概要
機首下面のノーズコーンからランディングギアの間の通常型のF-4EであればM61機関砲がある場所に偵察用カメラが複数基装備されている。
このため、機関砲を収めた固定式ポッドは存在せず、代わりにカメラ用の窓が開いている。
また、F-4EやF-4EJには存在する水平尾翼の前縁スラットは本機には存在せず、操縦特性に違いがある。
アメリカで開発された機体ではあるが、本国の空・海軍では採用されず、専ら輸出に充てられた。導入国はイスラエル、イラン、韓国、ギリシャ、トルコ、西ドイツ、そして日本。
航空自衛隊での活躍
日本の航空自衛隊に導入されたF-4EJ戦闘機は、ごく初期の輸入⇒ノックダウン生産(部品輸入後現地組み立て)を経て殆どが国内でのライセンス生産であったが、RF-4Eだけは全機が本国で生産されたものを輸入した。
総勢14機が導入されたものの機数が少なく、これに加えて事故で2機を喪失。また戦闘機部隊ではF-15J戦闘機の導入でF-4に余剰が生じていたため、15機を偵察機型RF-4EJに改造し、偵察部隊である第501飛行隊へと回している。
とはいえ、元々が戦闘機として製造されたRF-4EJは名前こそ偵察機だが、機体そのものに偵察機材は無く「偵察用ポッドが使える戦闘機」といった機体である。
つまり偵察任務ではハードポイントを偵察用ポッドに割り振る必要があるため、搭載できる増槽はRF-4Eより少なく航続距離が落ちる。
このため、
- 長距離はRF-4E
- 短距離はRF-4EJ
という使い分けが成された。
主な活動実績は大規模災害が発生した際の被害状況の観測などである。
2020年3月26日、第501飛行隊の廃止に伴い退役した。