概要
常人には見えない洞窟に住んでいるとされ、その性質は地方によって様々であり、子供を攫う、夜中に物音を立てる、人に福を授ける福の神のような存在といったものがある。
例えば神奈川県の津久井郡では、夜中に箕を戸外に出しておくと、隠れ座頭が箕を借りて行ったり、踏みがらで物を搗く音を立てるとされ、踏唐臼(ふみからうす)の下に隠れている妖怪とされていた。
また、秋田県の横手市では踵のない盲人の姿をしているとされ、市の立つ日に隠れ座頭を見つけることができれば長者に成れるといった伝承もあるという。
ゲゲゲの鬼太郎
2期鬼太郎第38話「隠れ里の死神」に登場。
盲目の仙人のような出で立ちをした妖怪で、長年の座禅修行により「隠れ里」に繋がる「鬨の橋」が見えるようになり、400年前より貧しい12~13歳の子供たちを攫っては「隠れ里」へと連れて来ていた。
「隠れ里」は中では時間の流れから切り離されて老いる事も餓える事もない異空間となっており、本人はただ子供たちを幸せにしたいという善意から子供たちを連れて来ていただけなのだが、その行為は当事者の子供たちの意思を無視した善意の押し付けでしかなく、親元から引き離された子供たちは両親に会いたいと嘆き悲しんでいた。
ただし自分の意思に反して里から逃げ出そうとした子供には一切容赦せず、里から追い出して死の制裁を加えており、子供たちからは寧ろ畏怖の対象として観られている節もあり、その事から独善的な性格の持ち主である事が窺い知れる。
あの世へと連れて行く為に魂をさがしに出稼ぎに来ていた死神を騙して現世で子供たちを探していた所、事情を知って子供たちを助けにやって来た鬼太郎と対決。
神通力を駆使して鬼太郎を苦しめるが、鬼太郎が偶然見つけた「鬨の橋」から子供たちが逃げ出そうとしたことに気を取られて隙ができ、最後はその隙に放たれた『髪の毛針』を顔面に打ち込まれ絶命した。
それと同時に「隠れ里」も崩壊し、鬼太郎や子供たちは無事に「鬨の橋」を渡って現世へと戻る事ができたが、それと同時に今まで止まっていた400年の歳月が一気に流れた影響で子供たちは1人残らず白骨化して命を落としてしまう。
自分の判断ミスで子供たちを死なせてしまった事に悔やんで涙を流して悲しむ鬼太郎に対し、ねこ娘は「でもねぇ、こうやってみんなお父さんやお母さんの側に行けたんですもの……」、目玉おやじは「なあ鬼太郎……人が死ぬのは悲しい事じゃが、もし永遠に死なない事があるとすれば、それはもっと悲しい事に違いない。わしはそう思うぞ」と励ましたのだった………。
一方、全くいい所のなかったうえに霊魂も手に入れられなかった死神は「もう死にたい…」と悲観に暮れていた。
余談
原作は鬼太郎が登場しない連載漫画『サラリーマン死神』の「蒸発」の回。
6期鬼太郎第66話では隠れ座頭を人面樹に置き換えて、この話をベースとした物語が展開される様だ。