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概要編集

ホンダが2004年から発売していた250ccのビッグスクーター


デザインはパイプフレームがむき出しの機械的なもので、先に発売されたズーマーや、更に遡ればモトラを彷彿とさせる。

イメージカラーもモトラ同様にイエローとモスグリーンであった。


構造的な特徴としては、自動車のように前後にスライドできるシートが挙げられる。

更にタンデムシートは起こして背もたれとして使うことが出来るユニークなもので、ライダーの疲労軽減に効果があった。

反面、シート下に収納スペースを確保できないことから、スライド構造が他車種に展開されることは無かった。


また、タンデムシートを起こすとリアが大きなキャリアになるのも特徴で、これはツーリングでの積載に役立った。

フロントにもキャリアが付いている。

このように積載に振ったコンセプトは、まさにモトラの再来と言えるものだった。


2005年にマイナーチェンジでヘッドライトを角目一灯から丸目二灯に変更し、デザインがよりズーマーに近くなった。

しかし、流線形のスタイリッシュな車種が人気を集める中で本車の販売は振るわず、2007年に生産終了。

ビッグスクーターブーム全盛期に生まれながら、存在感を示すことなく消えていった。


その後編集

ビッグスクーターはメーカー問わず似たようなデザインの車種が人気を博したが、それらは2010年代にブームが終焉すると「没個性」「ダサい」と見なされ軒並み人気が急落した。

反対に、他のどの車種にも似ていない本車のデザインが再評価されるようになり、人気と中古車相場が高騰。

更に、アウトドアブームが到来しキャンプツーリングの人口が増えると、元々積載に適している構造までもが注目され、人気に拍車をかけた。


令和突入時点では、程度のいいノーマルの中古車には軒並みプレミア価格が付いており、ビッグスクーターの相場が冷え込んでいる中で異質な存在となっている。

ホンダにしては珍しく、生まれが早すぎた車種と言えるだろう。


関連項目編集

HONDA スクーター ビッグスクーター バイク ズーマー モトラ

Nプロジェクト:第5弾として誕生した。

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