概要
箱根駅伝をテーマとし、走者チーム主将の4年生清瀬灰二と、驚異的な脚力を持つが人間的に未成熟な1年生蔵原走の2人を軸に展開してゆく物語である。
原作小説は2007年に本屋大賞で3位受賞。新潮文庫のツイートによれば、2019年時点で累計58万部のロングセラーとなっている。
漫画版は2007年から海野そら太がヤングジャンプで連載、全6巻。コミックは一度絶版しているが、復刊ドットコムでファンからの得票を集め、2020年に新装版として全4巻に改め復刊を果たしている。また、販促の為Youtubeにてボイスコミックが公開されている。
同2007年に文化放送にてラジオドラマ化されている。
2009年に舞台化され、清瀬役を黄川田将也、蔵原役を和田正人が演じている。2020年6月に他社企画による再度の舞台化が予定されていたが、新型コロナウイルス蔓延の影響で延期となり、翌年の6月に上演されている。こちらは清瀬役を松田裕、蔵原役を堂本翔平が演じている。
同2009年には映画化され、清瀬役を小出恵介、蔵原役を林遣都がつとめた。
2018年10月から全23話のテレビアニメ版が放送された。監督は野村和也、シリーズ構成及び脚本は喜安浩平、アニメーション制作は黒子のバスケやハイキュー!!等のスポーツアニメを担当したプロダクションI.Gが担当する。放送局は箱根駅伝でおなじみである日本テレビおよびBS日テレのほか、読売テレビ、札幌テレビと静岡第一テレビ。
なおテレビアニメ版の公式ツイッターでは、漫画『テニスの王子様』のスピンオフ『放課後の王子様』を手がけた佐倉ケンイチによる4コマ漫画が連載された。
ストーリー
東京の住宅街にある古ぼけた寛政大学の学生アパート、竹青荘。アオタケという通称で親しまれるこの建物に、ある夜住人の清瀬が1人の少年を連れてくる。春から寛政大学に通う蔵原走という名の少年は、ここ数日野宿同然の生活をしており、コンビニでパンを万引きして逃走するさなか、帰宅中の清瀬と遭遇した。その走行フォームに魅入られた清瀬は自転車で並走し、「走るの好きか?」と問うのだった。
事情を聞いた清瀬は、蔵原にアオタケに住まないかと誘い、個性あふれる8人の住人と引き合わせる。しかし、清瀬が蔵原や他の住人達をアオタケへ誘った裏にはとんでもない野望が秘められていた。蔵原の歓迎会で、清瀬はこう言い出す。
「目指すは、箱根駅伝だ!」
登場人物
寛政大学/竹青荘(ちくせいそう)住人
読み仮名の次はあだ名。CVはラジオドラマ・アニメ・ボイスコミックの順に記す。
文学部4年生。箱根駅伝を目指すと言い始めた張本人。アオタケの住人全員の食事や練習メニュー作りを1人でこなし、彼らの胃袋と首根っこをつかんでいる。高校時代は監督である父のもと、将来を嘱望されるランナーであったが、怪我をし手術を経験している。
社会学部1年生。天性のスピードランナー。大事なものに関して頭に血が上りやすい性格で、高校時代に問題を起こして陸上部を退部した。しかし走ることからは1日たりとも離れず、清瀬との出会いをきっかけにアオタケの住人らと共に箱根を目指すことに。
理工学部3年生。留年と浪人を重ね、3年だが既に御年25歳。箱根を目指す前までヘビースモーカーだった。あだ名の由来はニコチンにちなんだもの(監督は彼を『ニコちん』と呼ぶ)。高校時代は陸上部に所属していたが、生まれつきの骨太の体格から挫折を味わい、大学入学を機に辞めている。
法学部4年生。3年の時点で既に司法試験に合格していた秀才であり、現在は反動でクラブに通う遊び人に。高校時代は剣道部に所属していた。知的でペース配分に長けており、それが走りにも活かされる。ニコチャンの煙害にはしばしば激昂している。
社会学部4年生。雑学王(クイズ王)であることがあだ名の由来。漫画では関西弁になっている。高校時代はサッカー部に所属していたが、アオタケの住人では下から2番目のタイムに留まる。明るく振る舞っているが、それは本来の暗い性格を隠すため。
商学部3年生。山奥の村で育ち、田舎では勉強も運動も一番であったため、神童と呼ばれていた。しかし東京の大学に出て、自分は凡人に過ぎないことを知る。山奥で往復10キロを歩いて通学していたため、足腰が強い。温厚な性格で、自分のことよりも他人を優先にしがち。
理工学部2年生。国費留学生で成績優秀かつ日本語に堪能。裕福な家の出身だが、社会勉強のためアオタケにやってきた。黒人ではあるがスポーツに強い訳ではなく、全ての黒人が運動に長けていると思われていることに抵抗を感じている。優しくシャイな性格の持ち主。
文学部2年生。王子のように綺麗な顔をしているが、二次元にしか興味が無く、その容姿が活かされたことはない。極度の運動音痴であり、アオタケの中では最も虚弱。部屋で漫画に囲まれる生活を至福としており、現実のスポ根には抵抗を感じていた。
(アニメ版では政治経済学部)1年生。双子の城兄弟の兄。高校時代は弟と共にサッカー部に所属。兄弟そろって明るいムードメーカー。一卵性双生児であるジョージとは、幼い頃からよく間違えられたが、双子であることを嫌と感じたことは一度もない。陸上は弟の方が向いていると感づいている。
(アニメ版では政治経済学部)1年生。双子の城兄弟の弟。何をやっても嫌われない明るく無邪気な性格。女の子にモテたいという気持ちが常にある割に、鈍感である。ジョータには俺が居なければ、と思っている。尚、201号室は他より若干広めの部屋となっており、城兄弟は2人でこの部屋をシェアして過ごしている。
文学部1年生。八百屋の娘。快活な性格の黒髪ロングの美人で、アオタケの住人をサポートする。双子を好ましく思っている。アニメ版では高校3年生の設定。
竹青荘の大家。駅伝チームの監督を務める老人。竹青荘の隣の一軒家に住んでいる。
田崎が飼っている人懐っこい雑種犬。掌編「ニラはちゃんとわかっている」の記述から性別はオス。主に清瀬に世話をされている。名前の由来は、沖縄の伝説の楽園ニライカナイ。
東京体育大学
小柄な1年。蔵原の高校時代の同級生。寛政大に対抗心を持つ。漫画版では訛りが抜けていないという設定が増えている。漫画の予選会では背番号6。映画では10区を走っているが、それ以外ではいずれも8区を走った。
漫画オリジナルキャラクター
- 朝倉恭平(あさくら きょうへい)
4年生。東体大の主将で、松平と同じ一般入試組。予選会での背番号は1で、箱根では10区を走る。
- 古賀智己(こが ともみ)
3年生エースで、高校は榊、蔵原と同じ仙台城西高校に所属していた。2年、3年と連続で2区に抜擢される。
- 松平(まつだいら)
3年生。マネージャーで、高校時代は島根で走っていた。清瀬に憧れを持っている。
- 丸谷陽二(まるたに ようじ)
1500m専門の選手だが、長距離も走れる4年生。初登場は5巻で、ニコチャンに女と間違われた。
- 持田廉(もちだ れん)
2年生。話し方から九州出身と思われる。6巻で初登場した。
- 池内(いけうち)
7区での給水担当だった生徒。
六道大学
スキンヘッドの4年。高校(出雲一高)時代は清瀬のチームメイトだった。六道のエースで箱根3連覇の立役者。アニメ版ではスポーツ刈りのようなヘアスタイルになっている。
漫画オリジナルキャラクター
- 林憲二郎(はやし けんじろう)
2年生。箱根では2区を走り、古賀とは8秒差の4位で襷を繋ぐ。入学当初から期待のルーキーと騒がれていた。
馬背田大学
漫画オリジナルの大学。前回の箱根では3位で、襷にはお守りが縫い付けてある。
- 山科隆広(やましな たかひろ)
4年生で、馬背田の不動のエース。箱根では連続で2区を走る。1万mの自己ベストは28分14秒。
関連イラスト
- 漫画版
- 映画版
- アニメ版
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外部リンク
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