カードとしての能力
鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス 闇/火/自然文明 (5)
クリーチャー:ロスト・クルセイダー 1000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、自分のクリーチャーすべてに「スピードアタッカー」と「スレイヤー」を与える。そのターン中、それらのクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置く。
※2014年5月24日~2022年7月1日まで殿堂入り
(上記の効果はDMEX08版より。それ以前に収録されたこのカードには、『マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。』が存在していたが、2018年2月以降のルール変更により、マナゾーンに置く時のタップインが能力扱いではなくなったため、DMEX08版のみ、先程の記述がなくなっている)
概要
DM-25(「極神編」第2弾)で登場した、闇/火/自然文明のクリーチャー。
バトルゾーンに出すと、そのターンに、このカードを含めた全てのクリーチャーに「スレイヤー」と「スピードアタッカー」を付与される。さらに、それらのクリーチャーが破壊されると、墓地に置くかわりに自分のマナゾーンに置かれる。
「スレイヤー」は闇文明が持つ能力、「スピードアタッカー」は火文明が持つ能力、破壊された時の置換効果でマナブーストが出来る効果は自然文明特有の能力であり、三つの文明の特色をよく表している。その三つの能力が合わさったため、うまくシナジーが出来ている能力になっている。
スピードアタッカーで奇襲を仕掛け、相手のクリーチャーに対してはスレイヤーで破壊させて、破壊されても置換効果でマナブーストも可能。シールドに対しても、シールドをブレイクされるかブロッカーを道連れにするかのどちらかに選択させることが出来る上に、S・トリガーで除去されても、総合的なディスアドバンテージを0にしてくれる(流石にバウンスで手札に戻されるとマナブーストが出来ないが)。
何よりもバトルゾーンに出した時にスピードアタッカーを付与するため、バトルゾーンに存在している時にスピードアタッカーを得ることが出来るクリーチャー(例:永遠のリュウセイ・カイザーなど)とは違い、このカードよりも後に出たカードはスピードアタッカーを得ることが出来ない短所があるが、このカードがS・トリガーで除去されてもスピードアタッカーを失うことがないため、ワンショット性能がかなり高い。
それに加えて、コスト5である点も強く、数多くのコスト踏み倒し能力を持ったカードで簡単に出すことも可能。メイン画像のような神聖麒 シューゲイザーなど、相性の良いカードも多く、環境に存在している時期は非常に長い。ロスト・クルセイダーは尖った性能を持つクリーチャーが多いのだが、このクリーチャーは非常に優秀な効果を持つクリーチャーだと言える。
環境での活躍
初登場~シューゲイザー登場前
初登場は、前述したように「極神編」第2弾のDM-25であるが、このカードの評価が上昇するようになったのは極神編環境終盤になってから。
この頃は聖鎧亜キング・アルカディアス&聖鎧亜クイーン・アルカディアスのセットやヘヴィ・デス・メタルが環境に存在していたが、前者はクイーン・アルカディアスをすり抜けてキング・アルカディアスを処理することが出来て、後者は適当なクリーチャーと並べることで、簡単に処理してマナブーストしてアドバンテージを得ることが出来た。
戦国編での不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー対策にも使われた。シールド・フォースを破るために特攻を仕掛けてマナブーストをして、さらにブロックしたパーフェクト・ギャラクシーを打ち取ることも可能だった。
上記の要素に加え、単体でも除去札・マナブースト・詰めの一手に使えるグッドスタッフ性やマナ基盤性能など、実力が幅広く知られるようになったため、多種多様なデッキに採用された。
2008年度ギャラクシーマスターレギュラークラスの優勝デッキ【カウンターバイケン】にも採用されていて、決勝戦では激しい攻防の末、ダメ押しの一手としてラストを飾った。
DM-32になると、ワンショットを狙う担当として【エンペラー・キリコ】で採用されることになったが、母なる星域の登場によって採用率が下がり、代わりに似たようなことが出来る、蒼狼の始祖アマテラスの能力で発動したダイヤモンド・カッターの方が優先されるようになった。
サイキック・クリーチャーが登場すると、再び処理札として活躍。また、DM-36で激流連鎖を持つサイバー・G・ホーガンが登場すると、ホーガンやコスト踏み倒ししたクリーチャーにスピードアタッカーを付与するために【サイバー・G・ホーガン】で採用された。
シューゲイザー登場後~殿堂解除
エピソード3の第2弾であるDMR-10が登場すると、前述した神聖麒 シューゲイザーが登場し、専用デッキである【シューゲイザーワンショット】が誕生。このカードはシューゲイザーとの相性が最高であり、お手軽且つ強烈なワンショット性能を持つデッキになった。【シューゲイザーワンショット】がエピソード3環境で大きく活躍していたことが影響し、2014年5月24日で殿堂入りになった。
殿堂入りによって1枚制限になったキリュー・ジルヴェスだが、今度はドラゴン・サーガのダ第2弾であるDMR-14で邪帝類五龍目 ドミティウスが登場し、専用デッキ【ドミティウス】で採用される。また、後にシューゲイザーと同じ動きが出来る邪帝斧 ボアロアックス&龍覇イメン=ブーゴが登場。革命編環境で登場した【緑単サソリス】では、ボアロアックスのコスト踏み倒しでスピードアタッカーを得るために採用されることもあった。
このように、シューゲイザーの登場以降は、コスト踏み倒しによるスピードアタッカーによるワンショットのために採用されることが多かった。
DNEX-03で、マーシャル・タッチを発動すればスピードアタッカーを付与することが出来るという、能力自体がキリュー・ジルヴェスを彷彿させるカードであるE-GO55が登場した。マーシャル・タッチを持っている関係で【シロガシラ・ジュカイ】では必須カードになる上に、前述の【シューゲイザーワンショット】では、逆転王女プリンなどを再利用できる利点を持つ。一方で、多色である点を気にしない場合はこちらを採用されることもあった。
DMEX-20になると、新たな5コストスピードアタッカー付与を持つ次世代龍覇 グラッサ&タレットが登場。こちらは破壊されるとドラグハート・ウェポンが出てくるという効果を持っているため、破壊されても銀河大剣 ガイハートを呼び出して、このクリーチャーが除去された時のケアを行うことが出来るが、やはりこちらもバウンスされるとドラグハート・ウェポンが呼び出せない上に、キリュー・ジルヴェスとは異なってスピードアタッカーが消えてしまうなどの短所があったため、良カード止まりになった。
こうして、似たような能力を持ったE-GO55やグラッサ&タレットが良カード止まりになったこともあり、5コストのスピードアタッカー付与が既にスペックが適正値に収まっていると判断されたため、2022年7月1日に殿堂解除された。今後、このカードをコスト踏み倒ししてワンショットを狙える新たなデッキが登場したら、殿堂解除されたこのカードの出番が来る可能性が高いだろう。
余談
- 大量展開を行った後にワンショットを狙うデッキの大敵としてアポカリプス・デイがあるが、このカードの耐性がかなり強く、全て破壊された場合でもマナが一気に溜まるので、展開力が損なわなくなる。
- 5つの目玉を持った顔に、バックの色も合わさってホラー的な雰囲気を醸し出しているイラストが特徴的。DM-25等のフレーバーテキストによると、怒りと嘆きと歓喜が混ざっているらしい。
- デュエル・マスターズ_プレイスでも第8弾『極神創世譚 -VIOLENCE FUSION-』で登場している……が、登場当時はTCGでは殿堂入りになっていたこともあり、スレイヤーと置換効果によるマナブーストが消滅し、代わりに『パワーアタッカー+8000』と『バトルする時、バトルの後、このクリーチャーを破壊する。』という逆スレイヤー(つまり、ブロッカーが存在していると、大型のクリーチャーでも、小型のクリーチャーにブロックされただけで破壊されてしまう)に変更されてしまい、相当な弱体化をしてしまった。その後第20弾『レイジ・オブ・インフィニティ -神人類光臨-』でTCG版と同じテキストにエラッタされて再録。ちょうど神聖麒 シューゲイザーも同弾に収録されている。