概要
AIM-174Bとは、アメリカ海軍が2020年代に実用化した長射程空対空ミサイルである。艦対空ミサイルのSM-6スタンダードミサイル(RIM-174)をベースとしている。
全体的な外見はベースとなったRIM-174ことSM-6に似ているが、SM-6は艦上から発射するために必要だったブースターがAIM-174Bでは撤去されている。しかし元々大型だったSM-6を戦闘機用の空対空ミサイル化したことで、そのサイズは対艦ミサイルのハープーンミサイルすら凌駕するほどの大型ミサイルとなってしまった。
空対空用のクセに対艦ミサイルよりも大きいし重いのである。
現状では、F/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機に搭載しての運用が想定されている。同機であれば、少なくとも4発を同時搭載可能。射程は不明だが最低でも240km超、恐らくは400km程度はあると言われる。SM-6のウリである共同交戦能力(CEC)による中間誘導を受けることも恐らくは可能と思われる。
開発経緯
アメリカ海軍はかつて、F-14戦闘機に搭載可能な長射程空対空ミサイルとしてAIM-54フェニックスを運用していた。だがこれはF-14でしか運用できない上に調達コストが非常に高く、さらに射程は同等以下ながらより安価で性能も優れたAIM-120アムラーム中射程ミサイルの導入が進んだことや、F-14の退役もあって使用されなくなった。
しかし2020年代、ロシアのR-37Mや中国のPL-21といった射程200~300kmの長射程ミサイルの導入が仮想敵対国で進み、射程200kmに満たないAIM-120では対抗が困難となることが予想され始める。
そこで、米海軍にとって久方ぶりの長射程ミサイルとして開発されたのがこのAIM-174Bという訳である。