概要
ちなみに日本では「りゅうめ」、「りょうば」と読ばれている。
頭が龍の馬、若しくは馬の蹄を持つ龍とされ、龍と馬、あるいは龍と麒麟が交わり生まれ出た存在とされる。
龍馬は大変優れた名馬であるといわれており、日本にも源平戦物語に登場する駿馬《生ヅキ(いけづき)》が龍馬であったという伝説が伝わっているという。
また中国に伝わる伝承では、古くは伏義(ふっき)の前に登場しており、それによると易に関する図(と)を負って黄河から出現したといわれており、この故事に基づいて孔子は「鳳鳥至らず河、図を出さず、やんぬかな(世を治める聖天子の出現の前兆である鳳凰は現れない。人々に天の英知を与える図書を背負った神亀も黄河から出てこない。私にとって絶望しかない。)」と嘆いたと伝わっているといわれている。
朝鮮に伝わる神話では琵琶山から琴湖江に注ぐ大邱(テグ)川に現れたといわれているほか、次のような伝説が伝わっている。
昔、とある村の川の淵に棲んでいる龍馬が、暴れると川の水を溢れさせて洪水を引き起こすので、村人たちが困っているという話を聞きてやって来た白将軍は、早速その川の淵に出向いて行ったが、一向に龍馬は姿を現さなかった。
そこで将軍は村人たちを集めて酒盛りを始めると、興味がわいた龍馬が川から顔を出して様子を窺い始めた。
それに気づいた将軍は龍馬に「相撲を取ろう」と声を掛けるも、警戒したのか龍馬は再び川の中へと姿を消してしまった。
翌日、将軍は自分によく似せた人形を村人に作らせると、川の淵に置いておいておいた。するとほどなくして再び姿を現した龍馬は、人形に近づき様子を窺うが、当然人形なので全く動く事はなく、龍馬はこれが自分に害をなさないものと認識した。
3日後、今度は人形ではなく、将軍自らが川の淵に立って龍馬が現れるのを待っていた。例によって龍馬が近づいて来たので、将軍はすかさず龍馬に取りすがり、「相撲を取ろう」といった。龍馬は驚き、雲を呼び寄せ昇天するが、この時、将軍は龍馬から手を離さなかった為、龍馬と共に天へと昇って行った。
それ以来、洪水は起こらなくなったが、白将軍は今でも天で龍馬と相撲を取り続けているといわれ、もし旱魃が起こると、将軍が龍馬に跨って現れ、雨を降らせてくれるという。