「さぁ、検索を始めよう」
概要
『仮面ライダーW』に登場する、地球の情報を有したデータベース。
フィリップの脳内に存在し、果てしなく広がる白い空間に無数の本棚が並んでいる(メイン画像参照)。
フィリップが己の精神世界に意識を潜らせている(検索中モード)状態で、知りたい事柄とそれを絞り込み特定するためのキーワードを唱えて検索すると、「本棚」に記録されたそれの情報を「本」という形で知ることができる。
キーワードを唱えることで本棚は移動を始め、キーワードが増えるごとに本が減少し、最終的に1冊に辿り着く。
そしてフィリップはその中身を徹底的に洗い出し、莫大な情報を事務所のホワイトボードに書き起こしていく。
文字通り「地球の全て」と言っていいほど膨大な知識量を有し、その範囲は一般常識から概念、一個人の情報、果てはリアルタイムの事象にも及ぶ。
ただしあまりに知識量が膨大なため、聞き込み等で情報を仕入れ、適切なキーワードを複数見つけ出さなければ本を絞りこむことができない。また、個人に関する本を検索しても該当者の動機や心情といった「心の中」までは検索できないという欠点もある。
中身が全て破かれたように削除されていたり、情報主の都合等で施錠されて閲覧できないものもあるため、万能というわけではない。
さらに地球の記憶を検索するため、この世ではない別世界の情報は記録されない。そのため裏風都にいたときの行動履歴などは空白となってしまう(このことから、時間が基準となって記憶されていることがわかる)。
検索中は現実のフィリップの動きは止まるが、会話は可能。
一種の精神世界であるためか、条件さえ揃えば他者の介入も可能である。
第12話ではフィリップが該当者の生体コネクタに触れることで、精神のみの怪人を地球の本棚に呼び出した。
第16話にてファングジョーカー変身時にフィリップが暴走した際は本棚が倒壊・炎上する光景を翔太郎が垣間見ており、翔太郎は空間に突入した後本に埋もれていたフィリップを見つけ出している(これによりファングジョーカーの暴走が止まり、以降制御できるようになる)。
『ビギンズナイト』では、鳴海荘吉スカルメモリを発動してガイアタワーに接触することで本棚に介入している(前のタブー・ドーパントとの戦いでエネルギーを消耗していたこともあってか、介入後メモリは消滅した)。
以上の事例から、(推察の域は出ないものの)ガイアメモリの力で精神が肉体と離れた、あるいは生と死が曖昧になった状態でフィリップと接触すれば空間に入れるようである。
劇中では長らく、ミュージアムや園咲家(ミュージアムと関わらない表向きの情報であれば入手可能な模様)、フィリップ自身の情報に対してロックが施されており、フリーズ(本棚の移動が停止しそのまま全てが砕け散る)や本が施錠される等して検索・閲覧できないようになっていた。
本来はフィリップ専用の特殊能力だが、第41話以降はクレイドールエクストリームに進化した園咲若菜も使用できるようになり(介入自体は第40話で成功している)、クレイドール・ドーパントに変身してフィリップを攻撃する等の検索妨害が行われた。
若菜の本棚とのシンクロ率はフィリップを上回っているため、単純な干渉力では若菜が勝る。このためフィリップは、自身のシンクロ率をあえて下げることで辛うじて妨害を切り抜けた。
なぜフィリップがこの能力を持っているのかは、作中長らく謎に包まれていた。
しかし物語終盤、ミュージアムの計画の最終段階移行に伴い若菜が本棚のロックを解除したことで、その真相が明らかとなる。
全くの余談だが、ハイパーバトルビデオの後日談『ガイアメモリ大図鑑』ではなぜかてれびくんが置いてあった。
そして『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』では、ウォズがフータロスについて検索する際久々に登場(原典のBGMも使用されている)。
しかし何の前触れもなく唐突に使用され、その後もこれについて特に触れられることもなかった為、何故ウォズが地球の記憶に潜れたのかは不明。
ただ、『ジオウ』に登場する未来人達はファイズフォンの系列機、キャプテンゴーストやキャッスルドランのイミテーションといった「歴代平成ライダーのツールやアイテムのオマージュ品」を本編で度々使っているため、今回の本棚もあくまで模造品なのかもしれない。
本家『W』と異なり、キーワード一つで正解に行きつけたという点もこの説の補強に繋がるといえる(メタ的に言うと、『FOREVER』にはフィリップ役の菅田将暉の登場が検討されていたとのことなので、今回の本棚のシーンはその名残であると思われる)。
余談
正統続編『風都探偵』にも勿論登場しているが、やはり大量の本棚を描くのは手間がかかるらしく、作画担当の佐藤まさきからは「アシスタント泣かせ」と称されている(参考ツイート)。
8代後の作品『仮面ライダービルド』では、第42話にて桐生戦兎が葛城巧と会話した際の脳内世界が真っ白な空間に無数のドアと数式が浮かんでいるというものであったため、「フィリップいそう」との反応が一部視聴者の間で上がった。