概要
タプリスを主人公とした『ガヴリールドロップアウト』の公式スピンオフ作品。略称は「タプシュガ」。原作はギャグ寄りの作風だが、本作はかわいらしさに重点が置かれている。電撃だいおうじにて第60号(2018年8月発売号)から連載開始し第86号(2020年10月発売号)にて最終回を迎えた。全3巻。
原作と同じ世界でストーリーが展開されるタイプのスピンオフで、本作で明らかになった設定やイベントが逆に原作で取り上げられるケースもある。例えば、ある人物のスマホの顛末がガヴドロ第53話→タプシュガ第2話→ガヴドロ第58話というように、原作と本作をまたいで描かれたことがあった。アニメ版が初出の設定も積極的に取り込んでいくスタンスである。
登場人物
主な登場人物はガヴリールドロップアウトの記事も参照。
本項では、本作で明らかになった事項を中心に記述する。
千咲=タプリス=シュガーベル (タプリス)
本作の主人公。憧れの先輩であるガヴリールを追って舞天高校に入学した天使。メイと篠原からは「千咲」と呼ばれている。
日常生活においても常に天使行為を欠かさない天使の鑑。天使らしく縁起の良いことがよく起こる割に、なぜか運だけはやけに悪い。
服装に関係なく着用しているマフラーとタイツがトレードマークでありアイデンティティ。真夏に暑いと自覚していても決して脱ぐことはない。
原作では独学でプログラミング言語を習得したり、本作では初めてプレイするゲームを数時間でマスターしたりと学習能力が非常に高い。
悪魔のメイを非常に警戒しており、自分からは極力関わらないように行動しているが、黒奈の方からちょくちょく絡まれている。表面上は辛辣な態度になるが、本気で嫌っているわけではない模様。
1年生組の中では、料理が1番上手い。(他の三人がアレなのもあるが)
黒奈=メイフィストフェレス=シナモンロール (メイ)
タプリスの同級生の悪魔。フルネームは本作で初めて明かされた。タプリスからは「黒奈さん」、篠原からは「メイ」と呼ばれている。
割と人間らしいヴィーネやサターニャに対して、思考回路やスキルはかなり悪魔寄り。使い魔を召喚したり相互通話できるテレパシーを行使したりと芸達者だが、下界ではあまり役に立っていない。羽を出すと他の悪魔や天使と同様に飛行可能(ただしメイ自身はその能力をすっかり忘れてしまっていた)。タプリスとは対照的になぜか運がとても良い。
制服や私服では常に黒いパーカーを羽織っており、タプリスと同様にアイデンティティだからと真夏でも決して脱ぐことはない。
悪魔にとって天使は敵対する存在のはずなのだが、タプリスには非常に懐いており、よく抱きつこうとしている。
篠原千秋
タプリスの同級生の人間(イラストの左側)。フルネームは明らかになっているが、タプリスからは「篠原さん」、メイからは「篠原」と名字で呼ばれている。
長いストレートヘアとヘアピンがトレードマーク。「かわいいから」という理由で友達になろうと声を掛けるくらいアクティブな性格のごく普通の女子高生である。
自己紹介で噛みまくっていたタプリスに真っ先に声をかけ、苦戦しつつもメイとも友達になっているが、かなには逃げられている。本来は相容れないはずのタプリスとメイを繋いでおり、ある意味で影の主人公ともいえる存在かもしれない。
特別な能力はないはずなのだが、やけに勘が鋭い面があり、冗談交じりとはいえタプリスとメイの正体を言い当ててしまったことがある。
桜庭かな
タプリスの同級生の人間(イラストの右側)。
第9話から登場。D組のタプリスとは別のクラスである(隣のC組)。
友達作りの方法を探るためにタプリスを「観察」していた。それに気付いたタプリスからアプローチを受けるも、性格が災いして逆にライバル宣言をしてしまう。
ツンデレでポンコツな部分もあるが、なんやかんや1年生組の中では最終的に1番常識人に落ち着いている。
天真=ガヴリール=ホワイト(ガヴリール)
タプリスの先輩の天使で、原作のガヴリールドロップアウトの主人公。タプリスからは「天真先輩」と呼ばれている。
天使学校を主席で卒業、将来を期待されていたが下界の娯楽に触れた結果、見事にドロップアウトしてしまった。タプリスが慕う先輩であり、それはガヴリールが駄天した後も変わっていない。タプリスは寧ろ尊敬以上の感情を抱いている節がある。
原作では学校行事にちゃんと参加しているが、本作で普段はヴィーネでも手をつけられないレベルでサボっていることが判明。徹夜でタプリスにゲームを手伝わせたり、悪魔であるメイにシンパシーを感じられてしまったりと、駄天の進行は深刻なようである。
タプリスがメイや篠原とよく一緒にいることを知っており、「仲良くしてやってくれよな」と声をかける先輩らしい一面も。
月乃瀬=ヴィネット=エイプリル(ヴィーネ)
ガヴリールの同級生の悪魔。タプリスからは「月乃瀬先輩」と呼ばれている。
悪魔でありながら天使以上に真面目で世話好きな性格。その反面、怒ると異様に怖い。本作でもガヴリールの世話を焼いており、ゲーム禁止令を出したり肉じゃがを作って持ってきたりしている。
イベントは全力で楽しむタイプ。料理が得意なこともあり、クリスマスパーティを開催しようとするタプリスに料理のレシピやパーティーグッズを渡していた。
お弁当交換回では1年組の面白弁当を見てドン引きし「1年生って少し変わっているわね…」と感じていた。おまいう
胡桃沢=サタニキア=マクドウェル(サターニャ)
ガヴリールの同級生の悪魔。タプリスからは「胡桃沢先輩」と呼ばれている。
律儀(というより愚直)な性格で、悪魔でありながら初詣にもちゃんと行っていた(祈ってはいない)。
タプリスにはガヴリールを堕落させた原因として一方的に敵視されており、何度も勝負を挑まれるがすべて返り討ちにしている。
誤って休校日に登校した際に遭遇した桜庭かなに対してタプリスとの対決の武勇伝(殆んど誇張)を自慢気に語り、更にタプリスへの好意を見抜き指摘した上で追い討ちをかけるが、キレたかなの反撃を喰らい両者ガチ泣きの痛み分けに終わった。
白羽=ラフィエル=エインズワース(ラフィエル)
ガヴリールの同級生の天使。タプリスからは「白羽先輩」と呼ばれている。
天使学校を次席で卒業、高校でも才色兼備の優等生だが、愛情表現が少々歪んでしまっている。
真夏のエピソードでは直接は登場していないにもかかわらず、タプリスと篠原を同時にいじるという妙に高度なことをやってのけた。