概要
1989年に東京モーターショーに出展したコンセプトバイクを、ほぼそのままのデザインで市販したのが本車。
最大の特徴は流線形のデザインで、ネイキッドバイクにイタリアの旧式スクーターを融合させたような、レトロとも未来的ともとれる姿をしている。
このデザインで1992年のグッドデザイン賞を受賞している。
エンジンは250cc空冷単気筒の平凡なものであり、走りよりもファッション性や実用性に重点が置かれた。
大型の風防や収納スペースの確保はもとより、靴を傷めないための配慮としてチェンジペダルはシーソー式を採用した。
250ccクラスのバイクでは珍しいベルト駆動を採用したのもポイントだった。
しかし、688,000円と当時のレーサーレプリカ以上に高価だった事や、発売がバブル崩壊直後だったことから販売は苦戦。
補足すると、この価格は250cc空冷単気筒のバイクとして見れば、令和突入時点でも十分高価である。
正確な販売期間は不明だが、2年程度で生産終了したと言われている。
しかし、他のどのバイクにも似ていないコンセプトやスタイルから、後になって再評価が進み、中古車価格が高騰。
スズキの企業博物館である「スズキ歴史館」にも収蔵されるなど、現在でもバイクの歴史において存在感を放っている一台と言える。