麻雀の点数計算
まーじゃんのてんすうけいさん
麻雀において和了の際の点数計算が重要だが、中でも立直麻雀ではあまりの複雑さから符計算なし(後述)で対局する面子も少なくない。
競技麻雀団体では符計算をする団体が多く(プロは勿論アマチュアも)、特にプロは支払点を自分で申告出来る事も条件の一つになっている。
符計算が出来るようになると逆転の条件等を算出出来る等より質の高い対局を楽しむ事が可能だが、苦手あるいは全く出来ないからといって麻雀が出来ない訳ではない。
和了は「ロン」または「ツモ」の発声→手牌の開示(発声のみで開示取り止めは和了放棄)の順に行われ、
『現物でロンしようと倒牌していないか』(ロンアガリのみ)→『聴牌しているか』→『待ち牌とアガリ牌が一致しているか』→『役があるか』→『フリテンでないか』(ロンアガリのみ)
の順に確認し、上全ての条件を満たしていると和了が成立し、点数計算に入る。(但し、立直後の槓は『その槓で待ちや門子が変わっていないか』も条件に加わる)
逆に各確認の過程で条件を満たしていない場合、その時点でチョンボとなる。
和了が成立した場合、まずは翻を計算する。
役においては最低1翻必要(ルールによっては積み場次第で2翻以上必要)で、ドラは持っているだけではあがれない(何かしらの役が必要)。また、役満には翻計算不要。
翻の計算法は役とドラと場ゾロの総和にて、7翻未満だと符が必要になる。今日では一般的に翻数は場ゾロを除いて表すのが普通になっているため、下表では場ゾロなしで5翻以上を網羅。それ未満の場合は後述。
ここでは5翻未満での計算法(場ゾロありでは7翻未満)を説明する。
アガリの形によって符が決まるが、役によっては符が固定されるケースもある。
役による固定符は以下の三つである。
上三つのいずれかに該当しない場合、門子等の揃え方、待ち方、あがり方で符が決まる。
門子
全て(4組)の門子の符を加算していく。
門子 | 符 | 備考 |
---|---|---|
順子 | 0 | 平和の条件の一つ(全ての門子が順子) |
明刻 | 2 | ロンアガリ含む |
暗刻 | 4 | 4枚中3枚を自分で揃える |
明槓 | 8 | 暗刻から他家の捨牌で揃える(大明槓)か、明刻からもう1つ自分で持っているのを加える(加槓) |
暗槓 | 16 | 4枚中自分で全て揃えるが、他家に槓子として扱うと示す必要あり |
么九牌の場合2倍になる。
門子四組以外の対子
対子 | 符 | 備考 |
---|---|---|
役牌 | 2 | 客風牌にはつかない |
連風牌 | 4 | ルールによっては2符 |
上二つ以外 | 0 | 平和の条件の一つ |
待ち方
待ち | 符 | 種類 | 枚数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
リャンメン | 0 | 2 | 8 | 平和の条件の一つ |
シャンポン | 0 | 2 | 4 | 刻子に符がつく |
カンチャン | 2 | 1 | 4 | リャンメンの内側だとつく場合も(例:23445の形で3でアガリ) |
ペンチャン | 2 | 1 | 4 | 同上(例:12345の形で3でアガリ) |
タンキ | 2 | 1 | 3 | ノベタン(例:1234)含む |
役や翻、翻数次第では符も元に単位点を求める。
単位点については下二種の表に記す。
満貫以上での単位点
名称 | 単位点 | 満貫比(倍) |
---|---|---|
満貫 | 2,000 | 1.0 |
跳満 | 3,000 | 1.5 |
倍満 | 4,000 | 2.0 |
三倍満 | 6,000 | 3.0 |
役満 | 8,000 | 4.0 |
複合役満※ | 16,000 | 8.0 |
※ルールによっては役満どまりになる場合も。
5翻未満の単位点
場ゾロを除いて5翻未満での単位点の計算方法は『符×2^(翻数)×4』で、2,000以上は満貫(2,000)になる。
5翻未満の単位点の表(切り上げ前にて、『満』は「満貫」)
符計算なしの場合30符(太字)を参照。
符 \ 翻(場ゾロあり) | 1(3) | 2(4) | 3(5) | 4(6) |
---|---|---|---|---|
20 | - | 320 | 640 | 1,280 |
25 | - | 400 | 800 | 1,600 |
30 | 240 | 480 | 960 | 満(※) |
40 | 320 | 640 | 1,280 | 満 |
50 | 400 | 800 | 1,600 | 満 |
60 | 480 | 960 | 満(※) | 満 |
70 | 560 | 1,120 | 満 | 満 |
80 | 640 | 1,280 | 満 | 満 |
90 | 720 | 1,440 | 満 | 満 |
※ルールによっては満貫に切り上げず、『1,920』になる。
支払点
上で求めた単位点を基準とし、和了者並びに和了方法によって各家の支払点が決まる。(ヤオアルの法則)
和了者\和了方法 | ロン | ツモ |
---|---|---|
親 | 6倍 | 2倍オール |
子 | 4倍 | 1倍 2倍(子、親の順) |
単位点を上の法則に基づいた倍にしてから二桁を切上げたのが支払点になる。
連荘や流局で積み場がある場合、支払点に加算される。
アガリ方による加算表。
アガリ方 | 加算点/本 |
---|---|
ロンアガリ | 300 |
ツモアガリ | 各100 |
ルールによっては積み場なしもあれば、1,500or各500/本(通称『場千五』)もある。
概要で書いた通り、得点計算は麻雀普及最大のネックにもなっており、よく得点表を暗記すべしと指南されている書籍やサイトも少なくないが、片山まさゆき曰く、得点計算は小学生の算数の知識で、ある程度は暗算できるほど簡単なものだと言っている。少し切り上げのタイミングがややこしいが、これも決まりがあり、各プレイヤーの支払額が決まる直前に行う。
前述の記述をなぞる形になるが、公式にもきちんと計算方法があり、基本は親だろうが子だろうが、ツモだろうがロンだろうが子一人の支払い額を考えるだけでいいという。
符 × 翻数 ^ 2 × 4 (『4』は場ゾロ(2翻))
これが基本点になる。あとはツモの場合、親のツモの場合は、基本点を2倍して10の位で切り上げ、それを子3人が均等に支払う。子のツモの場合、親は子の2倍支払う。親の支払い分は、基本点を2倍し10の位で切り上げ、子の支払い点は基本点を10の位で切り上げし、その合計点となる。ロンの場合は子は4倍、親は6倍(基本点2倍×子の支払点3人分)してから10の位で切り上げるだけである。
具体例として2翻40符だった場合は、40×4(2翻の2乗)×4と640点が基本点となる。
これに対し、もし子がツモアガリした場合は、親は640×2=1,280の切り上げ、すなわち1,300点を支払い、子は640の切り上げ、すなわち700点を支払うことになり、合計すると1,300+700×2で2,700点となる。
また、子がロンアガリした場合はこの基本となる子の支払い点を4倍し、切り上げた点を振り込んだ一人が支払う。すなわち、640×4=2,560の切り上げ、2,600点が振り込み相手の支払点となる。
親がアガった場合は子の支払点を2倍するので、640×2の切り上げ、すなわち1,280点が基本点となる。そして親のツモアガリは、子から均等に支払いを受けるので切り上げた1,300点×子の人数分、すなわち1,300を3倍した3,900点となる。対して、親のロンアガリの場合はその額を一人が支払うので、1,280×3すなわち3,840点の切り上げで、3,900点となる。
同じ要領で、3翻60符だった場合、子がアガると60符に2の3乗、つまりは8を掛け、更に4を掛けた1,920点が基本点となる。親はその2倍となる3,840点を切り上げた3,900点を、子は切り上げの2,000点ずつを支払い、すなわち合計は厳密には7,900点となる。子のロンアガリだった場合は基本点1,920点の4倍の7,680点を切り上げるので7,700点となる(後述するが、細かい単位は支払いが面倒なので基本点2,000とみなし、親の支払いを4,000点とする場合も多く、俗に『切り上げ満貫』と呼ばれている。また、ロンの場合も支払い8,000点となる)。
親のツモアガリの場合は1,920×2の3,840点を切り上げて3倍にした3,900×3の11,700点、対してロンアガリの場合は、3,840×3=11,520の切り上げ、すなわち11,600点となる。
とまあ、ツモアガリとロンアガリで微妙に得点がずれるのはこういう公式が存在しているためである。
このように計算していって子で8,000点、親で12,000点を超えた場合に満貫が成立する。また、厳密には4翻でも40符未満だと満貫にはならないものの、計算が面倒な上、4翻30符は300点しか違わないし、基本点1,920以上を満貫とするルールが主流になっている。ちなみに4翻でも満貫にならないのは『平和・門前清自摸和+2翻』(20符)と、『七対子+2翻』(25符)くらい。逆に、3翻でも70符以上だと基本点2,000を超えるので満貫が成立する。
また、前述の通り跳満は満貫の1.5倍、倍満は名の通り満貫の2倍、三倍満は満貫の3倍、そして役満は満貫の4倍である。