印象派
いんしょうは
(日)印象派・印象主義
(英)Impressionist インプショニスト
(仏)Impressionnistes・(印象主義)Impressionnisme (アンプション二スト)
19世紀後半のフランスに発し、ヨーロッパやアメリカのみならず日本にまで波及した美術及び芸術の一大運動、クールベの写実主義を発端にした組織的芸術主義の一つで、主に、宮廷が主催したサロンを中心とした貴族画家による古典主義に対立している派閥である。なのでその絵描きはその当時の市民階級が中心となった。
印象派の画家は、ダヴィンチ以来の技法をも忌み嫌らうとされ、ルーブル美術館に飾られているような絵に唾を吐いてもなんとも思わない。むしろ率先して伝統や技巧に仇を成したがる。気質的にも社会主義・共産主義を信条にした画家もいる(カミーユ・ピサロ)。
その後は写実絵画のお株を奪うカメラの登場、ポスターなどの広告画需要の増加もあり、印象派以上に現実を抽象的に描くアヴァンギャルドな画法が台頭していく。一般には後期印象派あるいはポスト印象派などと呼ばれるが、もはやその多様性は一派にまとめるなど不可能となってくる。
印象派の特徴
1.輪郭を取らず、黒を使わず、原色を好む。
印象派の特徴としてキッチリとした細かい線を書く習慣がないことが挙げられる。この頃の古典的な絵は「工房にてしっかりとした線や輪郭とともに書き上げる」のが常識だったため、当時の観客たちからは「ボヤッとした印象しかないからきちんと描けていない」などと酷評された。ちなみにモネの「印象・日の出」の作品をもじって印象派と呼ばれたのが印象派の始まりである。
2.嵐がこようが外で描く
印象派はとにかく『古典的技法』を使わないのである、そして貴族や神を描かないのである。
では何を書こうかという話になった。結論的には『外にあるもの』になった。印象画家は『室内で描く』画家を忌み嫌うようになりキャンバスをそのまま外に出して油彩で描くという無茶な荒技を生み出した体力自慢のようである都外でキャンバスで描く第一人者はモネである。
絵具を外に出す必要があったので『チューブ絵具』という物も生み出された。それまでの絵画は、原料を水や油で溶き色をいちいち作っており、その為に弟子や画廊のスタッフを数人確保しておく必要があった。印象派画家は大半が貧乏なのでそんな人を傍においとく余裕が無いためこれはありがたかった。
『外で光を追っていると、黒という色を見かけない』
印象派画家は詰まる所この世に完全な闇という物は存在せず、あるのは影、つまり光が極端に少ない所だという結論に至った。当時ヨーロッパでは目覚ましい科学の発展があり、白黒写真の到来によりこの世の光に明瞭たる境界線は存在せず、すべては相対的な印象である事を画家たちは悟った。
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