概要
水木しげるが1971年に発表した漫画で、ヒトラーが若き画家志望から独裁者となり破滅へと至ったかを描いた伝記作品。ここでは「ヒトラー」ではなく「ヒットラー」と書かれる。
参考文献も載せるほど史実に忠実で、「劇画」と書くだけあって背景は写真を元に劇画調に描かれている。
物語
蒼褪めたる馬あり、それに乗る者の名を死という・・・
第二次世界大戦末期ドイツで。屋根裏部屋に隠れるユダヤ人たちはホロコーストに怯えていた。反体制派の青年は彼を匿う父親と最期の問答をしていた。フランスのパリでレジスタンスは侵略者への抵抗をするも、恐怖と不安に苦しんでいた。
ドイツ人を熱狂させた独裁者、アドルフ・ヒットラー。どんな人物だったのか。何故彼はドイツを支配者となり、世界大戦を引き起こしたのか。その生涯を描く。
登場人物
アウグスト・クビツェック ヒトラーの親友である幼馴染で音楽家。
エルンスト・レーム ヒットラーの元上官でSA(突撃隊)幕僚長。ホモ。
ヘルマン・ゲーリング 元パイロットで後に帝国元帥となる。
ルドルフ・ヘス ヒットラーの私設秘書で副総統にもなる。
エーリッヒ・ルーデンドルフ ドイツ軍将校でヒットラーのミュンヘン一揆に協力。
カール、フォン・ロッソウ、フォン・ザイサー バイエルン州の指導者3人。
パウル・ヨゼフ・ゲッベルス ナチス政権の宣伝相。
ハインリッヒ・ヒムラー ヒットラーの秘書で、後のSS(親衛隊)長官。
グレゴール・シュトラッサー ナチス党の実力者でヒットラーと対立する。
フランツ・フォン・パーペン 国家人民党党首でナチスと連立政権を組む。
クルト・フォン・シュライヒャー 国防軍出身の首相で、策略でナチス分断を図る。
パウル・フォン・ヒンデンブルク ワイマール体制最後の大統領。
モレル ヒットラー付きの医師。
ヨアヒム・フォン・リッペンドロップ ナチス政権の外務大臣。
フリードリッヒ・パウルス スターリングラードの戦いでドイツ軍の指揮を取る。
マルチン・ボルマン 政権末期のヒットラーの側近。
アルベルト・シュペーア 元建築家の軍需大臣。
ベニート・ムッソリーニ イタリアの指導者。
アーサー・ネヴィル・チェンバレン イギリス首相。対独外交で宥和路線を進める。
ウィンストン・チャーチル イギリス首相。対独戦で強力に望む。
ニキータ・フルシチョフ スターリングラードの戦いでソ連軍の指揮を取る。
モロトフ スターリンの側近で外務大臣。
フランシスコ・フランコ スペインの指導者。