概要
大正時代に日本で初めて本格的なウイスキーを作ろうとする酒屋の跡取り息子が、渡った先のスコットランドで一人の女性と出会い、当時はまだ珍しかった国際結婚をし、時にはぶつかり合いながら絆を深めていく物語である。本格的なウイスキー蒸留装置をセットに取り入れ、ウイスキーづくりもストーリーの一部に組み込んでいる。
またNHKの朝ドラヒロインとしては初の外国人を採用している(ただし採用条件があり、対象者は芸能事務所に所属するプロもしくはプロ志望者に限られた)。
主演は玉山鉄二とシャーロット・ケイト・フォックス(夫婦ともに主人公扱い)、共演者は泉ピン子、前田吟、西川きよし、堤真一など。
登場人物
主人公とその家族
広島県・竹原の造り酒屋、亀山酒造の次男。醸造学を学びに出てウィスキーに魅せられ、本場のウィスキーを学ぼうと単身渡ったスコットランドでエリーと出会う。やがて恋に落ちた二人は周囲の大反対を押し切って結婚。日本に帰国した。何度も苦境に立たされるが、エリーの愛と明るさに支えられ、日本初の国産ウィスキーを造るという夢に生涯をかけていく。
愛称は「まっさん」。つまり番組のタイトルは彼の愛称である(カタカナ表記であるのはエリーからの呼称である意を含めているものと思われる)。モデルは、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴正孝。
- 亀山エリー(かめやま えりー)/ 演 : シャーロット・ケイト・フォックス
政春の妻。スコットランド・グラスゴー出身。政春のことを「マッサン」と呼ぶ。ウィスキー造りを学びにスコットランドに来た政春と恋に落ち、母親の反対を振り切り、政春と一緒に日本へ渡る。来日後は、「外国人の嫁」という理由から周囲に歓迎されず、文化や習慣の違いから、良かれと思ってやったことが裏目に出て、騒動になってしまう。それでも、持ち前の明るさで、どんなにつらい時も笑顔を絶やさず、政春の夢を支え続ける。竹鶴正孝の妻・竹鶴リタがモデルとなっている。
政春・エリー夫妻の長女。生まれて間もなく身よりが無くなり教会に預けられていたところを夫妻の養女として引き取られた。
日本的な厳しい躾と、自分の意見をはっきりと言葉にするというエリーの教育方針に則り、自分の意思を主張することに躊躇がない。日常的に英話を用いるバイリンガルである。
亀山酒造
政春の母。亀山酒造の娘として生まれ、婿養子をもらい、亀山家を守ってきた。政春がエリーを連れて帰国した際は激怒し、「この国で外国人と日本人が結婚しても幸せにはならない」とエリーとの結婚を認めず、政春にウィスキー造りをやめて、造り酒屋を継ぐように迫る。
政春の父。亀山酒造に婿入りし、神戸の灘、京都の伏見に負けない広島の酒を生み出すために、杜氏達と魂をこめて酒を造り続けている。「酒は生き物じゃ」が口癖で、多くを語らない父に対し、政春の夢の原点は、「父を超える酒を造ること」だった。
政春がエリーを連れ帰ったことで巻き起こる騒動の中、政春と胸中を語り合い、その覚悟を問う。厳しさと深い愛情を持って政春のウィスキー造りへの挑戦を見守り続ける。
政春の姉。亀山家の長女として生まれ、兄弟姉妹の面倒を見続けてきたしっかり者。すでに嫁いでいて、3人目の子供を身ごもっている。母・早苗とともに政春の結婚が上手くいくはずがないと考え、エリーとは距離を置いて接するが、文化の違いを超えて健気に奮闘するエリーの姿を見て、同じ女性としてエリーを尊敬するようになっていく。
厳しい母と寡黙な父のもと、天真爛漫で活発に育った末っ子。女学校に通い、教師になることを夢見ている。兄思いだが、母の猛反対にあう政春を見て面白がっている節がある。
好奇心旺盛で、猛反対する母を尻目にエリーを歓迎し、積極的に交流。エリーも心を開き、生涯に渡る友情が続いていく。
亀山酒造の蔵人(酒造り職人)。一人称は「わし」。政春の小学校時代の先輩で、政春からは「俊兄(としにい)」と呼ばれている。天邪鬼でそそっかしいが、政志を尊敬し、水・米共に広島産の酒を作ることに情熱を持っている。はじめは政春に反発心を抱いていたが、ウイスキーづくりを通じて互いに理解を深め、信頼関係を築いていく。
大阪の人々
住吉酒造の取引先である鴨居商店の社長。社員や取引先などから「大将」と呼ばれている。人々に驚きと喜びを与えたい根底から、日本人の好みに合わせて洋酒を独自に加工し製造・販売して利益を上げる商売方法を信条とする。
初めて出会った時から亀山夫妻を気に入り、エリーに親切に声をかけ悩みの相談に乗ったり、ワインの売り上げ回復のために協力した政春に鴨居商店への入社を誘う。入社した政春を、創業した山崎工場の工場長に配属し、初の国産ウイスキー販売に向け共に協力していく。
サントリーホールディングスの前身である鳥井商店(寿屋)の創業者、鳥井信治郎がモデル。
鴨居欣次郎の長男。大学に入学したものの、将来の目標も無く遊び歩いていることや、留学を志望していることから、父の指導で、政春に師事し エリーから英語を教わるため、亀山夫妻の家に下宿する。
亡き母や家庭を顧みず仕事に没頭してきた父を身勝手であると忌み嫌っていたが、亀山夫婦や近所の住民たちの温かさに触れ、心を開いていく。