概要
古事記にある「狭穂彦の叛乱」の物語に前後を付け加え、脚色したストーリーとなっている。 そのため古事記に出てくる人物が多数登場する。
雑誌「Cobalt」上で1991年10月号から1995年4月号にかけて連載され、序章にあたる「真秀の章」が完結した(単行本で全11巻)。次章は佐保彦を主人公とした「佐保彦の章」が執筆されるはずだったが、2008年6月6日に作者が死去。未完の作品となった。
注意
本来は「銀の海」と「金の大地」の間に半角スペースが入るが、タグにおいて"スペース"は認識されないため、半角スペースを省略した表記となっている。
あらすじ
大和王権が成立して間もない時代。淡海の国(おうみのくに)に育つ娘・真秀は、邑人(むらびと)たちから「ヨソ者」と疎外されながらも母と兄を助けて暮らしていた。 やがて彼女は、その身に流れる巫王の一族・佐保の血のために、時代の動乱の中に捲きこまれていく。
主な登場人物
真秀(まほ)
「真秀の章」の主人公。息長(おきなが)一族が治める淡海の国(現在の滋賀県)に暮らす14歳の少女。
大豪族・和邇(わに)の首長が奴婢に産ませた娘として息長にあずけられて育った。とある出来事から、母が大和の佐保一族の出自と知り、佐保に憧憬を抱くようになる。
真澄(ますみ)
26歳になる真秀の兄。誰もが目をみひらくほどの美しい容姿の持ち主。
生まれつき目が見えず、耳も聞こえないが、不思議な霊力があり、真秀と心の声で話すことができる。
御影(みかげ)
真澄と真秀の母親。数年前から、病気で寝たきりの生活をしている。42歳。
病のため、やつれてはいるが、若い頃は大変な美貌だっただろうと思わせる面影がある。
日子坐(ひこいます)
大豪族である和邇(わに)一族の首長。54歳。
「大王を陰で操っている」とささやかれるほどの権勢を誇っている。
「御子と奴児だけでひとつの邑ができる」といわれるほど子や孫が多い。
美知主(みちのうし)
丹波一族の首長(おびと)。日子坐の長子。40歳近いが、背の高い美丈夫で、年齢よりも若々しく見える。
気まぐれのようにみせながら、真秀たち御影母子を大切にあつかうが、そのくせ頼りきらせない冷たいところがある。
大闇見戸売(おおくらみとめ)
42歳になる佐保一族の女首長(めおびと)。
佐保一族は、霊力のある巫女や巫王(ふおう)が多く生まれるといわれており、大闇見戸売本人もかつては凄まじい霊力を身に宿す巫女姫だった。
佐保彦(さほひこ)
大闇見戸売と日子坐の間に生まれた、佐保一族の王子。16歳。
「10年のときを遡り、16歳の真澄と出会っているかのように」真澄とよく似た容貌をしている。大闇見戸売が日子坐に陵辱されたときに身ごもった子で、そのため生まれたときから母に疎まれている。
佐保姫(さほひめ)
大闇見戸売と日子坐の間に生まれた、佐保一族の姫。佐保彦の妹。14歳。
真秀と双子の姉妹のように、よく似た容貌をしている。
波美王(はみおう)
関連リンク
外部リンク
銀の海 金の大地:wikipedia ※一部引用