概要
2022/9/29にSteamで発売。
同デベロッパー開発の過去作品で、今作の雛形となるPlayable Mock-upのグラフィックやシステム面をより発展させ開発が行われた。
「サイコホラー」「ローグライク」「写真によるデッキ構築」の特色を持ったゲームである。
クリアには「ホラーに耐える胆力」「スペルから人物を割り出す推理力」「写真の入手や管理を行うリソース管理力」も求められる。
プレイヤーは主人公であるジェニファーを操作し、被写体を集め、6人の回廊を開放し、感情特性やスペルから犯人を突き止め通報し、AM:0時(午前0時)に犠牲者の回廊から脱出する必要がある。
登場人物・怪異
ジェニファー・サイレントフォール
「別れた男なんてクソに決まってるだろ」
本作の主人公。
肉体年齢25歳の女性で、怪異が跋扈するカナダの都市「レデルリン」にて探偵業を営む。
かなり口が悪く、怪異相手でも舌打ちや中指を立てるほど粗暴な性格。
死者の回廊に入り込む「ファインダーマン」の唯一の生き残りで、本来彼女に支給されるはずだった12体の人工魔女を回収しに向かう事から今作の物語が始まる。
非常に特異な「不死者」の体質を持ち、万が一のアクシデントにより死亡しても「再誕生」の能力により子供の姿で生まれ直すことが可能だが....
また、彼女の出生にも秘密があるようで....
人工魔女
専用の施設「受胎塔」にて培養されて造られた、人工の怪異。
それぞれが自我を持ち、殆どが幼い少女の外見を持つもの、劇中では怪異に対抗するために造られた道具としての面が強く、能力を抑圧する目的で意図的に片目が失明させられているなど、お世辞にも扱いは良いとは言えない。
個体ごとに違った様々な性格を持ち、ジェニファーに協力する一方、裏では...
- サントゥ
「まってる、ジェニファー
わたしの名前を思い出して」
今作で一番最初に出会う人工魔女。
培養されていた受胎塔のオーバーロード事故により肉体は焼失するも、影のような形でなお生存しており、ジェニファーと対話を図る。
また、外伝作のゲーム「人形限界」にも登場。
- キューブ
「そんなこと言われてもな... :(」
ほかの人工魔女とは違い、回る正方形の姿をとる、眠たげで怠惰な性格の人工魔女。
自身の作り出した寝室に閉じこもり、眠り耽りながらもジェニファーに協力する。
- オヤシキ
「ハサーーー!
オヤシキでっす!!」
対話終了コード「ハサルディリーガ」を出会った直後かつ略して使用する、くだけた人柄の人工魔女。
また、代金としてレンズの破片を支払い、種類や質がランダムな探偵道具を1つ得られる、極悪非道の購買システム(原文ママ)である「オヤシキストレージ」の考案者でもある。
- メディック
「でも薬と毒は
場合によっては反転するのを忘れずに」
名前に違わず、薬を使用する能力を持った知的な人工魔女。
ジェニファーを「治療できる」と意味深な発言を残す。
- フローレンス
「ジェニファーはさあ
もとにもどる?」
漢字や英字を使わず、おっとりとした口調で話す人工魔女。
ここでしか手に入らない被写体「フローレンスの花」を渡してくる。
口調や態度は穏やかなものの、現在のジェニファーはジェニファーで無いことを示唆するような不穏な台詞を語る。
- モモ
「あーしたちを
ファインダーマンスーツに登録して」
語尾に「っす」と付けた、気の抜ける喋りをする人工魔女。
ジェニファーのファインダーマンスーツに自身を含む人工魔女達を登録するようにアドバイスを行う。
通常では、オクトパスの途中乱入により業務を中断され、AM:0時での会話は聞けずじまいとなるが、特定の条件下で辿り着けた場合、ジェニファーに対して毒づく腹黒い一面を見せる。
- クラッシュ
「キレてるだろ 恥ずかしいだろ 苦しいだろ」
「クラッシュは そのとき目覚める能力だ」
慇懃無礼な話し方をする人工魔女
オクトパスに敗れ、自暴自棄気味となっているジェニファーを嘲笑う一方、「彼は敵なのかい?」と問いかける冷静な面も見せる。
オクトパス
「ヤツゴ、遊んでやれ 殺すな」
727 Not Hound過去作の国際指定怪異123号 廃村に登場した、元ウィンチェスターサービスバンドの隊員。
現在はウィンチェスターサービスバンドから離反し、仲間とともにPMシステムをハッキング、その"材料"を集める行動に出た。
ジェニファーと同様、カメラとファインダーマンスーツを装備し、そしてより強力な人工魔女のグループ「ヤツゴ」を従える。
ジェニファーとは「元恋人」の関係であり、彼女と一戦を交わえるも何処か情を捨てられずにいる一面を見せる。
怪異
今作のみならず、727 Not Houndより発売されたホラーゲームに登場する文字通りの「怪異」そのもの。
ここでは本作に登場する怪異を記述していく。
魔女
H E L L O
本作最大の恐怖となる存在。
青白い顔と常に痙攣する斜視の眼球、そして多重に歯を並べる大口を特徴とする悍ましい外見を持つ。
ゲームプレイ中での、写真の撮影やギャラリールームへの帰還、後述の脅威性の被写体の放置といった行動の条件をトリガーとして、徐々にジェニファーへと近付いてくる。
しかし、ゲームプレイ中の放置やメニュー操作といった時間では接近しないため、タイムリミットではなくターン制限に近い特性をもつ。
接近距離は、ギャラリールームを出た廊下に現れる文字やあらゆる場所の照明の明滅頻度で判別が可能。
対処法としては、スペルなどから犯人を特定し、チャンスが1度きりの通報に成功させることで、魔女の接近をリセットし、後の進行速度も半減させられる事が可能。
逆に言えば、犯人の通報に失敗した場合、通常速度の接近から何としてでも逃れなければならなくなる。
また、推理を間違ってうっかり犯人の回廊から脱出を行うと、確定で出現し即死するため、推理を怠った場合の脱出は最悪6分の1の確率で現れることを覚悟する必要がある。
脅威性の被写体
回廊内で出現する、魔女に負けず劣らずの恐ろしい見た目をした怪異達。
回廊の種類や時間帯によって、出現する個体が変わる。
放置により魔女の接近スピードが速まるほか、コインの減少、ループの禁止等といった様々な妨害を仕掛けてくる。
体力を持ち、駆除能力を持った状態で撮影することにより、ランダムなコインとSAN減少ペナルティを持った写真に変えて消滅させることが可能。
ただし、一撃で駆除できなかった場合は反撃により手痛いSANダメージを与えてくる。
一方、対話能力によって撮影時に一定確率で対話が発生し、SAN減少ペナルティを持たない写真へ変えることも可能。
その際の対話内容は見た目に違わないどこか恐ろしげな選択から、逆に印象を塗り替えかねないユーモラスな質問まで様々。
アラヒヒ
727 Not Hound過去作の国際指定怪異123号 廃村に登場した、意思を持った蝋燭。
本作ではギャラリールームから回廊に出る際の撮影スイッチのような役割で登場する。
前述の『廃村』や、ジェニファーとは並みならぬ因縁が存在する。
ファイアマン
「野蛮!人間、野蛮だな」
支援者がプレイできる『P.M. The CAMPFIRES』から登場。
ジェニファーの守護者を自称し、彼女を”アラヒヒのつけ汁”と呼ぶ協力的な怪異。
著しく伸び折れ曲がった右腕や枝のように細長い頭部といった、おおよそ人間ではない外観を持つもの、対話形式で問題なくコミュニケーションは可能。
(ただし、人間の言葉に不慣れなようで「2ポズオルデル年」といった謎の単語や特有の価値観を会話の節々に見せる。)
劇中で様々なアドバイスやジェニファーへの懸念を見せるもの、その行動原理や目的は一切不明。