バランの役目を引き継いだ竜騎将ダイを筆頭に、バランの代から忠誠を誓う陸戦騎ラーハルト、そこへ海戦騎クロコダインと新たな空戦騎を加えた新生竜騎衆が結成される予定であった。本編で聖母竜マザードラゴンが口にしていた彼女の命を蝕む「邪悪なる存在」がこの第3の敵の伏線であり、急遽ラーハルトが復活してダイの下へと駆け付けたのは、この新生竜騎衆誕生への伏線だったとのコメントが存在している。

ルーラが使える！

原則的に魔界から来た者はルーラでいつでも魔界へ戻れるので、地上と魔界を簡単に移動することができるとコメントされている。また近年でもアニメ版の最後でピロロがリリルーラによって魔界へ帰還していると思しき描写がある。

考察

以下、ファンの間での考察

魔界への道

地上から魔界へ向かうルートとしては、デルムリン島、破邪の洞窟、旧アルキード王国のアルゴ岬、そして『獄炎の魔王』に登場する『ギュータ』の逢魔窟くらいで、リリルーラを用いるとの考察がされている。

特にリリルーラは場所ではなく人物を指定して移動するという関係から、たとえ呪文を唱えた者にとって未知の土地であったり、異空間であっても瞬時に移動することができる。もし今後、竜の騎士が姿を消し、魔界から地上への本格的な大侵攻が行われた場合、逆に魔界へ攻め込む手段の一つとなり得るだろう。

余談だが、リリルーラは最終回で行方不明となったダイの行方を探るには非常に有効な呪文であり、アバンだけはその居場所をつかんでいる可能性もある。

魔界の剣豪ヒュンケルと魔族の女に倒された剣豪は同じ人物か？

剣豪ヒュンケル自身は年表解説にて「謎の死を遂げた」とのコメントがあるので、両者が同じ人物である可能性は低い。しかし死んだとされているだけなので、伝説の剣豪ヒュンケルは実は今もどこかで生きている可能性がある。魔界で戦いに明け暮れ地上へと去ったラーハルトの父の正体、という独自の考察なども存在する。

ちなみに剣豪ヒュンケルはロン・ベルクよりも昔の人物であるらしく、年表ではバーンが本体とミストバーンとに別れた時期（数千年前）より後であり、ヴェルザーがボリクスに勝利した時期（数百年前）より前の時代に「その名を轟かせた」とあるため、魔界の勢力が群雄割拠していた頃の人物だったようだ。

魔界最後の邪悪な力とは何か？

竜の騎士を生み出す聖母竜マザードラゴンすら死に至らしめる、大魔王や冥竜王に続く魔界最後の敵とは何者なのか。

これについてヒントは存在しないが、ファンの間では神々が生み出した3つの種族、竜・魔・人との関係を中心に考察されている。すなわち魔界の3つの勢力とは、竜の頂点に君臨する冥竜王、魔の頂点に君臨する大魔王、そして最後の敵とは人間と関係した何者かなのではないか、という推察である。

そこから冥竜王を魔竜、大魔王を魔人として、3つの種族を複合する形で最後の敵は竜人、つまり竜の騎士ではないかという意見も存在する。

魔族と竜は神々を憎んでいるが、生涯を血塗られた戦鬼として戦いに捧げ、死ねばまた別の騎士を誕生させ代替が利く兵器のような扱いを受ける竜の騎士の存在に疑問を抱いた者、もしくは戦いの中で傷つきその運命を呪って神々を恨んだ騎士がいたとしてもおかしなことはないだろう。また『戦いの遺伝子』が引き継がれる中で、騎士たちのこういった疑問や戦闘経験によって生じる苦痛が受け継がれている可能性もありえなくはない。実際にバランが大魔王の手先となったように、神の使いである竜の騎士が神に逆らったような例もある。

また、ゲームでは魔物使いという職業やエビルマスターなどが連載中に新しく登場しており、魔物を使役して彼らに肩入れするモンスターマスターが立ちはだかるのではないかという説も存在する。

魔王を除いて魔物たちを統率できる唯一の存在と言えるが、魔物たちと心を通わせて生きる人間とダイが対峙するという展開は、デルムリン島で魔物たちと育ったダイの心にも大きな衝撃を与えると思われる。

次いで、ダイの仲間として新しく空戦騎になるドラグナー（竜使い）は、魔族や亜人ではラーハルトやクロコダインと少し被らないかという疑問もあり、やはり魔界に潜む人間の魔物使いの一族などが登場して、邪悪な力に関係するのではないかと考察されるわけである。

三種族とそれの住まう地上界と魔界、その秩序及びそれを保つ竜の騎士という体系を全て作った上で去ったとされる神々と精霊（今は天界にあるとされるも、その天界含めて詳細は不明）など明かされていない謎は多い。少なくとも精霊は十数年前は冥竜王の封印という明確な形で介入しながら、本編では全くその姿を見せていない。聖母竜マザードラゴンの出現など僅かばかりの事（しかもこれは当代の竜の騎士＝バランの死によるルーティンのようなもの）以外、天界が明確に動いた様子が本編の時代にはほとんどない（そしてその聖母竜すらも邪悪なる存在の力に侵されているという）。魔界の「邪悪な存在」によって天界に何かが起きつつあるのかもしれない。

魔族や竜が力を重視するのは何故か？

そもそもが戦闘種族（公式ファンブックの種族紹介に明記）として存在しているため、魔界という過酷な大地を生きるがゆえの習性との考察もあるが、少なくとも竜においては山椒魚のようなポイズンリザードから雄々しい翼を持つドラゴンなど同じ種族でも千差万別である。一方の魔族は竜ほどには外貌に大きな差異はないが、高い再生力、魔力・闘気・身体能力、数百年を優に超える長寿など多様な能力を持っている一方で、各々の能力の差異が大きい（例えばザボエラは高い魔力を持つが、闘気は使わず身体能力も高くない。反対にロン・ベルクは特出した身体能力を持つが魔力を使っての戦闘は行わない）

そんな中で種族を束ねる絶対の指標となったのが「力」「強さ」なのではないかという考察も存在する。

ちなみに原作者の三条氏の過去のコラムでは地上のモンスターも元々の出身は魔界であった可能性が記述されており（外来種に例えている）、太陽の恵みに満ちた地上へ移住し安らかな環境を得た結果、繁殖した魔物たちの力は弱くなり魔界とは別の魔物になった可能性がある。

魔界の魔物はバーンすら倒したダイの敵となるのか？

すでに大魔王すら退けた竜騎将ダイにとって魔界の敵は強敵となりうるのかという疑問の声が存在しており、これについては双竜紋の消失や何らかの弱体化を受けるものと考察されている。

加えて最終決戦の舞台ではミナカトールによる結界で魔界の魔物たちは大幅に弱体化されており、大魔王クラスの強力な敵には効果がないとしているものの、双竜紋覚醒のきっかけとなった小物のゴロアもまたミナカトールで弱体化していたと考えると、パワーバランスでは充分な敵となりうるだろう。

ダイはどのようにして生きているのか？

最終話にて黒の核晶より地上を守って姿を消したダイだが、黒の核晶の威力を抑え込んで生還するには凍らせる以外に竜闘気を用いる方法しかない。

双竜紋の覚醒によって竜闘気で抑え込めることはダイ自身も気がついていると思われるが、それでも完全に威力を殺せたかについては怪しく、姿を見せないところを見るとバーンが戦いの中で放った地上の争いの種になるという言葉に影響を受けたか、爆発で何らかの後遺症を負ったものと思われる。

他の考察として、バーンやハドラーのように魂と肉体を分離することで、肉体は爆発によって滅んだが、魂だけは別のどこかで眠りについている可能性が挙げられている。

つまりダイが所有する何らかの道具に魂と肉体を分離する機能が備わっており、肉体が消滅したことで魂だけは退避された状態にあるというわけである。その場合、ダイが所有する特別なアイテムと考えればダイの剣、そのダイの剣を構成する神々の遺産オリハルコンに分離の力が備わっているものと推測される。

そうするとアバンがダイの行方を知るべくリリルーラを唱えた場合、どうしてもダイの剣の前に飛んでしまうという不可思議な現象が生じると予測され、いろいろと合点がいく部分もある。ただオリハルコンにそういった特性があるとすれば、ハドラーの魂もまた覇者の剣に眠っているということになるのだが。

神々は本当に魔族や竜を魔界に追いやったのか

太古に三つの種族が地上で争い続けた結果、人間の神と竜の神と魔族の神は話し合い、魔族や竜は地上を去ることとなった。

大魔王バーンや冥竜王ヴェルザーは自分たちを魔界へ追いやった神々を深く憎み、神々への憎しみから停戦し、神々が力で物事を決めるというのなら自分たちも力で物事を決するとまで言わせてしまう事態となっている。

果たして神々は本当に魔族や竜を魔界へ追いやったのか。

これについても、本当は魔族や竜族が忘れているだけで魔界には彼らが見張らなければならない何かが存在するのではないかという説や、真相は三種族の争いの結果として人間が勝って魔族や竜を追いやったのではないかなど様々な説が存在している。

実際に油断があったとは言え、バーンが数千年単位で準備してきた計画がたったの3ヶ月間で崩壊するなど人間側の成長力は常軌を逸しており、これだけの実力者がかつて何人も存在していれば過去の2つの種族を地上から叩き出すことは可能だったと考えられる。

また地上から魔界へ押し込められた結果なのか竜族は知性がかなり退化しているらしく、これは神々が意図したものなのか、ヴェルザーが地上を欲しがる理由と何か関係があるのか、その辺りにも謎が多い。

魔界(ダイの大冒険)

概要

魔界の伝説

真竜の闘い

最強の武具と鎧

伝説の剣豪

魔界の資源

魔鉱石

黒魔晶

幻の魔界編