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作品解説

『海がきこえる』とは、「月刊アニメージュ」に連載された氷室冴子の小説が原作。

高知高校を卒業し東京大学に進学した拓と、彼の親友の松野、自由奔放な転入生の里伽子の淡い三角関係を描いた青春ラブストーリーだ。

ワガママで自分勝手だが時折弱い面を見せる、まさにツンデレ系のヒロイン・里伽子。

そんな里伽子に翻弄されるうちに、彼女に対する松野の思いを知りながらも彼女に惹かれていく拓。

2人の心の揺れ動きとすれ違いが、水彩画のような淡いタッチで描かれる。


1990年代初頭、進学で単身東京に上京した主人公が初めての大都会や大学での生活を送りながら、学友からの電話がきっかけで高校時代のあるクラスメイトの女子との思い出を回想する青春人間ドラマ作品である。

発表当時の社会情勢や現地の実在する風景も描いた当作品は、後のアニメ版と共にそのリアリティーのある甘酸っぱさなどが高く評価された。


その後続編『海がきこえるⅡ アイがあるから』が発表され、主人公達の夏から冬までの東京での大学生生活が描かれている。

同作の映像化には単発のテレビアニメ版とテレビスペシャルドラマ版が存在。

アニメ版は原作前編に準拠、ドラマ版は続編をベースに大幅なアレンジとしている。

原作前編は原作者の意向によって、改訂版ではクライマックスの演出が大幅に変更された。


アニメ版

スタジオジブリが制作。

監督は望月智充、キャラクターデザインと作画監督は原作の挿絵を手がけ魔女の宅急便の作画監督も務めた近藤勝也

キャストもほぼ専門の声優で固められた。


1993年にテレビ映画という形で日本テレビ系で放送されたが、当時のその時間帯としては予想外の高視聴率を獲得。

実際の高知市や東京23区の風景を忠実に再現した事や温かみのあるキャラクターデザインも評価された。


基本的に原作通りであるが、アニメ版では続編でのキーパーソンとなる大学の先輩達が登場しない。

ストーリーの軸も、拓が都内のJR吉祥寺駅のホームで里伽子らしき女性を偶然見かけた事から夏休みで高知へ帰省する飛行機内で過去を思い出す形式に変更されている。

また松野との和解前後の演出や里伽子と再会する時期と場所なども異なる。

エンディングでは原作の挿絵の一部が使用されており、アニメ版にはなかった展開のイラストも確認する事ができる。


主要登場人物

※(一部ネタバレ注意)


杜崎拓(もりさき たく)

声:飛田展男

主人公

原作でもアニメ版でも彼が語り手ナレーションとなっている。


武藤里伽子(むとう りかこ)

声:坂本洋子

ヒロイン

高校2年時に、両親の離婚で東京から母親の地元である高知に引っ越してくる。


松野豊(まつの ゆたか)

声:関俊彦

中高時代の拓の親友の一人で、一度も同じクラスにはならなかったが特別な絆で結ばれていた。


小浜祐実(こはま ゆみ)

声:荒木香恵(現:荒木香衣)

拓のクラスメイトで、実家は造り酒屋。

高校3年時に席が隣合った事がきっかけで里伽子と親しくなり数少ない友人となる。

人当たりはいいがどちらかといえば目立たないタイプで、周囲からは浮いていた里伽子とのコンビを不思議がられていた。

GW休暇で里伽子と大阪のライブを観に行く計画を立てるが、元々東京への帰省を目論んでいた里伽子が勝手に羽田空港行きの飛行機チケット2人分を取ってしまう。

困り果てた彼女は里伽子が旅行資金の一部を拓から(しかも騙して)借りていた事を知り、こっそりと拓を高知空港に呼び出す。

自分の親に嘘をつきたくないが生理中で体調が優れない里伽子の望郷の気持ちも見捨てられないという小浜の話を聞き、時間の空いていた拓は東京までの付き添いを買って出る事になった。

その後神戸の女子大に進学し、夏休みの高知で拓や里伽子達と再会する。

山尾からは長く好意を寄せられており、原作では卒業後に電話が通じた彼に里伽子への不満をこぼしたり、クラス会で告白された時にはまんざらでもない様子であった。

アニメ版では終盤で里伽子が東京へ進学した理由を拓に伝える。


山尾忠志(やまお ただし)

声:緑川光

拓のクラスメイトで親友の一人。

太った体格から、あだ名は地元の有名力士から取ってアサシオである。

実家はそれなりに大きい病院で、高校卒業後半ば強引に東京の私立医大に進学させられる。

拓と里伽子の関係を時に茶化しながらも見守っていたようであり、原作では序盤での拓との電話で里伽子が東京へ上京した事を伝えている。

アニメ版ではクラス会で酒の力を借りて小浜への想いを堂々と告白。

その後酔い潰れ目覚めた時に小浜が遅れて会場に来たので、嬉しさから取り乱して少し暴れてしまう。

告白の結果はどうなったかわからないが、その後小浜や拓、松野たちとライトアップされた高知城の下へ行き、共に物語のクライマックスを迎えた。


清水明子(しみず あきこ)

声:天野由梨

拓のクラスメイト。

面倒見が良く、拓からは良い意味でクラス委員長タイプだと評価されている。

文化祭の準備にも参加しない里伽子に憤るクラスの女子達に押される形で彼女を校舎裏に呼び出すが、思わず里伽子に手を挙げてしまったを女子を落ち着かせたり理知的に里伽子を注意するなど終始冷静であった。

卒業後は大阪の大学に進学し、夏休みの高知で里伽子と再会して和解する。

アニメ版では松野と同様に出番が増えており、校内で偶然里伽子と居合わせた時には転校生としての立場を理解しつつ、クラスを蔑ろにするなと忠告していた。

夏休みのクラス会の直前に里伽子と再会し、彼女が東京に進学していた事実と松野への謝罪の意思を拓達に伝える。

また自分達が里伽子と上手くいかなかったのは高校というある意味で窮屈した世界しか知らずに包容力が足りていなかったと語り、その話に拓と松野はしっとりと聞き入っていた。

その後は拓たちと一緒に高知城の下へ行き、「地元のお城がこんなに綺麗だったのね」とつぶやく。

その言葉に拓は故郷のシンボルの光景に今までの里伽子との思い出を重ねて回想し、ラストシーンへ続くのであった。


関連イラスト

海がきこえるTOKYO⇔KOCHI

関連項目

氷室冴子

望月智充 近藤勝也

スタジオジブリ 月刊アニメージュ

高知県 高知市 土佐弁 高知城

青春 高校生 大学生

吉祥寺駅 成城学園前駅

1990年代 1993年


1992年

アニメ版内で拓達の大学進学後のシーンの雑誌に印字。

またその年に公開された『紅の豚』の宣伝幕や、その主人公のコスプレと見られるモブキャラも映っている。

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