吉原遊郭

よしわらゆうかく

江戸時代から昭和32年まで営業されていた遊郭。

概要

江戸時代から340年に渡って存在していた遊郭。

幕府が元和3年（1617）に、それまで江戸の市中各所に散在していた遊女屋を、日本橋葺屋町(現在の中央区日本橋人形町付近)に集め、塀で囲って隔離し、公認したことが始まりである。

当時はヨシ(アシ)の茂る地で「葭原」と書いたが、後に縁起のよい字にかえて「吉原」と称した。

明暦3年（1657）の大火で焼けたため浅草に移された。前者を元吉原といい、後者を新吉原という。

吉原の遊女は非常に格式が高く、奉公に行くと歌や踊りだけでなく、読み書きから俳句・茶道・華道・香道・書道など、果ては古典に至るまで、高い教養を仕込まれた。

これは客が大名や旗本、豪商といった人々であったため、高度な教養を備えていなければならなかったためである。

また、これだけ教養を身につけていると、妻に迎え入れられることもあり、そうして身請けしてもらって「いいところの家」に嫁いでいくわけであり、いわゆる『逆玉の輿』が行われていたりもした。

この話は外国人にとっては信じられない話であったようで、明治元年に来日したオーストリアの外交官『アレクサンダー・F・ヒューブナー』は、嘘だと疑いなかなか信じようとはしなかったという。

昭和32年（1957）4月1日に売春防止法が施行されたことによって、その歴史に幕を下ろした。

その後は、高級ソープランドを始めとする性風俗店や連れ込み宿（いわゆるラブホテル）へと転業していき、現在の吉原は都内最大の風俗街へと変化している。