概要
タルキール次元に君臨する5体の強大な龍の1体。細身の体に赤と白で彩られた羽毛状の羽を持ち、氷の吐息で獲物を凍らせ、弱者をついばむ。
氏族の一つジェスカイ道にとって、オジュタイは狡猾という彼らの理想を最も体現する龍であり、氏族と戦う際、彼らが致命的な過ちを犯すまで待つ忍耐強い戦略で狼狽させる。
本来の歴史であれば1280年前ウギンが ニコル・ボーラスに殺されたことで龍を生み出す“龍の大嵐”が消滅、オジュタイもタルキールのカン(指導者)達に狩られてしまうのであるが、どこからともなくやってきたタルキール語で『偉大なるカン』を意味する単語サル-カンの名を持つ男がウギンの命を助けたことで歴史が変わり、龍の大嵐は激しさを増し、かつてないペースで新たな龍が生まれていた。氏族と龍のパワーバランスは崩れ、5氏族のカンによる頂上会談の最中、会場を他の龍たちと共に襲撃し、彼らを追い詰める。ジェスカイ道のカン、シュー・ユンは自らの命と引き換えに氏族の存命を懇願、それを聞き入れたオジュタイの世界の果ての凍りつく冷気によってシュー・ユンは龍の息に斃れ、ジェスカイ道はもはや存在しなくなった。
現在はジェスカイ道の名前は無くオジュタイ氏族となり、
オジュタイは氏族の日常的な出来事からは距離を置きつつ、主に悟りと教えに携わっている。龍の眼の聖域で午後の長い時間を過ごし、精神的な事柄や知的な事柄について説く。
如何にして氏族を支配し、その名を冠するようになったのかの真実は歴史の闇の中へと失われていたのだが、真実を書き記した巻物は秘密裏に隠されており、1280年後それをナーセットが発見し、タルキール次元の歴史から消えた『サル-カン』の存在を知る事となる。
その後破門を覚悟のうえでタルキール各地の古の痕跡を探し求める旅を続けていたナーセットだが、ある日師であるオジュタイと再会する。
「学んできたことを熟考する時を、我らは常に必要としてきた」
「さて、何を学んだのだ?」
最初は罰せられる覚悟をしていたナーセットだが、オジュタイはあくまで穏やかに彼女に語り掛ける。ひょっとすると、師匠は自分が禁断の過去を知ってしまったことを怒っていないのでは?その可能性に気づいたナーセットは、オジュタイは後世の人々が分け隔てなく学ぶことができるように敢えて過去を偽ったという彼女なりの結論を込めてこう返事をした。
「真実を、学びました」
するとオジュタイは満足げに頷く。
「すべき事を思案したなら、進むがよい」
「学ぶべきものは常にある」
ナーセットに激励の言葉を授けるとオジュタイはその場を飛び去って行った……。
そして時がたち新ファイレクシアによる多元宇宙侵略が始まった時、オジュタイはコラガン氏族の一人の男の訪問を受ける。ズルゴと呼ばれるしがない鐘つきであるこのオークはファイレクシアの脅威を目の当たりにし「分断したままでは勝ち目がなく世界が蹂躙されてしまう、しかし主のコラガンは気まぐれすぎておそらく聞く耳を持たない」と考え、龍王のなかでもっとも理知的で目下の者にも積極的に接する白き龍王に共闘を申し出る。すると龍王もズルゴの意見を認め彼が自分の背中に乗ることを許し、タルキールに模範を示した彼らは迎撃成功の原動力となるのだった。
ちなみに氏族の一つジェスカイ道はゲーム面では召喚のマナコストが3色必要ながらもその分ハイスペックな『カマキリの乗り手』やクリーチャー以外の呪文を使用した際に能力か起動するコンボデッキのパーツとしても使われた『ジェスカイの隆盛』といった一癖ある強カードが複数存在する為、人気はあったのだが、
- カード名で分かると通り騎乗は巨大カマキリ
- アレ筆頭にアグレッシブすぎるカードイラスト
といった点からか別の意味でも人気の氏族である。
歴史改変の結果、情熱と自由な赤が抜けて秩序・精神の白青になったので落ち着く……と思いきや、
合唱のポーズ取って真面目に師匠やっているなんて、
ジェスカイを無くすどころか、
オジュタイ様も染まっているじゃないですかやだー(笑)。
とはいえ、降伏してきた氏族に「上級幹部の処分を条件に氏族の民達の助命を認める」「龍以外の生物にも分け隔てなく接する」「禁断の過去とそれに対するスタンスを悟ったナーセットを罰するどころか褒めて激励する」「たとえ敵対する氏族の者であろうと理にかなった意見にはちゃんと耳を傾ける」等々、寛容さと見識を持ち合わせた白青の統率者に相応しい度量を持ち合わせていることは留意すべきだろう。
どこかの次元の腐れ外道な太陽神とは違って。
カード性能
「オジュタイと戦った時、私は自身の修業がまだ始まったばかりであることを理解した。」
――沈黙の大嵐、シュー・ユン
冬魂のオジュタイ
マナコスト | (5)(白)(青) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のクリーチャー — ドラゴン |
パワー/タフネス | 5/6 |
能力 | 飛行 |
警戒 | |
あなたがコントロールするドラゴンが1体攻撃するたび、対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とし、それをタップする。そのパーマネントは、それのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。 |
若き日のオジュタイ。エキスパンション:運命再編でカード化。同じ能力を持たないクリーチャーにブロックされない飛行・アタックに参加してもタップしない警戒・ドラゴンが攻撃するたびにパーマネント1個を拘束する能力を備える。しかし7マナという重さにしては、除去耐性を持たず、性能もカード・アドバンテージに直結しないため、フィニッシャーに求められる爆発力や安定感は低め。そのため活躍はさっぱりな状態・・・
(『カンの落日』)(外部リンク参照)
しかし・・・
龍王オジュタイ
マナコスト | (3)(白)(青) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のクリーチャー — エルダー・ドラゴン |
パワー/タフネス | 5/4 |
能力 | 飛行 |
龍王オジュタイがアンタップ状態であるかぎり、これは呪禁を持つ。 | |
龍王オジュタイがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたのライブラリーの一番上から3枚のカードを見る。そのうち1枚をあなたの手札に加え、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。 |
エキスパンション:タルキール龍紀伝で再カード化した際には、かつての下馬評を大きく覆す高性能フィニッシャーとなる。
マナコストが合計5マナと軽くなった状態でありながら総ライフの4分の1を削れる高いパワーはそのまま、タフネスの数値は下がったがアンタップ状態だと呪文及び能力の対象に取られない呪禁を持つので総合的な硬さはむしろ上昇している。
攻撃時に隙をさらしてしまう弱点を持つものの、一回ダメージが通れば良質ドローが出来るので無駄になりにくい。打ち消し・一時的な除去耐性付加呪文に恵まれている白青という色なのでデッキしだいでは隙を無くすことも可能。
当時のスタンダード環境では「最高のフィニッシャー」と評価を受けるほどの活躍をみせた。また、モダンでは”水辺の学舎、水面院”という伝説のパーマネントをアンタップする能力を持つ土地と小粋な僧院コンビネーションを披露した。
(『大師の学徒』)(外部リンク参照)
(『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「龍王オジュタイ」の壁紙ダウンロード)(外部リンク参照)
1280年の年月で一番大成した龍王だといえる。
関連ページ
外部リンク
『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「冬魂のオジュタイ」の壁紙ダウンロード
『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトにおける「龍王オジュタイ」の壁紙ダウンロード