概要
ブロマンス(bromance)とは兄弟(brother)とロマンス(romance)の合成語。女性では「ロマンシス」がこれに当たる。
「シャーロック・ホームズ」のホームズとワトソンの関係など、ミステリーの探偵と助手のようなちょっと特別な絆がある関係が代表的。
米スケートボード雑誌編集者のデイヴ・カーニーによって「四六時中一緒にスケートボードをしているような関係」という意味で使うために造られた言葉である。
男性同士の極めて近しい関係を指すが、性的な関わりのない親密さの一種である。
同性婚も法律で認められているゲイ大国アメリカでは、単語を使い分けることで、恋愛(同性愛)と明確に差別化を図るケースが多々ある。
米ドラマ「ボストン・リーガル」にはデニーがアランのネクタイを直しながら「君と僕が結婚していたら良かったのに」と言う場面があり、米ドラマ界の最も親密なブロマンスの一つとされている。
日本でよく言われる「男同士の篤い友情」などがブロマンスに近いと言える。
似て非なるもの
ブロマンスと恋愛感情は異なる。
漫画家の吉田秋生は映画真夜中のカーボーイ以来、「恋愛でない感情で結びつくこと」をテーマの一つとしている。これは恋愛でない感情の「魂のむすびつき」に惹かれたから。BANANAFISHなどの彼女の作品もこれに当たると考えられる。
また少々例外ではあるが、北斗の拳やキン肉マンから顕著になった闘いを経て相手を認める関係性もブロマンスと呼ばれることがある。これは、後にその敵が味方となる展開や味方とならずとも敵では無くなる展開が増えたからだと考えられる。闘いを経て認め合うという意味では殺し愛や殴り愛もこの一つだが、あくまで好意であって恋愛ではない。
二次創作では、漫画や小説同じ組織や集団に属する者で特別に仲が良い二人や反目しているくせに互いを信頼している二人を恋愛感情や性的な意識に結びつけることもあるが、それは友情の場合も少なくない。喧嘩するほど仲がいいのとケンカップルは似て非なるものだ。
ただし、ブロマンスを描いているつもりでも、自身の嗜好を積み重ねていった結果、本人の自覚無自覚にかかわらず微腐向けになることもあり、男性向けのマッチョだらけのバトル漫画は、BLと違った意味でのホモ臭いやり取りや男性キャラの繊細な心理描写が多く、戦闘描写や不良描写が足りないと「表現がぬるい」としてBLと違った意味で荒れることもあるという(アッパーさが重要なアンケート至上主義の界隈でだけである)。
少年漫画の中には、腐ィルター(そう見えるだけでBLなのではない)と男性向けのエロや下ネタが同時に入る、相対する要素が喧嘩している作風もある。
男性だらけのスポーツ漫画がBL化しやすいのは、女子スポーツ漫画(の自己投影層)や応援する観客女子層(の自己投影層)とドッキングされた結果、中性的な表現になった噂がある。
絵を描く時にどこまで体をくっつけて良いかはよく議論になる(男女問わず、下着以外の脱ぎ捨てた服、手元や足元を描いた絵がセンシティブに見えることもあるため)。
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