この法律は昭和25年に制定されたいわゆる「電波三法」の一つで電波三法には電波法の他に放送法、電波監理委員会設置法の二つがある。
この法律では「電波」「無線局」という用語を以下のように定義している。
- 電波とは周波数3THz以下、波長1mm以上の電磁波をいう
- 無線局とは、無線設備及びそれの操作を行う者の全体をいう。ただし受信だけを目的とするものは除外する。
さらには無線局には原則として「無線局免許状」を必要とすること、無線設備を操作する者として無線従事者を必要とする事も規定している。
また、通信の秘密(特定人物への無線の傍受により知りえた秘密を他人に漏洩してはならない)や取扱者は遭難信号を取り扱わなければいけないことなども定められている。
無線局免許状が必要のない無線局
早い話、電波を飛ばして通信するものであれば何であろうと無線局となり、免許が必要となる。
ところが現代において無線通信を行う機器の数は膨大でそれら全てに免許状を発行することは現実的ではない。そのため無線局免許状を必要としない無線機器や特殊な扱いとなる無線機器がいくつか規定されている。
具体的には総務省令で定められたもので、以下のとおりとなる。
- 微弱な電波しか出さない機器、微弱無線局
- 27MHz帯を用いる、いわゆる「市民ラジオ」であり技術基準適合証明を取得したもの
- 小電力無線局であり技術基準適合証明を取得したもの
- 登録局であり技術基準適合証明を取得したもの
具体例
- 無線LAN親機および現在のコードレス電話は小電力無線局扱いとなるため、技術基準適合証明があれば免許を必要としない(過去のコードレス電話においては微弱無線局扱いのものも存在する)
- イベント等の会場内で用いられるミニFMなどは微弱無線局の制度で運用される。
- ラジコンの場合、微弱無線局扱いになるものおよび小電力無線局扱いになるものが存在する。
- おもちゃのトランシーバーは通常微弱無線局である(過去には市民ラジオを用いたものも存在した)
- 赤外線を利用するリモコンは赤外線が電磁波ではないため適用外である。
違反
この法律に違反する場合の罰則が複数定められているが、一番抵触しやすいのは無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。というものであり、これは一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金である。
具体的な事例としては
- 一部の外国製ラジコンを利用した(当然技術基準適合証明書がないため、違法無線となる)
- FMトランスミッター(FMラジオにデジタルメディアプレーヤーなどの音楽を流せるようにする装置)を改造する
- 外国製アマチュア無線用通信機やトランシーバーなどを購入し免許なしで運用する