登場の経緯・運用
日本の航空自衛隊では、1974年より偵察機としてRF-4Eを使用していたが、その配備数は14機と少なかった。そこで偵察機の数を増やすべく、1993年より15機のF-4EJ戦闘機を転用し、偵察機へと改修することで誕生したのがこのRF-4EJである。
RF-4EJは全機が百里基地第501飛行隊に配備され、偵察任務のほか、災害発生時には被災地の空を飛び状況を撮影、迅速な状況把握と被災者の救助の一助となった。
2020年3月26日、第501飛行隊の廃止に伴いRF-4Eと共に退役した。
特徴
元々偵察機として登場したRF-4Eとは異なり、戦闘機からの改修となった本機はポット型の偵察機材を外装して使用する。またRF-4Eは完全に非武装だったが、本機ではM61バルカン砲や短射程の空対空ミサイルなど戦闘機時代のままの武装を搭載し、自衛用として使用可能である。
偵察機材はポッドを使いわけることで、
- 戦術偵察
- 長距離偵察
- 戦術偵察(電波識別)
と任務ごとの切り替えが可能。カメラを使用し特定の地域を撮影したり、電波を識別して敵対空レーダーの位置特定を行える。
本機は改修時期により塗装が異なる。
関連タグ
百里基地:導入から2020年3月の偵察航空隊廃止までの運用基地
RF-4E:本機を2機事故で失ったことが、RF-4EJ導入のきっかけである。
F-15DJ:本来後継機として偵察機に転用する計画があったが、ボツになった。
RQ-4:無人偵察機。実質的な後継機で、2017年度より調達開始。2022年12月より、偵察航空隊の再編に伴い本格運用開始。
F-35:ステルス戦闘機。偵察機ではないが、EOTSやEO-DASなどの高度なセンサー類により本格的な偵察活動が可能で、実質的な後継機その2である。