概要
魔王討伐を目的とする物語においては最終決戦の場となり、逆に魔王やその側近を主人公とする物語においてはメインの舞台として機能する。
その多くが険しい山の頂上や絶海の孤島、地下の深い場所や魔界の最奥部など往来が困難な難所に建てられ、人間がそう気軽に立ち寄れない場所として設定される。
外観は作品によって千差万別だが、概して合理性や実用性に乏しく、多くの尖塔が立ち並び異様に刺々しかったり、建材として使用した岩石をむき出しにして威圧感を演出したり、魔力等の不思議な力で宙に浮かんでいたりとハッタリ重視のデザインがなされている。
奇抜な立地に建てられていることが多いため、そのような作業困難な僻地にいつどうやって建てたのか、誰が設計・施工したのか、外部との連絡や食料確保はどのように行っているのか、そして城や住居としての機能をどうやって維持しているのか等、冷静に考えるとおかしな箇所が多々あるものの、それらの点に触れている作品はそう多くない。概ね「ファンタジーだから」と具体的な説明が放棄されているため、頻出する割に謎の多い建造物といえる。
ゲームにおける魔王城
勇者と魔王を題材としたRPGでは魔王がラスボスを務めるのが定番であるため、その棲み処として魔王城がラストダンジョンになるのが一種のお約束である。そのようなケースでは、無数の強力な雑魚敵が徘徊し、数々のトラップが行方を阻む難攻不落の迷宮としての側面が強調される(なお、現実の攻城戦と違って城への侵入自体はあっさりクリアし、内部に入ってからの探索・攻略がメインとなる)。一方で、住居としての側面はほとんど考慮されないため、こんなところでどうやって暮らしているのかもわからないほど生活が困難な場所と化していることが大半である。
なお魔王がラスボスを務めない作品では、概してラストダンジョンは別に用意され、魔王城は道中の通過点としての登場となる。その場合であっても、その特殊性を活かし、物語のターニングポイントを迎える特別な舞台としてしばしば活用される。
また、魔王を主人公として操作する作品では、当然ながらプレイヤーの本拠地として使用できる。作品によっては、好みの外観や設備・機能を任意に増設することも可能。
魔王城の登場する作品
ゲーム
- クロノ・トリガー 物語中盤の山場として登場。中世のボスである魔王とその配下の居城。
- 真・女神転生Ⅴ 混沌勢力のアリオクを始めとする居城として登場した。
- 千年戦争アイギス 擬人化を果たした。→魔王城(千年戦争アイギス)
- 魔界戦記ディスガイア ラハールの居城として登場。
漫画
- 葬送のフリーレン 物語の目的地である、「魂が眠る地」オレオールに存在する。
- 姫様“拷問”の時間です 姫様が囚われている魔王軍の本部。見た目はおどろおどろしいが…
- 魔王城でおやすみ スヤリス姫が囚われている、物語の主な舞台。