概要
樺太東部の伝承に登場する、飢饉を起こしてアイヌに死を与えるという魔神。
餓死したアイヌは船に積まれて魔の国に運ばれ、「長旅の疲れに効く」と魔神の一柱が言い出したので、古い死体から6つ耳の鍋で煮られて食べられそうになった。
しかし、漁の季節になってもアイヌが海に来ないことに気づいたシャチのカムイが魔の国に侵入して、鍋の中にトリカブトを混ぜていたために、魔神たちは次々と死んでしまった。
アイヌは蘇生されて元のコタン(村)に戻され、助けてくれたカムイに感謝の気持ちとしてたくさんの捧げ物を用意し、いつまでも祀ったのだという。
それにカムイも応えて見守り続けたので、いつまでもこのコタンは山海の幸に恵まれるようになった。