概要
アラブ出身の改造人間で、ショッカー末期から行動していたカニとコウモリの合成怪人。
「幽霊怪人」の異名を持ち、その姿を基地のモニターで確認した地獄大使は、「俺の知らない怪人……?」と呟いていた。
劇中における活躍
テレビ本編
ショッカー首領がショッカー解党を明言したのち、ショッカー戦闘員を次々に虐殺し、視聴者に衝撃を与えた。その後、ブラック将軍と共にゲルショッカー結団式に参加、そこで仮面ライダー1号及び滝和也と相見える。
その後、ゲルショッカー最後の作戦でヒルカメレオンはガニコウモルを真っ先に復活させ、その戦いのデータを基にゲルショッカーは本郷猛を最大の危機に追い詰めている。
漫画版
すがやみつるの漫画では、デザインが少し異なる。やはりこちらもライダーを死の危機まで追い詰めたが、その前にショッカー怪人二体を瞬殺しており、「ガニコウモル>ショッカー怪人」という力関係を際立てていた。
最終的に、首領から裏切られたことでライダーに味方したガラガランダとともにきりもみシュートをくらい破れている。
その後のシリーズでは…
『仮面ライダーディケイド』劇場版では、大ショッカーの怪人として登場。少なくとも3体は再生されていることが確認できる(ジャーク将軍と共に仮面ライダーディエンドのファイナルアタックライドで吹き飛ばされた個体と、大ショッカー要塞前での最終決戦で登場した複数の個体)。
『仮面ライダーSPIRITS』でも、幼体やサナギなど複数のガニコウモルが登場している。
『レッツゴー仮面ライダー』では、ショッカーグリードの存在で世界を牛耳るまでになったショッカー警察の中心的存在として登場。2011年にイカデビル、ガラガランダと共にオールライダーと戦いを挑むが、電王とNEW電王によって斬り裂かれた。
『スーパー特撮大戦2001』では、悲しいことに(予算と納期の関係で)ゲルショッカーの怪人がこいつしかいない。作中ではブラック将軍に全能力を数十倍に改造されて最後の決戦に挑むも、レベルと気力が十分に上がっていれば難なく倒すことが可能。
戦闘能力
切れ味の鋭いハサミと、口から吹きつける溶解粉末が武器。
また、講談社『オフィシャルファイルマガジン 仮面ライダー特別編ショッカー』(2005年)によると、『仮面ライダー』に登場した怪人の中で唯一弱点が存在しない。
本編では仮面ライダー1号の新サイクロン号の突進すら受け流し、さらに必殺技「ライダーきりもみシュート」を唯一受け付けず(その後のゲルショッカー怪人クラゲウルフには通用している)、最終的に1号が捨て身の突進を行って倒すしかなかった(その回のタイトルは「ゲルショッカー出現!仮面ライダー最後の日!!」)。
余談
『仮面ライダーSPIRITS』の村枝賢一は「怖さ、悪さ、強さがとにかく好き」と『オフィシャルファイルマガジン 仮面ライダー1号』で述べている。
上記のように、この怪人に弱点はないとされているが、柳田理科雄氏は著書「空想科学読本」にて、出身が「アフリカのアラブ」とされていることに対し、「地理感というものが全くない」「それこそ大弱点ではないか」とツッコんでいる(後に『空想科学読本9』では「アフリカの蟹とアラブの蝙蝠が合体したということにしてしまえ」と強引に説明している)。ただ、本来“アラブ”とは「アラビア語を話す人々であるアラブ人が主に住む地域」のことであり、アフリカ大陸にもエジプトなどのようにアラブ人の住んでいる国はあるので、あながち間違いではないとも言える。