つまり「郵便趣味」の略称である。
この趣味を持つ人の事を郵便ファンあるいは郵趣家(ゆうしゅか)と呼ぶ。
また郵趣家の団体として日本郵趣協会という公益財団法人があり、これは日本最大の郵趣家組織でもある。(ただし、郵趣家である事に何らかの資格が要るわけでもなく、団体所属が必須というわけでもないので、この団体に所属していない郵趣家も大勢いる)
なお、日本郵趣協会が出している郵趣雑誌の名前も『郵趣』である。
一言で「郵趣」と言っても、鉄道ファンのように、その分野は多岐にわたり細分化される。また、鉄道ファン同様、他分野のファンと兼任しているパターンも多い。
分類
郵趣ジャンルは大きなくくりで「架空か現実か」で分けられ、また現実の郵趣も同様に大きく「収集・訪問・交流」に分けられ、その更に下で細分化されていく。
基本的には郵趣とする場合は現実の郵趣を狭義としている。
架空郵便(架空郵趣)
架空の世界(ファンタジーやSFなどのフィクション)における郵便に関する事(架空の郵便組織や架空の切手、配送システムなど)を空想・設定していく趣味。
いわゆる空想都市(架空都市)や架空鉄道の郵便版で、これらの趣味と親和性を持つ。
pixiv上では、これに類する作品(架空の切手の図案や架空の郵便趣味に興じているキャラクター)に本タグが使われる事も多い。
現実の郵趣と分類
収集型
- 切手収集:最もメジャーかつ手軽なジャンルで郵趣の王様と呼ばれるほどにポピュラー。切手を集める事を目的としている。
- 印収集:いわゆる消印の収集。各郵便局の中には独自の消印(風景印)を持っているケースがあり、これを収集する者もいる。
- 葉書収集:エコーはがき(いわゆる広告つき葉書)や絵葉書・年賀状・かもめーる(暑中見舞い葉書)などの季節葉書を収集する。(文豪など歴史上の偉人の私信を収集する人も含まれる事があるが、これに関しては古書マニアあるいは古文書マニアの範疇になるため、あえて外される事もある)
- グッズコレクター:郵便局の販促グッズや限定販売物を収集する。あるいは中古として出された郵便装備品(配達用バイクとかポストとか)を集める者もいる。
訪問型
- 郵便局巡り:聖地巡礼あるいは鉄道の完全乗車全駅制覇のごとく郵便局を巡る。前述の印収集にも通じる(郵便局を訪問し、そこから自ら葉書を出す事で風景印を貰う)もの。
- 旅行貯金(貯金旅行):旅行先の郵便局で貯金をする事で、自らの貯金通帳に訪問郵便局の記録を残すもの。
- ポストハンティング:現地の名物やご当地キャラをデコレーションやラッピングした、いわゆる「ご当地ポスト」や、昔の規格を維持したままで現存している「レトロポスト」を撮影する趣味。近年は(観音寺市にある「道の駅とよはま」の勇者ポストのような)アニメコラボのポストもあったりするため聖地巡礼にも通じる。
- 運搬貨物車両などの撮影:郵便局員が配達に使うバイク・自転車・軽バン、郵便の中継トラック、郵便の鉄道用コンテナなどを撮影する趣味。当然ながら郵便業務の邪魔にならぬよう弁えて撮影するのが絶対条件である。
交流型
- ペンフレンド:メル友の元にもなった、手紙の交換による交流。
- ポストクロッシング:絵葉書の交換。互いに絵葉書を出しあう。ポストクロッシング用のサークルやウェブサイト・SNSなどに登録し、サークル宛に絵葉書を送るとサークル側がストックした別の絵葉書を返してくれる、というシステムを採用している団体や機関もある。
- 郵趣会:郵趣イベント。ぶっちゃけ同人誌即売会の郵趣版。趣味の成果や収集物の交換や売買などを目的としている。
関連タグ
鉄道ファン・バスファン:隣接ジャンルとされる場合がある(訪問型の郵趣は場所の移動が常であるため、鉄道バスによる移動が必須で、そこからハマる「郵趣鉄」もいたりする)
スタンプラリー:郵便局巡りによる風景印収集をこれの一種とみなす場合もある。