究極のV12シリンダーの鋭鋒
F12ベルリネッタの200バール・ダイレクト・インジェクション6262cc、65° V12がもたらすパフォーマンスは、自然吸気エンジンとしてはパワーの点からもエンジン回転の点からもかつてない性能を発揮します。
─フェラーリ F12ベルリネッタ 公式サイトのキャッチコピー (原文ママ)
概要
アルファベット表記「F12 Berlinetta」。ベルリネッタはサブネームではなく「F12ベルリネッタ」で1つの車名となる。
2012年2月に発表、同年3月に初公開された。日本への導入は同年7月で、同年12月にデリバリーを開始。
F12ベルリネッタは599GTBフィオラノの後継というポジションに就く。
パワートレイン
本モデル以前にデビューしたフェラーリの中では最もパワフルなエンジンを搭載。排気量6262cc(約6.3L) バンク角65°のV12エンジンは、よりパワーを捻り出せる様に1シリンダーにつき吸気用バルブ、排気用バルブをそれぞれ2つずつ、合計で4つのバルブを設ける「DOHC」形式を採用。DOHCは単位時間あたりの燃料消費量が増える(=燃費が悪くなる)が、過給機を搭載する以外の方法で出力向上させる為には必須級の技術となっている。これにより最高出力は先代のレーシングモデル「599XX」のそれをも上回る740ps/8250rpmをマークする。最大トルクは690Nm/6000rpm。レブリミットが8700rpmである事を踏まえると中々の高回転型エンジンに仕上がっている。
トランスミッションは最近のスーパーカー・ハイパーカーではおなじみのDCT形式の7速。ハンドルに備え付けられたパドルでギアチェンジを行うパドルシフトタイプである。
インテリア・ビジュアル
車の中身はそのビジュアルが醸し出す通りそこまで広くないが、トランクルームはゴルフバッグが1つ、その隙間にその他の荷物が入れられるという少し広めの仕上がり。
ハンドルやメーター類はそれこそレースカーの様な仕上がりとなっており、スポーティーさが滲み出る。
ビジュアルは599GTBの後継という事でエンジンをコックピットの前側に配置する構図は変わらない。テールランプは片側に丸目のものを1つ、合計して2つを装着。テールランプのちょうど真下に2本出しのエキゾーストが覗く。ヘッドライトは458イタリアの様な形状をしている。
F12TDF
F12ベルリネッタの高性能版。2015年ワールドプレミア。サーキットでしか味わえない性能を一般道にも共有する、というコンセプトのもと誕生。イメージカラーがベルリネッタは赤色なのに対しTDFは黄色となっている。
ビジュアルがスポーティーになったのは言うまでもなく、エンジンの最高出力が780ps/8500rpmへと強化された。
なお、TDFは、1899年から1986年の間に開催された、「ツール・ド・フランス(Tour de France)」の頭文字をとったもので、TDFの名前は250GT TDF以来59年ぶりとなる。
主要諸元
ここではF12ベルリネッタのものを記述する。
エンジン | フロント縦置き バンク角65° V型12気筒エンジン |
排気量 | 6262cc |
ボア・ストローク | 94×75.2 mm |
圧縮比 | 13.5 : 1 |
1Lあたり出力 | 118ps/L |
最大回転数 | 8700rpm |
最高出力 | 740ps/8250rpm |
最大トルク | 690Nm/6000rpm |
バルブ作動システム | DOHC(1気筒あたり4バルブ) |
燃料タンク容量 | 92L |
パワーウエイトレシオ | 2.1kg/ps |
トランスミッション | 7速DCT |
全長 | 4618mm |
全幅 | 1942mm |
全高 | 1273mm |
ホイールベース | 2720mm |
重量配分 | フロント:46% リア:54% |
乾燥重量 | 1525kg |
車両総重量 | 1630kg |
タイヤサイズ(前) | 255/35 ZR 20 9.5J |
タイヤサイズ(後) | 315/35 ZR 20 11.5J |
タイヤサイズ(前 冬用) | 255/35 ZR 20 9.5J |
タイヤサイズ(後 冬用) | 305/35 ZR 20 11.5J |
最高速度 | 340km/hオーバー |
0~100km/h加速 | 3.1秒 |
0~200km/h加速 | 8.5秒 |
太文字は軽量化オプションモデルの数値。
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- 599GTB → F12ベルリネッタの先代
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- ラ・フェラーリ → そのエンジンがF12ベルリネッタのものをベースにして誕生
外部リンク
以下フェラーリ公式: