概要
しんのすけが通う幼稚園(原作は「アクション幼稚園」、アニメ版は「ふたば幼稚園」)の園長。ちなみに副園長は妻が務めている。
パンチパーマにサングラス・口ひげ(原作最初期の頃には顔に縫い傷も)と、いかにもその筋の人のような外見だがれっきとしたカタギの人間。その内面はとても穏やかで物腰柔らかな人物である。
写真撮影・書道・ボウリングなど色んな趣味を持っているが、写真撮影では素人のしんのすけが撮った自身の撮影姿を撮った写真が、雑誌で最優秀作品に選ばれる一方、自分の作品は落選したり、ボウリングでは、幼稚園のボウリング大会にてしんのすけがシロを無断で連れ込んだ為にボウリング場から出入り禁止を言い渡される等、自分の趣味を披露する度に最終的に報われないオチを迎える事が多い。
その強面な風貌ゆえ登場早々「地上げ屋」呼ばわりされたあげくに「ヤクザ」扱いされており、「組長」という呼称を付けたのは例によってしんのすけである(アニメ版では最初に組長呼びをしたのは風間くんである)。
ゆえにアニメでは、しんのすけに「組長」と言われるたびに「園長です」と訂正を促している。
また、原作ではボーちゃんから「2、3人殺してそうな顔」と非常に辛辣な評価をされた事もある。
普段は穏やかな笑顔を浮かべる事もできるが、嬉しい時の笑顔や泣き顔などは怖いのみならず不気味さをも感じる程で、しんのすけ達からは度々「(笑顔が)怖すぎるゾ」、「泣いても怖い顔」と言われてしまう事がある。マスターヨダから「顔が怖すぎるせいで、泣いてんのか怒ってんのかわからない」と言われた事さえある。
この顔が原因で散々な目に遭うエピソードは数知れず、野原家に家庭訪問に訪れた際にしんのすけのリクエストでやった『凶悪な借金取り』のものまねが近所の人から本物と誤解されて警察沙汰になる、子供をあやそうとして逆に大泣きされる、別の幼稚園の先生に声をかけながら近づいただけで「殺されるー! 助けてー!」と泣き叫びながら逃げられる、カフェにスイーツを食べに来ただけで店内の女性客を全員帰らせてしまう等、やることが裏目に出ることが多々ある。
当然、本人は強面であることを非常に気にしており、顔を見ただけで組長呼ばわりされたり、すぐにヤクザと誤解されることに難色を示しているが、普段見慣れている筈の職員や園児、保護者達ですら急に顔を見せると驚かれたり、怖がられる事が多く、初登場回では急に顔を見たよしなが先生から「ソープに売らないでー!」と泣き叫ばれてしまった。特に寝起きの顔は、妻や鏡を見た自分自身すら本気で驚くほど怖いらしい。
それ故か、妻と喧嘩した際には朝礼でワザと「ヤクザ」と呼び間違えられた事もある。
一方で、良くも悪くも少々悪乗りしやすいところがあり、前述の借金取りのものまねの他、初期の頃はしんのすけから危ないヤクザの台詞を言わされたり、勢いに乗ってドスの利いた声で幼稚園での号令をしたりする事があり、そうした一面が仇となって誤解を招き、最終的に大騒動になってしまったケースも少なくない。
また、しんのすけがチンピラに絡まれた際には凄んで退散させるなど、ここぞという時には自ら強面を武器にする事もある。
だが、大人でありながら歯医者に行くのが怖いという可愛らしい一面もある。
なお、彼のサングラス(作中の描写や本人の話によれば、度が入っている模様)はどういう訳か人を前向きにさせる効果があるらしく、サングラスをかけたマサオ君が急に男らしい性格に変わったこともある。これが本人にも作用しているかは不明である。
上記の通りから普段は滅多に怒ることは無いが、原作ではまつざか先生が愛する恋人を亡くした腹いせに職務中にお酒を飲んだ時や、アニメではかすかべ防衛隊の面々(それと、よしなが先生、まつざか先生、上尾先生)が約束を破って、幼稚園内にある立入禁止の部屋(自身の若い頃の思い出の品を集めたコレクションルーム)に勝手に入った際には厳しく叱りつけた。
出身は徳島で、大学に通うために上京した頃、その強面から周囲と馴染めず落ち込んでいた時、ある小さな男の子(その男の子は何故か連載初期のしんのすけに似ていた)だけは自分の顔を怖いと言わず、逆に「優しそう」と話しかけてきてくれた事があり、それが幼稚園の教師になるきっかけであったと語られている。
上記にもあるしんのすけに絡んだチンピラを追い払ったエピソードをはじめ、ふたば幼稚園の園児たちや教職員のことはとても大事に思っているようで、まつざか先生が給料の良いエリート幼稚園にスカウトされそうになったときは心配になって尾行した事もあった。
故に園児や教職員を侮蔑する者、危害を加えようとする者は誰であろうと毅然とした態度で挑んでいく気概を見せるが、その際の言動は持ち前の風貌も相まって、一般人は勿論の事、普段見慣れているしんのすけ達や、本物のヤクザさえも震え上がらせる程に怖い。
その中でも代表的なエピソードとして、園長会議のために大阪へ赴くところで偶然新幹線でしんのすけとみさえに鉢合わせした際、野原親子とトラブルになったチンピラの乗客がしんのすけをバカにするや否や、強面で注意し、ビビらせた(この時、本人は冷静な口調で話しかけていたが、チンピラは「堪忍してください親分さん!!」と震え上がり、しまいには泣きだしてしまった)。
その後、大阪のお好み焼き屋では全員顔がヤクザそのものの地元の園長たち(中には某有名スナイパーや某有名大泥棒の相棒にそっくりな園長もいる)との会合中に店員に本物のヤクザと間違えられた。その際、些細なトラブルからしんのすけを殴ろうとした地元のチンピラに対し、他の園長たちと共に強面とドスの効いた声で制止し、撃退した(だが、これが原因で周囲の客達から余計敬遠され、店内は客の全員が黙々と食事をするという異様な雰囲気になった)。
学習漫画では銀行強盗が人質にしようとした途端に武器を捨てて泣きわめきながら逃走し、本人も別な理由で涙していた。
そんなこんなで素は優しい人であるため、なんだかんだ言われながらも、しんのすけを始めとする園児や教職員達からは慕われており、一時期は正義の味方「エンチョーマン」なるショートアニメが放送されていた時期もある。
また、時期によっては彼がアニメ版のナレーションを担当していたこともある。ナレーションと担当声優がたまたま同じという訳ではなく、例えばつわりで苦しむみさえに対し「ちょっと良い話コーナー」なるものの解説役として出演している。
ちなみに本名は「高倉文太」。本名は作中でもほとんど使われておらず、しんのすけを除けば「組長」と言われることは少ないが、ファンや視聴者からは「組長先生」の呼称で通っている。
2014年11月に声の担当をしていた納谷六朗氏が亡くなり、しばらくの間の出番は台詞ナシの1カットのみ登場だったが、後任のCVは2015年10月9日放送分から森田順平氏が担当することが決まった。
森田氏は3年B組金八先生シリーズの桜中学校の数学教師乾友彦役がドラマでの代表キャラとして著名であり、桜中学の教師からからアクション幼稚園の園長への華麗なる転職とも言える。
また、森田氏は金八先生出演時代には、演じていた乾が嫌味な役だった為、中学生を中心とした視聴者から顔を見ただけで石を投げられたり、避けられるなど、奇しくも組長先生の様な偏見や風評被害を受けた経験がある。
関連タグ
桐生一馬 - こちらはヤクザ出身の児童養護施設の園長である意味リアル組長先生。ちなみに組長先生2代目CVの森田氏は当人物が主役を務めるシリーズの一作において、本当の組長(正確には中華系マフィアのボス)の役で出演している。
黄猿/ボルサリーノ - 風貌が良く似ている人(ただし、性格は正反対)。
丸井草次郎 - 同じく顔だけで警察沙汰になるなど、日常的に風評被害に遭っているかわいそうな人。
ジョージ・クライ - 中の人(森田氏)つながり。『厳つい顔と裏腹に穏やかな性格』な組長先生とは反対に、こちらは『温厚な風貌に反して物騒な思想や冷徹な性格の持ち主』というある意味真逆な人。