概要
遊女屋の表通りに面した格子つきの部屋に、遊女が並んで客を待つこと。また、その部屋。単に「見世」という場合もある。客に遊女を見せるためのショーウィンドウのようなもので、客は格子の間から眺めて好みの遊女を選んだ。
客と遊女は、格子をはさんで会話を交わし、遊女は 見て歩くだけで登楼しない客(素見 / すけん)にも煙草などをふるまうことがあった。
妓楼はどこも二階建てとなっており、一階が張見世となっていた。
開店の合図があると、それまでに化粧をすませて盛装していた遊女らが二階から下りて見世に並ぶ。張見世は昼見世(正午頃~午後4時までと、夜見世(午後6時~深夜12時)があったが、揚代(遊女を買う料金)はどちらも同じだった。
なお、大籬(おおまがき)と呼ばれる第一級の娼家では、花魁などの格の高い遊女は見世の前には座らなかった。
余談だが、オランダ・ドイツ・ベルギーなどのゲルマン諸国や、そこから伝播した地中海側などの国々における歓楽街にも、類似したものとして『飾り窓』がある。