどれだけ取ってもいい。何をやっても構わない。何をやっても構わないという判断を下すことができるということは、それによって人気や地位が落ちる訳では無い。彼女たちが少しでも良い経験をしてくれればという気持ちで作らせて頂きました。」 とのこと。(トークイベントにて)
MV撮影の様子に関しても、「まったくの新人である中西アルノがどういう人なのか、どう撮ったらいいのか戸惑った。プロフィールは見せてもらったけど、踊ってる歌ってる映像はまだないので。」「実名を使って会話劇で撮ろうと。一度セリフだけでやってみようかなと。(弟子の)濱口竜介だってやってるし。濱口に対抗してしまった。」「新人に対してまったく喋らせない無口な役をやらせるか、あるいは定型文を徹底的に暗記させてそれだけに徹してもらう。後者をやるにあたって、とにかく台本の読み合わせをしました。」「当然、中西アルノは齋藤飛鳥に対して(大先輩だから)最初は圧倒されちゃうわけですよ。だいぶ時間はかかったんですが、最後は上手くやってました。」「この作品は普段の作品とは違うんだなということを齋藤飛鳥と山下美月が瞬時に察知してくれたような気がして、良い意味で陰鬱な感じを出してくれた。」とミニドラマの主要なキャストの演技について評価していた。
そして、最後に「『Actually...』をこういう形で、まるで映画のように観ていただけるのは嬉しいです。スタッフでもなかなかこういう環境で観れなかった。『回路』の続編だという認識で観ていただければ…笑」と締めくくった。
上記の通り、5期生加入後では初のシングルである。地獄だったあのシングルの選抜発表ほどではないが、選抜発表時にはセンターは「5期生です」と発表されたときの空気は重くなってしまい、前シングル期間中に選抜入りを望まれていた柴田柚菜の初選抜入りが霞んでしまった。
フロントに立つのは前作・前々作でお馴染みとなっていた飛鳥・与田・山下・賀喜・遠藤から、飛鳥・山下・秋元・梅澤・中西へと一時的に変わっている。キャプテン・副キャプテンの2人がセンター中西を支えるためだと思われる。
なお、本シングルでは初めて5期生曲が収録された。これまでシングルに収録された初の3期生曲は「三番目の風」、4期生曲は「4番目の光」と各期にちなんだ数字が曲名に含まれており、ネット上でも初の5期生曲の曲名予想が巻き起こっていたが、初の5期生曲は「絶望の一秒前」。「5」という数字は全く関係なく、曲調も表題曲「Actually...」に寄せたような欅坂46風のクールな楽曲になっている。
クールな曲調が多い傾向にあるアンダー曲も例に漏れず、やはりクール曲。また、色々話題になったシングルであるためか、アンダー曲「届かなくたって...」も読売テレビ制作の『カミオト-上方音祭-』で初披露している。アンダー曲を地上波で単独でパフォーマンスするのは非常に珍しい。
オリコンチャートでは、初週46万3439枚を売り上げ、2022年4月4日付の「オリコンシングルランキング」で初登場週間1位を獲得。前作『君に叱られた』よりも売上は減少しているものの、これで28作連続・通算28作目の1位となった。
初週47万4321ポイントを記録し、2022年4月4日付の「オリコン合算シングルランキング」で初登場週間1位を獲得。これで通算7作目の1位となった。
Billboard Japanでは、初週56万1071枚を売り上げ、2022年3月30日公開の「Billboard Japan Top Singles Sales」で初登場週間1位を獲得。
2022年3月30日公開の「Billboard Japan Hot 100」で表題曲「Actually...」が週間1位を獲得した。
MV
- Wセンターver.
ヒット祈願その➀
お披露目前の池田瑛紗と川﨑桜、当時自粛中だった岡本姫奈と中西アルノを除く5期生7人が5期生初登場回でコンビを組んだ先輩と共に千葉県の各地でヒット祈願を行う。千葉県である理由は5期生に千葉県出身者が多いからという単純なもの。
・五百城茉央&山下美月はタチウオ釣り。五百城は最初、中々釣れなかったが、次第に釣れるようになる。賀喜遥香の矢久保美緒マネ「ヒカリ太刀魚~」が再び出てきたり、釣り後に撮った写真で五百城がタチウオの首をガッと掴む姿が話題になる。
・奥田いろは&久保史緒里は登山へ行く。奥田は久保からの質問「好きな先輩は誰?」という問いに対して「久保さんです」と答えた。それは本当なのか…?
また、長年番組内で話題の一つとして挙げられている「日村派or設楽派」については「日村派」と解答。これに久保はかつての先輩・生田絵梨花と同様に「珍しい!」と返答。久保と日村に遺恨が残る形となった。
・菅原咲月&田村真佑は長距離サイクリング。ここで大きく取り上げられたのが、菅原が自転車のギアを変えずにずっとローギアで漕いでいたこと。番組では「スーパー軽軽ギア」と称された。また、おみくじで田村がずっと大吉を引くが菅原はずっと小吉を引く。さらにはお参りで礼をするときに礼が深くて賽銭箱に頭をぶつける。これを受けて設楽は「お前小吉と呼ぶぞ?」となり、現在バナナマンからは小吉と呼ばれている。本人は不本意だろうが、彼女が脚光を浴びて人気が上がる大きなきっかけになったといえる。
・小川彩&筒井あやめは牧場でヒツジ文字に挑戦。エサを上手く並べてヒツジを集める。最年少コンビでほんわかした緩~い空気が流れる。ただ、最年少コンビ故に筒井も若干頼りなく、エサを運ぶ際に重さに耐えきれず下り坂で台車が傾いてしまい、零してしまっている。(ロケ時間の都合上2人だけでなくスタッフも回収する事態に。)
・一ノ瀬美空&与田祐希はカヤック。福岡コンビ。与田の奇想天外ぶりはここでも顕在であり、「船から落ちたら死にます」と一ノ瀬を怖がらせる。「落ちたら死にます」は堀未央奈の発言(「興味ないです。」「偏見だと思います。」「あっ 私ですか?」「ライスください!」など)に多く使われていた白テロップで表示された。
・冨里奈央&柴田柚菜はお寺で修行。「礼拝→瞑想→護摩行」の順番で行われた。「礼拝」では、立ったり座ったりを108回繰り返してひたすらお経を唱えた。あまりの過酷さに2人の声が次第に小さくなってきたため、住職に「声が聞こえませんねぇ?」「私しか声出していない気がしますが?」と煽られていたが、奮起し持ち直したことで最後までやり遂げた。
「護摩行」の際に、一人だけ炎をボーッと見つめる冨里の姿がバナナマンの2人のツボにハマった模様。
・井上和&賀喜遥香は菅原田村コンビのサイクリングの続きであり、彼女たちからバトンを引き継いだ。だが、菅原田村コンビほどキツイ様子はほとんど無く、むしろ楽しそうだった。バナナマンの2人からは「王様のブランチみたいだな」と評され、菅原がその格差に対して不満を口にしていた。
ヒット祈願その➁
なぜ実施されたかは好きというのはロックだぜ!を参照。体調不良の岡本姫奈を除く5期生10人が24thシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」と同様に富士山登山に挑戦。しかも4期生がやっていなかった真の山頂まで登るという。
今回も二手に分かれて登山。高山病の症状が出たメンバーや涙するメンバーもいたが、誰もリタイアせずに登頂した。その中でも年長者の池田瑛紗や富士登山経験者の中西が前向きな発言でメンバーの背中を後押ししていた。なお、ここでもあざといキャラを全うした一ノ瀬美空にはちょっとした天罰も下ったりした。
同行できなかった岡本は後日、このことを黒見明香に話したところ、黒見から「一緒に登るかぁ!」と言われて心が楽になったとか。