概要
CV:渕崎ゆり子
能面美術館オーナー・和泉治三郎の専属ナース。28歳。
前編では台詞も少なく、ほとんど出番がない容疑者の一人であったが、後編では、容疑者の中で重傷だが一命を取り留めていた和泉治三郎を除いて唯一生き延びていた。
その後、犯行を暴かれたことで逮捕されることになったのだが、彼女は肩を落とすどころか悪人顔に豹変し、とんでもない台詞回しをしながら開き直り、視聴者に大きなインパクトを与えた。
ベテラン声優の渕崎ゆり子が担当していたことから、前編の時点で怪しんでいた視聴者もいたが、渕崎もコナン初出演で、彼女のような大豹変キャラクターを演じるとは予想外だったと思われる。
近年のアニオリ犯人における元祖?
彼女の登場以降、オリジナルエピソードでは原作回とは異なり、豹変する犯人の登場頻度が明らかに増えており、結果としては彼女が現在におけるアニオリの方向性を位置付けたと言えなくもない。
しかも反省する様子も皆無の為、原作者の青山氏の「犯人にちゃんと罪を償ってほしいというもの」というポリシーとは完全に真逆の人物でもあり、それ以降のオリジナルエピソードでも自身の犯行を軽視・正当化したり、逮捕後も更正せずに再犯しそうなタイプも明らかに増加するなど後味の悪い結末が増えている。
その結果、青山氏のポリシーが原作でしか適用されない事も証明する形にもなってしまった(それ以外にも、別のオリジナルエピソードでは「ムカついたから殺した」という原作ではまず扱わない展開も発生している)。
彼女のように美形の女性が犯人だった場合は何故か豹変系になる事が多く、またこの展開かと賛否両論になる事もある。
一方で、
- 恋人や家族を殺されたというように重い動機を持つ犯人は少ない。
- 短編がメインで事件後の犯人や関係者の動向が描かれるのは極めて稀。
- 作中に登場する探偵役や警察官の殆どは、犯人に同情・共感せず、アフターケアも一切しない。
など、アニオリの場合はストーリーの展開が原作とは大きく異なるなど仕方がない部分はある。
しかし、青山氏が『コナン』のジャンルを本格ミステリではなく殺人ラブコメ(エンタメ作品)と公言しているのに対し、アニオリではその登場キャラも大幅に限られしまい、特に高木・佐藤カップル(通称高佐)以外はほとんどアニオリに登場せず、結果としてラブコメよりもミステリー色が強くなる為、この問題が発生しやすい。
余談
2020年10月に放送されたオリジナルエピソード『二つの素顔』で、初穂役の渕崎ゆり子女史が依頼人の武藤雅子役でゲスト出演しているが、上記のインパクトもあってか雅子が犯人だと疑った視聴者も多かった。
関連項目
名探偵コナン 江戸川コナン 毛利蘭 毛利小五郎 目暮十三 名探偵コナンの犯人
園子のアブない夏物語:態度を豹変させる犯人が登場する原作エピソード。
六星竜一、遠野英治、霧島純平:『金田一少年の事件簿』シリーズに登場した犯人。犯行を暴かれた途端、態度を豹変させた犯人繋がり。