概要
『フレッシュプリキュア!』の敵組織管理国家ラビリンスは、全パラレルワールドの制圧に必要な無限のメモリー・インフィニティを手に入れるため、人々が嘆き悲しむ時に発生する不幸をFUKOのエナジーに変換して集めている。
このエナジーは作中では黄色い液体のような描写がなされており、ラビリンスの幹部たちがナケワメーケなどの怪物を召喚して暴れさせ、人々を苦しめることで、アジトの地下にあるゲージにエナジーが溜まる仕組みになっている。
ゲージは果てなく高い1本の筒にメーターを取りつけたような形で、メーターの周囲には広い円形の通路が存在する。
ラビリンスが何もしなくても、人々が嘆き悲しむだけでFUKOのエナジーは溜まっていく。ただ一つ一つのエナジーは一滴単位で微弱なため、早くインフィニティを手に入れるためにはナケワメーケ等を召喚してゲージを上げていくしかない。
また、怪物が倒されたからといってFUKOのエナジーは減少せず、プリキュア達の浄化は所謂対処療法でしかない。浄化することで、人々の幸せを守りキインフィニティの覚醒を遅らせているのである(この怪物浄化が対処に過ぎない点は後のジコチューとよく似ている)。
ただし、あくまで人々を不幸にしないとエナジーは集まらないため、人が居ない場所で怪物を暴れさせたり、ナケワメーケを召喚しても人々が不幸を感じなかったりした場合はFUKOのエナジーは一切集まらない。
幹部が不幸を感じてもゲージが溜まるようで、第12話ではウエスターが作戦の失敗を嘆き(おまけに他2人に責められた)ことでちょっとだけエナジーが溜まったことがある。
ゲージがいっぱいになってインフィニティが覚醒した後は、ラビリンスの最高幹部ノーザがFUKOのエナジーを使い強力な怪物ソレワターセを作り出している。
※飲み物ではありません!
終盤の展開(ネタバレ注意)
FUKOのゲージは一度満たしきれば、エナジーを少し減らしてもインフィニティの覚醒は取り消されない。
しかしゲージそのものを破壊さえすれば、インフィニティ=シフォンのインフィニティ化を消失させることが可能。
しかしそれには大量に放出されたFUKOのエナジーに飲み込まれるというリスクが伴い、せつな曰く「襲われれば助からない」、サウラー曰く「たちまち飲み込まれて命を落とす」とされており、対価が死という非常に重いものとなっている。(作中ではせつなの想像にて、破壊されたゲージから不定形のモンスターが誕生し、キュアピーチら仲間達が襲われるビジョンが登場している)。またノーザは「深い悲しみの底から二度と帰ってこられなくなる」とも言っているため、単に肉体が死ぬだけでなく、精神は莫大な負の感情に侵される模様。
なおこの発言から、ラビリンス側はFUKOのゲージが壊されることを前々から(少なくともせつながイースとして活動していた時期には)想定していたようで、エナジーが襲いかかるのはエネルギーの集合体であることに加え、施された対抗装置の一種である可能性もある。
ゲージを破壊しようにもラビリンスのアジト=占い館は既に異次元に移されているため、プリキュア側が行くことはアカルンを使わない限り基本的に不可能である。
そして第42話では、ゲージ破壊のリスクを知るせつなが、ラブ達を失いたくない故に、ノーザの策に乗った振りをすることで単身ゲージ破壊に挑んだ。
しかしノーザも乗った振りをすることは見越していたため、精神的にも肉体的にも追い詰められたところを事情を知ったラブ達によって、次元の壁を破られ助けられた。
続く第43話にてプリキュア4人で破壊に挑み、ノーザの幻覚トラップも破られるも、ノーザによってゲージそのものが巨大ソレワターセの素体にされる。
そのソレワターセは占い館を破壊して異次元結界を破る程の大きさだったが、プリキュア達の「ラッキークローバー・グランドフィナーレ」により浄化。
しかしその余波でFUKOのゲージには皹が入る。そう、FUKOのゲージをソレワターセが倒された余波で破壊し、溢れるエネルギーを雨として世界中に散布することこそがノーザの真意だった。
放出されたエナジーはどす黒い色に変色し、世界中に降り注ぐ暗黒の雲へと変わっていく。
しかしキルンの通訳を介したシフォンの提案によって、シフォンに向かい放たれたキュアスティックとパッションハープの決め技をエネルギー源にしてFUKOは雲ごと浄化される。かくして集められたFUKOは、目的である筈のインフィニティ=シフォンにエネルギーを浄化されるという皮肉な結末を迎えたのだった。
しかしこの戦いで、ノーザはシフォンの額で輝いていた光を採取し、次なる策へと動き出す。
そして作り出されたのは、強制的にインフィニティを発動させ、且つクローバーボックスも無効化させる草笛だった。より強力な対抗策が打ち出されるという点では、ラビリンスに貢献したと言えるだろう。