概要
緑色の羽が生えた紫色の毒々しい色をした一つ目のサソリのような姿をしている。
他者に取り憑いて、その者を操りつつ魂を喰らう。意思らしい意思は存在せず、世界へ混沌をもたらす事を本能的な行動理念としている。
かつてハデスが創造した怪物なのだが、制御不能な失敗作であった。そのため、自然王ナチュレ率いる自然軍によって宇宙に建造した人工物「月の神殿」に封印される事となったのである。
だが、ピットによって「月の神殿」が破壊された際に脱走(遠目だったので静寂のアロンが脱出したとピットとパルテナは思い込んでいた上、その時は運悪くナチュレは留守中だったので知る由も無かった)し、その後オーラム軍との戦闘で満身創痍だったパルテナに取り憑き、ピットの魂を『混沌の指輪』に封印。3年後の世界で人間たちに暴虐を尽くすことになるのである。
パルテナとピットから意志力を奪い自らの手駒とした他、ピット、冥府軍、自然軍、オーラム軍、自身の量産型と様々な軍勢のコピーを産み出す事で大軍団を築き上げる能力を持つ。
だが、自身の生息する「混沌の狭間」の内部では、本来は地上を歩き回る魔物を空中戦に配置したり、オリジナルには無いおかしな挙動をさせる事も多く、軍勢の入り混じりぶりも加わって戦闘の様子はまさしくカオスそのものになっている。
当人の戦闘スタイルはパルテナを盾にしつつ、自らは姿を消して飛び道具を放つというもの。
ピットに勝てないと見たのかパルテナの魂を奪い逃走を図ったものの、ブラックピットの操る光の戦車で空間の入口を強制的にこじ開けられ、ピットやブラックピットの侵入を許す事となる。
混沌の狭間でのピットとの激しい追走劇の末に、浮遊する岩に激突した事でダウンしピットの追撃で浮島に墜落(ここで混沌の遣いの体力を削り切らなければ混沌の遣いは逃走してしまい、ピットは混沌の狭間から脱出する事が出来ずゲームオーバーとなる)。そのまま自身が創り出した全十三陣に及ぶ混成軍で迎え撃つも、ピットと第九陣から乱入して来たブラックピットによって全て浄化され、最終的にはナチュレによる封呪の奇跡を受け、ピット達によって浄化された。
……と思いきや燃え尽きた塵と化してもその生命力で生き延び、今度はブラックピットに乗り移り復活を遂げようとした。
しかしピットの決死の覚悟での飛翔の奇跡による救出によりブラックピットは助け出され、混沌の遣いはそのまま眼下に広がる混沌の海へ消えて行った。
一つ目のキャラデザや憑依による闇堕ちやコピーを産み出し軍団を築く能力などは、同じ桜井製のボスキャラクター混沌と闇の化身ダーズにも受け継がれた。
余談
混沌の遣いが退場した後のストーリーは既に終盤に差し掛かっており、ピットの復活、ハデスとの決戦と怒涛の勢いでストーリーは展開していくため、騒動に関する後日談は残念ながら無い。
しかし、長きに渡って人間に味方してきたはずの女神パルテナが、人間達に牙を剥いたという事実が彼らにどれだけショックを与えたかは想像に難くないだろう。
ストーリーの最後は地上界での大きな街を背にハデスとの最終決戦を繰り広げたピットだが、これでようやく人間達からの信頼を取り戻せたと思われる。